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| 発売日 | 1973.8.31.(英) |
| プロデューサー | ジミー・ミラー |
| レコーディング | 72.11,12 |
| イアン・スチュアート(p) ニッキー・ホプキンス(p) ビリー・プレストン(key) ボビー・キーズ(sax) ジム・ホーン(sax) リーボップ(per) パスカル(per) ジミー・ミラー(per) チャック・フィンドレー(トランペット) ジム・プライス(トランペット) | |
| 手持ちのCD | VJCP-25113(ヴァージン) |
| 購入時期 | 1994年暮れ |
| ミック・ジャガー(vo,har,p) キース・リチャード(g,b,vo) ミック・テイラー(g,b) チャーリー・ワッツ(d) ビル・ワイマン(b) |
| ジャマイカでレコーディングされたローリング・ストーンズ・レーベルからの第3弾アルバム。「ジャマイカで録音」というのもどこか唐突だが、これは前作EXILE ON MAIN ST.で、「ルーツ・ミュージックの追求」が一応の完成を見たことにより、次なる動きを探る中でこの地でのレコーディングに至ったのだと推測している。
もちろん、「ルーツ・ミュージックの追求は完成を見た」といっても、以降のストーンズがルーツ・ミュージックから離れたということではなく、既に自分たちのものとして消化し終えたので、敢えて意識的に追求する必要がなくなった、というのが事実ではある。
また、ジャマイカ録音といっても、ここではまだレゲエなどのジャマイカ的なサウンドを採り入れるなどといった動きは見られない。むしろ、バラードが主体で、ハードなナンバーにしてもワウハウを利かせたギターの音や、ミディアム・テンポで不思議なエコーのかかった曲が多く、とてもジャマイカ録音とは思えない、「冬」「寒さ」「冷たさ」のようなものを連想させられる仕上がりである。
一方、前作までにあったアメリカ南部的な泥臭いサウンドやルーツ・ミュージック追求などの色も若干残ってはいるがあまり目立たない。つまり、ストーンズが自らの新たな進むべき道を求めていた、そんな時期に作られた「過渡期のアルバム」といえるかもしれない。 それを象徴するように、収録曲は実に多彩。悪魔信仰(ドラキュラ説もあり)を思わせるオカルト風のミディアム・ナンバー1.:Dancing With Mr.D.、ワウハウを利かせたキースのギターとビリー・プレストンのクラビネットの音が印象的なアメリカ社会の歪みを歌った4.:Doo Doo Doo Doo Dooといった、「血」の匂いのする歌詞やドロドロとしたサウンドの曲がある一方、 ストーンズのバラードの最高傑作ともいわれる超有名曲5.:Angie、ストリングスまで導入した荘厳な歌詞の8.:Winter、日本風の9.:Can You Hear The Musicなど、いつになくバラードが目立っていたりするので、どこかとっ散らかったような印象を受ける。他にも、前作までのルーツ・ミュージック指向を思わせるブルース風の7.:Hide Your Love、ジョニー・ウィンターに贈ったサザン・ロック風の6.:Silver Train、ミック・テイラーの流暢なギターが炸裂する2.:100 Years Ago、キースが歌う初めてのバラードで、80年代以降の彼のボーカル曲に繋がるスタイルの3.:Coming Down Again、 チャック・ベリー風のストレートなR&Rで、歌詞も卑猥でスキャンダラスなストーンズらしいナンバー10.:Star Starと、本当にありとあらゆるタイプの曲が並んでいる。 とはいえ、やはり5.:Angieが目立ち過ぎるせいだろうか、一般的には「バラードの多いアルバム」というイメージを持たれがちのようだ。だが、個人的にはむしろ1:Dancing With Mr. D.、4:Doo Doo Doo Doo Dooといった血生臭い曲や、4.:Doo Doo〜におけるワウハウを駆使したギターの音が最も印象に残る。この手のサウンドって、意外とこのアルバム以外には聴かれないものである。 また、2:100 Years Ago、6:Silver Trainにおけるミック・テイラーのギターを聴いていると、「今までになく自己主張しているな」という気がしてしまう。テイラーは次作発表後、ストーンズを脱退することになるわけだが、彼のギターは既にストーンズという枠の中に収まりきれなくなりつつあり、また、「その枠を打ち破りたい」という欲求があったような気がしてしまう。個人的に印象に残るのはその2点だが、 あまりにもいろいろなタイプの曲が混在しているせいだろうか、どこか掴みどころがない、というのがこのアルバムに対する私の素直な感想である。「次の進むべき方向を模索していろいろと試みたけど、結局決められなかった」・・・、そんなアルバムかなあ、という想いが強い。世間では5.:Angieが収録されているせいか、比較的評判はよく、特に日本では「幻の日本公演」の時期に発表されたせいもあってか、LET IT BLEEDやEXILE ON MAIN ST.あたりと同等に絶賛する人さえいるようだが、個人的には「傑作」とまでは思えずにいる。 とはいえ、模索した分いろいろなタイプの曲が入っているから、飽きることはないし、聴いていて楽しめるアルバムだとは思う。全英、全米ともにNo.1。ジミー・ミラーがプロデュースした最後のアルバムともなった。 |
*アルバム好感度 80
| 発売日 | 1974.10.18.(英) |
| プロデューサー | ザ・グリマー・ツインズ |
| レコーディング | 73.11、74.1 |
| イアン・スチュアート(p:3,7,9) ニッキー・ホプキンス(p:4〜6,8,10) ビリー・プレストン(key:1,2,10) レイ・クーパー(per) ブルー・マジック(bvo:8) エド・レイチ(per:2) ウィリー・ウイークス(b:3) ケニー・ジョーンズ(d:3) チャーリー・ジョリー(タブラ:10) | |
| 手持ちのCD | VJCP-25114 |
| 購入時期 | 1996年頃 |
| ミック・ジャガー(vo,g) キース・リチャード(g,b) ミック・テイラー(g,b,syn) チャーリー・ワッツ(d) ビル・ワイマン(b,syn) |
| 前作同様、自らの進むべき新たな道を模索していた時期の「過渡期」のアルバム。レコーディング当初はジミー・ミラーがプロデュースしていたが、途中で急に解雇されており、プロデューサーはミック&キースの変名である
ザ・グリマー・ツインズとクレジットされている。ジミー・ミラーがなぜ解雇されたのかは定かではないが、そのプロデューサーの交代のせいだろうか、前作までにあったザラついたような、ラフな音が影を潜め、今までになくクリアで、
洗練された音の録り方が成されているという印象を受ける。これは、このアルバム以降、現在に至るまでのストーンズのアルバムに共通するものとなる。また、ミック・テイラーも途中入院していたとかで、レコーディングに欠席することが多かった。
結局彼は、このアルバムを最後にストーンズを脱退することになるわけで、「ひとつの時代の終わり」を告げるアルバムともいえる。 収録曲を見ると、同じ「過渡期のアルバム」といっても、前作と違ってほぼ全曲アップ・テンポなナンバーで占められているので、とっ散らかった印象はない。アップ・テンポでストレートな1:If You Can't Rock Me、7:Dance Little Sister、テンプテイションズのカバー2:Ain't Too Proud To Beg、 アルバム・タイトル曲でR&R讃歌でもある3.:It's Only Rock'n Rollといったところは、いかにもストーンズらしい仕上がり。しかし、3.:It's Only Rock'n Rollは、実はフェイセズのロン・ウッドのソロ・アルバムのセッション中にミックとロン・ウッドが共作したものであり、 Inspiration by Ronnie Woodとクレジットされている。また、音源もその時のセッションのものに新たなストーンズの演奏をダビングしたもので、ロン・ウッドのアルバムのセッションに参加していたウイリー・ウィークスとケニー・ジョーンズの名前もクレジットされた。この、ミックとロンの接近が、 この後のストーンズの歴史を大きく変えるわけで、見逃せないナンバーである。その他にも過渡期ならではの興味深いナンバーが並ぶ。4.:Till The Next Goodbyeはグラム・パーソンズの影響の顕著なカントリー・バラードであるが、このアルバムのレコーディング前にグラム・パーソンズが急死していることを思うと、 興味深いものがある。さらに5.:Time Waits For No Oneはミック・テイラーの繊細なギターを中心としたメロディアスなナンバーで、実はテイラーの作品ともいわれている。この曲を聴くと、テイラーの心が既にストーンズから離れているのが分かり、彼が本作発表後にストーンズを脱退するのも頷けるところだ。 しかし、注目すべきは新境地に挑戦している6:Luxury、8:If You Really Want To Be My Friend、10:Fingerprint Fileの3曲だろう。まず6:Luxuryは、はじめて挑んだレゲエ・ナンバー。前作はジャマイカで録音されながら、レゲエからの影響は全くみられなかったが、実際は現地のミュージシャンと親交を深めるうちに、特にキースがレゲエに興味を持つようになったそうで、 ここでその影響をはじめて具体化したことになる。8.:If You Really Want To Be My Friendは、シティ・ソウル風の都会的で洗練されたバラード。それまでのストーンズは、同じブラック・ミュージックといっても、ワイルドでディープなサウンドに傾倒しているというイメージが強かったわけだが、 ここに至って、こうした都会的なブラック・ミュージックをも採り入れているのである。当時の「ニュー・ソウル」などの新たな動きを敏感に採り入れたあたり、意外と流行に敏感な一面を持つストーンズならではといえよう。10:Fingerprint Fileにしても同様で、ダンサブルでファンキーな、後のディスコにも通じるようなサウンドに挑戦しているのである。 まあ、3曲ともまだ新たなサウンドを完璧に消化し切れてはいるとはいい難いが、新たな試みに挑戦しようという彼らの意欲は確かに感じられる。 このように「ロン・ウッドとの接近」「ストーンズの枠からはみ出したミック・テイラー」「グラム・パーソンズとの別れ」「レゲエ、ニュー・ソウルへの接近」と、いかにも過渡期らしい空気が支配している。しかも、前作で挑戦した試みはその後のストーンズに反映されないものが多かったが、今作で見られた動きは「ミック・テイラーの脱退」「ロン・ウッドの加入」「レゲエ、シティ・ソウル、ディスコ的なサウンドへのより積極的な取り組み」 といった動きに発展するわけであり、そういう意味では重要な分岐点になったアルバムといえるだろう。また、先にも述べたクリアーで洗練された音作りも見逃されがちだが重要なポイントといえよう。アルバムの評価自体は現在では必ずしも高くないようだが、ストーンズの歴史を考えた時、絶対に無視できないアルバムではなかろうか。とはいえ、嫌いではないはずなのに、私自身もそんなに聴く機会は多くないというのも事実である。全英2位、全米1位。 |
*アルバム好感度 80
*:1999年6月1日UP
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