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| 発売日 | 1967.2.10.(米) | ||
| プロデューサー | アンドリュー・ルーグ・オールダム| レコーディング | 66.3(1,3) | 66.11〜12(2,4〜12)
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| 参加ミュージシャン | イアン・スチュアート(p,org,マリンバ) ジャック・ニッチェ(key) ニッキー・ホプキンス(p) | ||
| 手持ちのCD | POCD-1966(ポリグラム) | ||
| 購入時期 | 1996年頃 | ||
| ミック・ジャガー(Vo,har) キース・リチャード(g,b) ブライアン・ジョーンズ(g,p,key,フルート) チャーリー・ワッツ(d) ビル・ワイマン(b) |
| デビュー・アルバム以来、久々のロンドン・レコーディングによるアルバム。例によってイギリス盤とアメリカ盤では収録曲が異なるが、ここに紹介したのはアメリカ盤。イギリス盤が今までCD化されたことは一度もないので(後記参照)、ここではアメリカ盤を紹介せざるを得ない。
このアメリカ盤には、同時期に発売されたシングルである1:Let's Spend The Night Together、3:Ruby Tuesdayの2曲を収録。正直、この2曲が浮き上がっている感が否めない。1:Let's Spend The Night Togetherは、いかにもストーンズらしい、キャッチーでストレートなナンバー。しかし、この時代を象徴してか
ギターではなく、ピアノ(ジャック・ニッチェが担当)中心のアレンジ。イギリスでは3位まで上昇したが、アメリカでは最高位55位。これは、歌詞が問題になって放送禁止になったためで、「エド・サリヴァン・ショウ」でnightの部分をsome timeと歌わされたのは有名なエピソード。
そのB面だったのがクラシカル・バラードの3Ruby Tuesdayで、アメリカでは1が放送禁止になった関係上、こちらがラジオなどでかけられたこともあり、全米1位となった。フルートをブライアンが担当している。 残りがこのアルバム用にレコーディングされた曲。しかし、ブライアンの精神的不安定、ドラッグ問題などのゴタゴタのせいか、とにかく混沌とした印象を受ける。デビュー以来のブラック・ミュージックの影響は皆無に等しく、その上、様々な音楽の要素が入り交じっているのもその「混沌」としたイメージの 要因であろう。ヴィブラフォンの音が印象的な2:Yesterday's Papers、ボブ・ディランの影響の顕著なフォーク・ロック風の5:She Smiled Sweetly、9:Who's Been Sleeping Here?、ヴォードヴィル風の6:Cool, Calm & Collected、12:Something Happened To Me Yesterday、奇妙なコーラス・ワークの7All Sold Outなど、よくいえば多彩。だが、 逆にいろいろなスタイル、しかも本来のストーンズらしくない曲が多く、かえってまとまりのない、散漫な印象を受けてしまう。とはいえ、注目すべき点はある。まず、ヴォードヴィル調の6:.Cool, Calm & Collected、12:Something Happened To Me Yesterdayに象徴されるイギリス臭さである。この手の作風は同時期のキンクスや、モッズ・バンドのイメージ脱却後のスモール・フェイセズにも通じるもので、 ビートルズのWhen I'm Sixty-Fourに先駆けたスタイルである。まあ、ストーンズがこの手の曲をやる必然性は感じられないものの、野心は十分感じられる。そしてもう一点、キースの頑張りがやたら目立つことである。例えば、4Connectionは、ミックの話によると、事実上キースの単独作品だということだし、バック・ボーカルも以前にも増して目立つようになってきている。 特に11Miss Amanda Jonesはほぼ全編、ミックとキースのデュエットのような感じだし、12:Something Happened To Me Yesterdayに至っては、一部ではあるが、はじめてソロ・ボーカルもとっている。こうしたキースの頑張りは、ブライアンのバンドに対する影響力が薄れるのと比例しているようにも思われ、事実上のバンド内の実権の移行が完了したのがこのアルバムのセッションだった、と考えられなくもない。 このように、ストーンズの歴史を考える上では、重要なターニング・ポイントになったアルバムではあるが、内容的にはインパクトに欠ける。いっそ開き直って、全編ヴォードヴィル、トラッドなどのイギリス的な内容にまとめた方が面白かったような気がする。個人的にはストーンズの全アルバム中、いちばんインパクトが薄い。 なお、イギリス盤とアメリカ盤で内容が異なるのはこのアルバムまで。また、デビュー以来のマネージャー兼プロデューサー、アンドリュー・ルーグ・オールダムがプロデュースした最後のアルバムとなった。最高位は全英1位、全米2位。 (後記):2002年、当アルバムのイギリス盤、初CD化が実現しています |
*アルバム好感度 60
| 発売日 | 1966.12.8.(英) |
| プロデューサー | ザ・ローリング・ストーンズ |
| レコーディング | 67.2〜9 |
| 参加ミュージシャン | イアン・スチュアート(p,key) ニッキー・ホプキンス(p,key) スティーヴ・マリオット(g:3) ロニー・レイン(g:3) |
| 手持ちのCD | POCD-1968 |
| 購入時期 | 1992年頃 |
| ミック・ジャガー(vo) キース・リチャード(g,b) ブライアン・ジョーンズ(g,key,horn,シタール他) チャーリー・ワッツ(d) ビル・ワイマン(b,vo) |
| ご存知、ストーンズの「問題作」とされるアルバム。ビートルズのSGT.PEPPERSへのストーンズからの「回答」などといわれている通り、
ドラッグの影響の露骨なサイケ・ポップなサウンド、トータル制を重視した構成など、SGT.PEPPERSを意識して制作されたことは間違いないだろう。 レコーディングはメンバーのドラッグによる相次ぐ逮捕劇、デビュー以来のマネージャー兼プロデューサー、アンドリュー・ルーグ・オールダムとの決別などのゴタゴタの中で行われており、プロデュースはストーンズ自身とクレジットされている。アルバムはサイケな 1:Sing This All Togetherではじまり、途中5で再び同じ曲の第2部が登場したり、曲間をイビキ、ざわめき、咳払いの音で繋ぐなど、トータルなアルバムを作ろうという意図が感じられる。収録曲もブライアンのホーンとニッキー・ホプキンスのピアノに導かれてはじまる1:Sing This All Together、 ヘビーなギター・リフが意外とストレートなロックン・ロールを思わせる2:Citadel、珍しいビルの作・ボーカル曲で、奇妙な雰囲気の3:In Another Land、まるでプログレのようなフリーキーなインスト中心の5:Sing This All Together [See What Happens]、クラシカルで美しいメロディを持った6:She's A Rainbow(全米25位)、 ブライアンの担当するインド楽器を中心としたエスニックな8:Gomper、ブライアンの弾くメロトロンの音が印象的なSF風な9:2000 Light Years From Home、ミックの語り風な加工されたボーカルをフューチャーしたエンディング・ナンバー10:On With The Showと、実に多彩かつ、67年という「時代」を強く感じさせるものである。 なお、ビル作の3:In Another Landはミック、キース、ブライアンが不在時にレコーディングされているため、ギターは隣のスタジオにいたスモール・フェイセズのスティーヴ・マリオットとロニー・レインが担当。また、この曲はアメリカでビルのソロ名義シングルとして発売されている。他の参加メンバーとしては、6:She's A Rainbowのストリングス・アレンジを 当時はスタジオ・ミュージシャン、アレンジャーとして活動、後にレッド・ツェッペリンに参加するジョン・ポール・ジョーンズが担当。しかし、それ以上に注目なのが前作からストーンズのセッションに加わるようになったピアニスト、ニッキー・ホプキンスである。彼はこの後、70年代半ばまで、ストーンズの重要なサポート・メンバーとなるわけだが、その6などで聞ける 彼の繊細なタッチのピアノは、ストーンズの「準構成員」ともいえるイアン・スチュアートとは全く異なるものであり、彼の貢献度の高さを思い知らされてしまう。ストーンズのメンバーの中では、キーボード類の他、ホーンやインド楽器を駆使、マルチ・プレイヤーとしての才能を発揮するブライアンの頑張りが目立つが、事実上これが彼にとってストーンズのメンバーとしての「最後の輝き」となってしまった。 このように、多彩で、サイケデリックなサウンドが支配しており、ストーンズ本来のイメージとはかけ離れているがために、一部のファンからは「ストーンズが迷っていた時期に作られた失敗作」などといわれている。その上、サウンド、構成ともSGT.PEPPERSに似ているがために「二番煎じ」「パクり」などといわれ、発表当時からかなり酷評されたようだ。しかし私はそうは思わない。 確かにストーンズ本来のイメージとは違っているが、67年という時代は特別な年であり、ドラッグにのめり込んでサイケな作品を発表したこと自体には何ら不思議はない。それに、確かにSGT.PEPPERSからの影響はあったかもしれないが、SGT.PEPPERSのようなカラフルでゴージャスな印象は薄く、ダークで雑然とした空気が支配しており、ストーンズがこのアルバムでめざした世界は、ある意味SGT.PEPPERSとは 全く対極に位置する世界だったのでは?と思う。だから、このアルバムが「二番煎じ」や「パクり」であろうはずはないし、SGT.PEPPERSからの影響云々抜きで評価すべきではないだろうか。そうした視点から見ると、このアルバムは「失敗作」などではなく、67年という時代を象徴する傑作サイケ・アルバムだと思う。「ストーンズ一筋」なファンの人に毛嫌いされる傾向にあるようだが、 もっと冷静になって、聴き直して欲しいと思う。なお、このアルバムから英米で同じ内容で発売されるようになった。最高位は全英1位、全米2位。 |
*アルバム好感度 70
*:1998年11月11日UP
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