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| 発売日 | 1976.4.20.(英) |
| プロデューサー | ザ・グリマー・ツインズ |
| レコーディング | 74.12〜75.4 |
| イアン・スチュアート(p) ニッキー・ホプキンス(org:3、p,syn:7) ビリー・プレストン(p,bvo:1,2,5,6,8、org:6、syn,bvo:4) ハーヴィ・マンデル(g:1,4) ウェイン・パーキンス(g:2,4,7) オリー・E・ブラウン(per:2,5,8) | |
| 手持ちのCD | VJCP-25115(ヴァージン) |
| 購入時期 | 1994年9月 |
| ミック・ジャガー(vo,p) キース・リチャード(g,b,p,vo) チャーリー・ワッツ(d) ビル・ワイマン(b) ロン・ウッド(g) |
| 前作発表後、突然ミック・テイラーが脱退、後任ギタリストのオーディションを兼ねたセッションで制作されたアルバム。よって、ここでは後任候補となった元キャンド・ヒートのハーヴィー・マンデル(1,4)、マッスル・ショールズのセッション・ギタリスト、ウェイン・パーキンス(2,4,7)、そして、当時まだフェイセズのメンバーだった
ロン・ウッド(3,5,8)がそれぞれギターを弾いているが、他にもジェフ・ベック、ピーター・フランプトン、ミック・ロンソン、クリス・スペディング等、超豪華なメンバーが候補に上がっていたという。
結局、セッション終了後の全米ツアーに同行したロン・ウッドが、フェイセズが解散したこともあり、正式メンバーとして加入することとなった。こうした慌ただしい中でレコーディングされたアルバムではあるが、そうしたことを全く感じさせない、隙のない、完成度の高いアルバムに仕上がっている。
また、前作IT'S ONLY ROCK'N ROLLでは未完成だったシティ・ソウル、ニュー・ソウル、ファンク、レゲエなどの新たなサウンドの追求をさらに推し進め、完成の域に高めているのが特徴といえる。 とにかく、ストーンズのアルバムの中では異例の都会的な雰囲気と、洗練された空気が漂う。元々のストーンズのイメージ通りのストレートなR&Rは2:Hand Of Fate、8:Crazy Mamaの2曲のみ。1:Hot Stuffは前作収録のFingerprint Fileをさらに一歩発展させたファンク・ナンバー。「ストーンズの曲だ」と知らされずに聴くと、 本物のファンク・バンドの曲と勘違いしそうなほどの完成度の高さ。後のディスコ・ブームを先取りしたかのようなところもあり、後に一部のファンを戸惑わせたMiss Youは、「この曲の延長線上にある」と思えば、全然不自然には思えない。3:Cherry Oh Babyはジャマイカのレゲエ・シンガー、エリック・ドナルドソンのカバー。前作収録のレゲエ風ナンバーLuxuryではまだぎこちなく、 未完成だったのに対し、ここではほぼコピーに近い演奏で、コーラスのパートなど、なかなか本格的に仕上がっている。そして、このアルバムのカラーを決定付けているのが、シティ・ソウル、スウィート・ソウル風の美しいバラード、4:Memory Motel、7:Fool To Cryの2曲。これらは前作収録のIf You Really Want To Be My Friendの延長線上にあるといえなくもないけど、しかし、ストーンズの楽曲で バラードとはいえ、ブラック・フィーリングがありながら、ここまで都会的で泥臭さのないスウィートな作品というのは、70年代以降では前例がないものである。70年代半ば、こうした洗練されたブラック・ミュージックが台頭していたのは事実だが、それをいち早く採り入れたあたりは注目に値する。個人的にはミックとキースが交互にボーカルをとる4:Memory Motelを聴くと、その美しさに涙が出そうになる。5:Hey Negritaは ”inspiration by Ron Wood”とクレジットされており、おそらく、レコーディング時はまだゲスト扱いだったロン・ウッドが主に手がけた作品だろう。一見、ストレートなR&Rのようでいて、実はギター・リフを生かしたファンク・ナンバー。一方6:Melodyの方は”inspiration by Billy Preston”とクレジットされたオールド・ジャズ風のバラード。どちらも従来のストーンズにはないカラーで、外部の「才能」をうまく取り込んでいくストーンズのしたたかさを物語っているナンバーともいえる。 このように、前作で見せた新たなサウンドへの挑戦をより推し進めたことにより、ルーズで泥臭いという、それまでのストーンズとは全く逆な洗練された、都会的なアルバムに仕上がった。このアルバムで、前作からはじまった新たなサウンドの追求は一応の完成をみたともいえる。事実このアルバム以降、ここまで徹底した「シティ感覚路線」は見られなくなる。しかし、各アルバムの中で、1,2曲は見られるようになるスタイルで、この路線の追求が「もう終わった」ということでなく、 「自分のものとして消化してしまった」ということであろう。また、6:Melodyの事実上の作者と考えられるビリー・プレストンは、この曲ではミックと互角にアドリブ・ボーカルを聞かせる他、ほぼ全曲でバック・ボーカルを担当。このアルバムで聴かれるソウル路線は、このビリー・プレストンのサポートなしには考えられなかったものともいえるわけで、彼の貢献も見逃せないところ。事実キースは後に「奴(ビリー)の才能が怖かった」と漏らしたとか・・・。また、ブルース・ギタリストのテイラーの後任が、 ソウル、ファンク・フリークのロン・ウッドだったというあたりも見逃せない。彼のストーンズ加入に関してはミックとの繋がりや、キャラクターのことばかりが取り沙汰されるが、私にはむしろ、ストーンズがこれから目指す方向と彼の音楽性が合致したことこそが、加入の最も大きな理由だったんじゃないかと思えるのである。アルバムはストーンズ本来のイメージである 「ロックン・ロール」とも、「ブルース」とも違う曲が多いためか、語られる機会は少ないが、このちょっと落ち着いた雰囲気、個人的には大好きだし、文句なしの名盤だと思う。「ストーンズのアルバム・ベスト5」を選ぶとすれば、私は必ず挙げるだろう。全英2位、全米1位。 |
*アルバム好感度 100
Disk2:1.Mannish Boy、2.Crackin' Up、3.Little Red Rooster、4.Around And Around、5.It's Only Rock'n Roll、 6.Brown Sugar、7.Jumpin' Jack Flash、8.Sympathy For The Devil(悪魔を憐れむ歌)
| 発売日 | 1977.9.23.(英) |
| プロデューサー | ザ・グリマー・ツインズ |
| レコーディング | 75.6、75.7、76.5、76.6 |
| イアン・スチュアート(p) ビリー・プレストン(key,bvo) オリー・E・ブラウン(per,bvo) アソシエイション・オブ・アメリカ(per:Disk-2:8) | |
| 手持ちのCD | VJCP-18024,5(ヴァージン) |
| 購入時期 | 1998年春 |
| ミック・ジャガー(vo,har) キース・リチャード(g) ロン・ウッド(g) チャーリー・ワッツ(d) ビル・ワイマン(b) |
| ストーンズ3枚目のライブ・アルバム。一般にストーンズのライブ・バンドとしての全盛期は70年代初頭のミック・テイラー時代といわれている。しかし、この時期のライブ盤発表は実現せず、実に残念なところだ。とはいえ、このライブ盤は、既にテイラーから
ロン・ウッドへという交代劇の後とはいえ、まだその「ライブバンドとしての全盛期」の余韻の残っている部分もあり、「全盛期のライブ盤発表が実現しなかった」という不満をある程度解消してくれるだけの内容に仕上がっている。特にDisk-2の1〜4は
カナダ・トロントの小さなクラブ、エル・モカンボで行われたスモール・ギグを収めたものであり、「ライブ・バンド」としてのストーンズの本来の姿をダイレクトに伝えてくれる。 その「エル・モカンボ・サイド」以外は75年、76年のパリ、トロント、ロサンゼルス、カナダ、ロンドンなどの大会場でのライブ。その大会場での演奏に、500人収容のスモール・ギグが挟まれていることで、その対比が楽しめる。ミック・テイラー時代は、主にテイラーがリード・ギター、キースがリズム・ギターという形態でありながら、 実はツイン・リード的なギター・アンサンブルを打ち出していたのが、ストーンズのライブ・バンドとしての特徴だった。しかし、ロン・ウッドが加入したことにより、キースとロニー、どちらがリードとも、リズムとも断言できないような、実に個性的なバンド・アンサンブルに変化しているのが注目。その分、流暢なギター・ソロはなく、 むしろ2本のギターの絡みが、独特のグルーヴやうねりを生み出しているといった感じである。また、ロン・ウッドの弾く粘っこいフレーズと、BLACK AND BLUE同様ビリー・プレストンがかなり前面に出ているせいだろうか、テイラー時代の「ルーズで泥臭い」演奏ぶりとは明らかに異なる、「ルーズで粘り気のある」演奏も特徴といえよう。 その分、「ヨレヨレの、酔っ払ったような演奏」というイメージが強く、今では「影が薄い」といわれるロン・ウッドだが、この時期のストーンズに彼がもたらした影響の強さを思い知らされる。それは、オリジナル以上にルーズに猥雑に演奏されるDisk-1:7:Tumbling Dice、ビリー・プレストンやオリー・E・ブラウンまでもがボーカルで参加するDisk-1:9:You Gotta Move に顕著。それ以外では、ライブでこそ映えるDisk-1:6:Star Star、チャック・ベリー・スタイルで演奏される(ライブではいつもこのアレンジ)Disk-2:5:It's Only Rock'n Roll、スティール・バンド、アソシエイション・オブ・アメリカも交えて演奏されるDisk-2:8:Sympathy For The Devilあたりが聴きどころ。 とはいえ、やはりいちばんの注目は「エル・モガンボ・サイド」ということになるだろう。Disk-2:3:Little Red RoosterはTHE ROLLING STONES, NOWに収録されたハウリン・ウルフのナンバー、Disk-2:4:Around And Aroundは12X5に収録されていたチャック・ベリー・ナンバーと、ともに初期のレパートリー。 しかし、かつてのまま演奏するのではなく、「今の(76年当時の)ストーンズ」のカラーでしっかり料理しているあたりに好感が持てる。このサイドの4曲の中で最も評価が高いのはボ・ディドリーのDisk-2:2:Crackin' Upで、ボ・ディドリー・ビートを、レゲエのリズムに置き換えている解釈が絶賛された。しかし、個人的に好きなのは むしろマディ・ウォーターズのDisk-2:1:Mannish Boyの方。ただのウォーミング・アップであるかのようにキースが軽くギターをつま弾き、ミックがOh Yeahと叫んだかと思うと、そのまま一気に曲になだれ込んでいく・・・。この冒頭の部分、何度聴いても鳥肌が立ちそうになる。こんな小さなステージで、ストーンズを見れたらどんなにいいだろう・・・。 2枚組で収録曲が多いこと、ルーズで猥雑な演奏ぶり、そして「エル・モガンボ・サイド」があることもあってか、このアルバムが「ストーンズのライブ・アルバムの最高傑作」といわれている。私は、GET YER YA-YA'S OUT !とこれと、どちらが最高傑作とも断言できずにいるけど、でも好きだし傑作だと思っているというのは事実。とはいえ、やはりライブ・バンドとしての全盛期であったテイラー時代の70年代初頭のライブ盤発売を期待せずにはいられないところだ。 全英3位、全米5位。 |
*アルバム好感度 80
*:2000年1月3日UP
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