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| 発売日 | 1971.4.23.(英) |
| プロデューサー | ジミー・ミラー |
| レコーディング | 69.3(8) 69.12(1,3,5) 70.3(2,4,6,7,9,10) |
| イアン・スチュアート(p:1,9) ニッキー・ホプキンス(p:2) ビリー・プレストン(org:4,7) ライ・クーダー(g:8) ジャック・ニッチェ(p:8) ボビー・キーズ(sax:1,4,6,7) ジム・プライス(トランペット:4,7,p:10) ジム・ディッキンソン(p:3) ロッキー・ディジョーン(per:4) ジミー・ミラー(per:4,6) | |
| 手持ちのCD | 23DP-5569(ソニー) |
| 購入時期 | 1990年春頃 |
| ミック・ジャガー(Vo,g,per) キース・リチャード(g) ミック・テイラー(g) チャーリー・ワッツ(d) ビル・ワイマン(b,key) |
| 自身のレーベル、ローリング・ストーンズ・レーベル設立後、初のアルバム。BEGGARS BANQUETからはじまったルーツ・ミュージック指向を踏襲した内容で、またミック・テイラーもバンドに馴染んで
キースとの「ツイン・リード」的なバンド・アンサンブルを完成の域にまで高めており、「ストーンズの全盛期到来」を世界中に強く印象づけた1枚となった。とはいえ、この時期のストーンズは69年末の「オルタモントの悲劇」や
ストーンズ・レーベル設立時のアラン・クラインとの確執などのゴタゴタに巻き込まれており、アルバム発売は完成から1年近くも遅れてしまった。そのせいだろうか、全体に「70年代の幕開け」を告げるにふさわしい内容なんだけど、
一方で「60年代の影」を引きずったような空気も漂っている。 収録曲を見るとアップ・テンポな曲のインパクトが強烈なため、アルバム自体もワイルドでストレートな印象を受ける。そうした印象は、いうまでもなく第1弾シングルとして発売された1.:Brown Sugarの せいであろう。一度聴いたら絶対に忘れられないキースのイントロやリフ、卑猥で危険な歌詞、泥臭くてストレートなサウンド・・・。どれをとっても完璧で、70年代のストーンズを象徴するナンバーである。この曲のみならず、ミック・テイラーの流暢なギターが印象的な2.:Sway、 パーカッションとテイラーのギターの絡みがサンタナを連想させられるラテン風の4.:Can't You Hear Me Knocking、1.同様、2本のギターの絡みがスリリングな6.:Bich(私のフェイバリット・ナンバー)と、アップ・テンポな曲におけるワイルドでダイナミックなサウンドは、 明らかに60年代とは比較にならないほどパワー・アップされており、アルバム全体の中でも最も印象に残る。ということで、どうしてもアップ・テンポな曲に注目しがちだが、それ以外の曲を見ると、いろいろなタイプの曲が揃っていて意外と混沌としている。フレッド・マクダウェルのカバーでアコースティック・ブルースの5.:You Gotta Move、 オーティス・レディングに捧げたアトランティック・ソウル風の7.:I Got The Blues、マリアンヌ・フェイスフルが歌詞を書いたドラッグ・ソング8.:Sister Morphine、軽やかなカントリー9.:Dead Flowers、主にキースが書き(なのにキースは不参加、ミック・テイラーも協力したという説もあり)、ポール・バックマスターによる重厚なストリングスを導入した 東洋風の10.:Moonlight Milesなど、実にバラエティに富んでいる。しかし、個人的には8.:Sister Morphineは60年代の「暗い影」を引きずっているように思えてしまうし、7.:I Got The Bluesは「ちょっと狙い過ぎ」という感も否めないし、10.:Moonlight Milesは異色過ぎてとっつきにくく、あまり好きではない。だが、これらの曲はそれぞれアクが強いにもかかわらず 先に述べたアップ・テンポな曲が目立つために影が薄く感じられる。そんな中で目を引くのが3.:Wild Horsesであろう。グラム・パーソンズとの交流から生まれたカントリー・バラードで、当時グラムの在籍していたフライング・ブリトー・ブラザーズもレコーディングしている。グラムがストーンズのレコーディングに参加することはなかったが、 彼がストーンズにいかに大きな影響を与えたかが伺える1曲である。 ということで、「70年代の幕開け」にふさわしいダイナミックな曲と、「60年代の暗い影」を感じる混沌とした印象の作品が同居しているものの、アップ・テンポな曲の完成度の高さもあって、ダークで混沌とした部分はあまり目立たないし、言われなければ気がつかないかも・・・。また、70年代のストーンズ・サウンドを確立することにも成功しているので、発売当初にも絶賛を受けたし、 現在でもストーンズの代表作のひとつとされている。もちろん私も異論はないが、完璧で隙がないという点ではLET IT BLEEDに、猥雑さというか、ストーンズらしいワイルドさでは次作には及ばないかなあ、というのが個人的見解。もちろん、だからといって先に述べた2枚と比べて劣っているという意味ではなく、あくまでアルバムのカラー、及び私の受ける印象の話である。とにかく、この時期のストーンズに駄作はないし、高いレベルでの比較論である。なお、このアルバムからビリー・プレストンがセッションに参加。 以降、ニッキー・ホプキンスやボビー・キーズと並ぶ重要なサポート・メンバーとなる。もう一つ、アンディ・ウォーホールがデザインした、ジッパー付きのジャケットで有名なことは今更述べるまでもないであろう。アルバムは全米、全英ともNo.1に輝いた。 |
*アルバム好感度 90
| 発売日 | 1972.5.12.(英) |
| プロデューサー | ジミー・ミラー |
| レコーディング | 70.3〜5、70.6〜10、71.7〜9、71.11〜72.3 |
| イアン・スチュアート(p) ニッキー・ホプキンス(p) ボビー・キーズ(sax) ジム・プライス(トランペット) ビリー・プレストン(p,org:17) ドクター・ジョン(bvo:14) アル・パーキンス(steelG:7) ビル・プラマー(b:2,11,15) ジョン・プライン(org:7) ジミー・ミラー(per:8,9,15,d:10) クライディ・キング(bvo:5,13,14,17) ヴェネッタ・フィールズ(bvo:5,13,14,17) | |
| 手持ちのCD | SRCS-5570 |
| 購入時期 | 1990年夏頃 |
| ミック・ジャガー(vo,har,g) キース・リチャード(g,b,vo,key) ミック・テイラー(g,b) チャーリー・ワッツ(d) ビル・ワイマン(b) |
| ストーンズ初の2枚組(現在のCDは1枚)で、現在では一部のファンの間で「最高傑作」といわれている。レコーディングは70年から72年までの長期間に渡って行われたが、その中でもハイライトといえるのが71年にキースのフランスの別荘の地下室で
行われたセッションであった。このセッションは、蒸し暑い地下室にグラム・パーソンズら多くの友人を呼んで、まるでパーティか何かのようなリラックスしたムードの中で行われたということで、そうした環境を反映するかのように、
アルバム全体にもルーズでリラックスしたムードが漂っている。逆にいえばLET IT BLEEDにおける張り詰めた空気や、計算高いサウンド・プロダクションとは全く正反対なアルバムということも出来る。また収録曲も、アコースティックな曲やブルース、カントリーなどのルーツ・ミュージックにドップリ浸かったものが多いため、きらびやかさのない、
地味な印象は否めず、前作にあったキャッチーな曲や、ダイナミックなサウンドとも無縁である。しかし逆の見方をすれば、ルーズでワイルドで、また猥雑で危険な香りすら漂っているので、ある意味ストーンズ本来の魅力が溢れている、とも受け取ることができる。地味なカラーであるにもかかわらず、多くのストーンズ・ファンに支持される理由は
そんなところにあるのではないだろうか。 収録曲は全体に地味目だ。キースのギターとチャーリーのドラムの絡むイントロがスリリングな1.:Rocks Offではじまり、ロカビリー風のアップ・テンポな2.:Rip This Joint、隙間だらけのアレンジがオールド・ブルースを思わせるスリム・ハーポのカバー3.:Shake Your Hipsと続く。 このあたりの流れからして、とてもアルバムのオープニングとは思えないほど華やかさがない。やがて、シングル・カットされた5.:Tumblin' Diceが登場するが、この曲にしてもルーズなノリとゴスペル風のコーラスを伴った渋目の曲であり、キャッチーなメロディとは無縁である。 このLP時代のA面に、アルバム全体のカラーが凝縮されているといってよいだろう。キースのパンキッシュなリード・ボーカルが印象的な10.:Happyやアップ・テンポなR&Rの15:All Down The Line、18:Soul Survivorのような、ストーンズらしいR&Rもあるものの、こうした曲は数えるほどしかない。 アコースティックなカントリー・ブルース風の6:Sweet Virginia、7:Torn And Frayed、8:Sweet Black Angel、11:Turd On The Run、ゴスペル風の9:Loving Cup、14:Let It Loose、17:Shine A Light、ヴードゥー調の怪しげで猥雑な13:I Just Want To See His Faceなど、ストーンズの一般的イメージであるR&Rバンド的なサウンドとは全く無縁な曲が並ぶ。個人的にはロバート・ジョンソンのカバーである 16.:Stop Breaking Downに注目したいところである。テイラーのストーンズ時代のベスト・プレイと信じて疑わないスライドと、ミックによる超高音のハーモニカの絡みが素晴らしく、このアルバムのベスト・テイクだと思っている。 このように、地味で、音がスカスカで、キャッチーで親しみやすい曲も少ない。だから、ストーンズ初心者に間違っても「このアルバムから聴け」などといってお勧めする気にはならない。はっきりいって初心者には「親しみにくい」アルバムだと思う。だけど、勘違いして欲しくないのは、だから「このアルバムは駄目」という気も、「このアルバムは嫌い」という気もない。 私はストーンズの最高傑作はLET IT BLEEDだと思っているから、このアルバムを最高傑作と称する気はないけど、文句なくストーンズの代表作のひとつ、傑作のひとつであると思う。確かに地味かもしれない。音もスカスカ・・・。しかし、逆の見方をすれば、だからこそとてもワイルドで野性的。ストーンズというバンドの本来の魅力はそんなところにあるのではないか。 ということは、このアルバムにおけるストーンズこそが最もストーンズらしいとはいえないだろうか。先にLET IT BLEEDを「最高傑作」と評したが、実は完璧で隙がない分、若干「ストーンズらしくない」という印象が拭えないのも事実。それと対極に位置するこのアルバムにこそ、逆に「ストーンズらしさ」があるように思えるのである。よって、私に言わせればこのアルバムは 「最もストーンズらしいアルバム」ということになる。また、こうした地味で、スカスカなサウンドは、BEGGARS BANQUETからはじまった「ルーツ・ミュージック追求」の末に到達した究極の形ではないだろうか。とことんルーツ・ミュージックにこだわって追求し続けてきたら、結果的にアコースティックで地味で飾り気のないサウンドに仕上がった、といったところではないだろうか。 実際「このアルバムでルーツ・ミュージックの追求は終了した」と言わんばかりに、次作からサウンドの変化が始まることを考えると、余計にそう思われるのである。全英、全米ともにNo.1を記録した。最後に、余談だがCDをお持ちの方は、一度全トラックのイントロのみをスキップしながら聴いてみることをお勧めする。このアルバムの収録曲、いつも以上にイントロのインパクトに気を配って作られていることに気がつくはずだ。 |
*アルバム好感度 100
*:1999年2月26日UP
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