ジェネシス
ブリティッシュ・プログレッシブ・ロックの代表的存在!30年以上のキャリアを持ち、その完璧なまでのファンタジーな世界の構築とシアトリカルなステージングでファンの心をガッチリつかんで離さなかった。そんなジェネシスの素晴らしいワークスを、ロック兄さんが独自の見解でご紹介いたします。
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1.Nursery Cryme / (1971) Phil Collins - Percussion, Drums, Vocals, Peter Gabriel - Flute, Vocals, Steve Hackett - Bass, Guitar, Tony Banks - Keyboards, Mellotron Mike Rutherford - Bass, Bass Pedals John Anthony - Producer |
ジェネシス初期のファンタジー3部作とも言える内のスタートとなるアルバムであり、黄金のメンバーでの最初の作品である。まず初期の傑作曲の1つMusical Box で幕開けするこのアルバムは、ジャケット・アートに示されているように、昔から伝わるおとぎ話をモチーフにしながらもただではすまされない一ひねりした内容となっている。(イギリスで古くから行われてきたスポーツクリケットのボールが人の首というとんでもないジャケットである。)当時のライブのエンディングの曲として使用されていた名曲Musical Boxはピター・ガブリエルによるシアトリカルな演出でこのグループの演劇性を象徴していた。有名になった爺さんのマスクを被って繰り広げられるステージは、一種独特の雰囲気が味合う事ができる。カブリエルはロック・ミュージックによる演劇性を発展させようと試みていた訳であり、それこそジェネシスのプログレッシブ魂といえるものだっ。他にオススメの曲としては、古くから伝わるモンスター伝説を題材にした”Return of the Giant Hogweed ”もライブでよく演奏されていた曲でダイナミックな演奏で聴く者を引きつける!このアルバムなくしてジェネシスは語れないのである。童話や寓話の世界にどっぶりとひたるべし!! |
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2.Foxtrot / (1972) Phil Collins - Percussion, Drums, Vocals, Peter Gabriel - Flute, Vocals, Steve Hackett - Bass, Guitar, Tony Banks - Keyboards, Mellotron Mike Rutherford - Bass, Bass Pedals David Hitchcock - Producer | このアルバムを初期の最高傑作とする批評家も多いのは、収録されている曲も名曲が多い事が起因となっているかもしれない。まずは、70年代の中期までライブにおけるオープニング曲として使用された、Watcher of the Skiesがスタート曲として収録されている。この曲で使用されているメロトロンと言う楽器だが、一説によるとキング・クリムゾンから払い下げしてもらったと言う話が残っている。幽玄なメロトロンの不安定なイントロから始まるこのトータル・アルバムは、ラストの長大な組曲Supper's Readyまでファンタジックなジェネシス・ワールドが展開されていく。まるで1つの舞台を観ているがごとく、このアルバムは我々を白日夢へと誘うのである。ガブリエルのライブ・バフォーマンスはこの時期から頂点を極め、宙づりになりステージ上を飛行してみせ、ライブのハイライトでは7変化よろしく曲の場面展開に合わせ衣装替えを繰り返して観客のドギモを抜いていたのである。この時期のステージの特徴として、ベースのラザフォードが12弦ギターを弾いている時はガブリエルがバスドラを踏みならしながら歌いフルート演奏、そしてシアトリカルな演出と、ライブ演奏で行えるギリギリの所でコンサートをこなしていたようである。その模様は、73年発表のライブ・アルバムや74年のイギリスでのライブ映像で確認する事ができる。 |
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3.Selling England by the Pound / (1973) Phil Collins - Percussion, Drums, Vocals, Peter Gabriel - Flute, Vocals, Steve Hackett - Bass, Guitar, Tony Banks - Keyboards, Mellotron Mike Rutherford - Bass, Bass Pedals |
寓話やメルヘン等のファンタジックな題材を、このアルバムでは当時の英国のお国事情や、世間のニュースに焦点を当てた内容に変化している。アルバム・タイトルも「ポンドでイギリスを売ります!」という皮肉に満ちたものとなっている。この当時はヨーロッパ各国での人気は上ってきており、特にイタリア・フランスでの人気はすさまじいばかりであった。やはりオペラの盛んな国や、ミュージカルが華やかなお国ではジェネシスのシアトリカル性は受け入れ易かったのであろう。日本での人気はまだ今一歩と言うところであった。このアルバムもトータルなコンセプトの作品であり、1曲目のDancing with the Moonlit Knightから始まるその音世界はラストの” Cinema Show”まで正にジェネシス・ワールドの真骨頂を示すアルバムとして、兄さんは一番好きな作品である。90年代に入ってもライブ演奏で盛り上がる”I Know What I Like”は正に白日夢の事を題材にしたもので、ガブリエルの曲作りの先見性が伺い知る事ができる。中でも3曲目のFirth of Fifthは名曲中の名曲としてファンから愛されている曲であり、トニー・バンクスの美しいピアノの調べとスティーブ・ハケットの流麗なギター・ソロがフューチャーされているのでプログレッシブ・ロックの代表曲としても記憶されている。アルバム収録中でフィル・コリンズが初のリード・ヴォーカルを取っている”More Fool Me”もあり、その後のジェネシスの進む方向性が少し変化していくポイントとしてチェックする事ができる。隠れ名曲として兄さんは”Battle of Epping Forest”をオススメしたい。ガブリエルがニュースの題材からヒントを得て書いた曲であるが、一人で登場人物の声色を変えて演出する様はジェネシス流シアトリカル・ロックの醍醐味を味わう事ができます。 |
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4.The Lamb Lies Down on Broadway / (1974) Phil Collins - Percussion, Drums, Vocals, Peter Gabriel - Flute, Vocals, Steve Hackett - Bass, Guitar, Tony Banks - Keyboards, Mellotron Mike Rutherford - Bass, Bass Pedals |
70年代ジェネシスの一番の問題作がこのアルバムである。95分にも渡る2枚組の超大作であり、アルバムのコンセプトは一人の男の数奇な運命を本物のプロードウェイのミュージカルを想定して書き上げられている。この時期になると米国での人気も出てきており、アメリカそのものを特別に意識した作品つくりである事が解る。ジャケットもそれまでのファンタジックなイラストものから、当時隆盛を誇っていたデザイナー・グループ「ヒプノシス」の手によるもので、作品のイメージをモノクロ・フォト等でそのまま表している。このアルバムからも名曲が多数生まれている。特にオープニング曲の”Lamb Lies Down on Broadway”から”In the Cage”までの流れは圧巻であり、その他にも”Back in N.Y.C.”、”Carpet Crawlers”等聞き所は多い。しかし、このアルバム作成時期からメンバー感の確執が生まれており、ハケットの後のインタビューによると「ピーターは他のメンバーがインスト部分を作り上げている時に突然スタジオにやってきて、勝手に歌のパートを入れはじめたりした。」特にこのふたりの間は修復出来ないほどに成って行ったと言う。(ハケットはツアー中にガブリエルとケンカしてグラスを握りつぶし、手に怪我をしてコンサートを中止にしたという話も残っている。)このアルバムをひっさげ米国でライブを行い人気を不動のものとしたジェネシスだが、ツアー終了後にピーター・ガブリエルはグループを脱退する事になるのだっ。この事が原因でグループ最大の危機が訪れたのである・・。しかし、次の作品でジェネシスは・・。 |
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5.Trick of the Tail / (1976) Phil Collins - Percussion, Drums, Vocals, Steve Hackett - Bass, Guitar, Tony Banks - Keyboards, Mellotron Mike Rutherford - Bass, Bass Pedals |
ピーター・ガブリエルの脱退でグループ最大の危機をまねいたジェシスは、フィル・コリンズをリード・ヴォーカルに据える事で見事に乗り切ったのである。(それまでのガブリエルのアクの強さを歌の巧さでカバーしている所はそれまでのファン以外に新しいファン層を獲得していく事に成っていく・・。)そして、発表されたアルバムがこの作品である。ガブリエルの一人何役もこなすシアトリカル性は薄れたものの、グループとしてのまとまりは以前よりも強くなり、インスト部の比重が幾分高く成ってきている。このアルバムから、それまでにみられなかった曲調のものが聴かれる様になり、グループとしてのバランスのとれた演奏もよりテクニカルに成って来ている。当時のコンサートでのハイライト曲となる”Dance on a Volcano ”、”Squonk”、” Los Endos”のダイナミックな所は74年までの作品にはみられなかったものでサポート・ドラマーとして一時期、元YES、元キング・クリムゾンのビル・ブラッフォードを起用したりしていた。(ドラムスしながらのヴォーカルは本当に大変なんでしょう!)しかし、ブラッフォードの在籍期間は短く、チェスター・トンプソンがその後のツアー・メンバーとして20年以上活躍する事となる。このアルバムの中で兄さんの一番好きな曲は、リリカルな曲調の” Robbery, Assault & Battery”である。後半のシンセサイザーで盛り上がる所なんぞは、バンクスの腕の見せ所であるし、ハケットの流れる様なギターもキーボード・オーケストレーションよろしく活躍している。 |
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6.Seconds Out / (1977) Bill Bruford - Percussion, Drums Phil Collins - Percussion, Drums, Keyboards, Vocals, Steve Hackett - Bass, Guitar, Guitar (12 String) Chester Thompson - Percussion, Drums Tony Banks - Keyboards, Organ (Hammond), Piano (Electric), Mike Rutherford - Bass, Guitar, Vocals (bckgr), Guitar (12 String), |
この作品でジェネシスはライブ・バンドしての力量をまざまざと見せつける事となる。二人の強力な助っ人を得て76年と77年のライブ・ツアーを精力的にこなした結果が素晴らしいこのライブ・アルバムと成って我々に届けられたのである。ブラッフォード参加時の曲は”Cinema Show”1曲のみだが、コリンズとの叩き合いは当時のライブ・パフォーマンスの中でもベストに数えられるものであろう。特にすばらしいのは、完全に再現された「Foxtrot」収録の”Supper's Ready”である。トンプソンと言う強力なドラマーがいるおかげでコリンズはノビノビと歌いカブリエルの抜けた穴を名実共に埋めている。兄さんは数あるプログレッシブ・グループのライブ・アルバムの中でもこの作品が一番出来が良いと感じている。1曲目の”Squonk”から素晴らしい演奏は繰り広げられ、それまでのジェネシスの集大成的意味合いもあり、今後の発展も加味している点はこのグループのさらなる飛躍を約束したかの様に思われたのだが・・・。このツアー後にギターリストの「スティーブ・ハケット」が脱退してしまうのである。(ハケットはこの時点すでにソロ・アルバムを発表しており、初期のジェネシスの雰囲気を色濃く反映した作風であった・・。)またしても、グループ存続の危機がおとずれたのである・・。しかし、その後3人でアルバムを発表していく事となる・・・・。 |
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7.Genesis / (1983) Phil Collins - Percussion, Drums, Vocals Tony Banks - Keyboards, Vocals, Vocals (bckgr) Mike Rutherford - Bass, Guitar, Vocals (bckgr) |
3人だけになったジェネシスは、正式メンバーを増やさずにツアーの時だけ、チェスター・トンプソン(ドラムス)とダリル・ステューマー(ギター)を起用していく構成を崩さずに10年以上も続けていく事になるのだが・・。フィル・コリンズのフロント・マンとしての比重は年々高くなり、ジェネシス本体より、コリンズそのものの知名度のほうが上待っていく結果となるのであった。それは、コリンズのソロ・アーティストとしての成功も関係してくるのだが、他のメンバーであるバンクスやラザフォードもソロ・プロジャクトや別のグループで活躍しヒット曲等を連発していくのでジェネシスの存在理由は薄れていくのである。このアルバムはプログレ・グループとしてのジェネシスではなくブリティッシュ・ロック・グループとしての成功作品として紹介する。アルバムは全英No1を獲得し、シングル曲の"Mama" "Illegal Alien" と "Taking It All Too Hard"は大ヒットし、名実共に英国No1のグループとして世界に君臨したのである。 |
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8. Genesis Live: The Way We Walk, Vol. 1 、 Vol. 2 / (1992) Phil Collins - Percussion, Drums, Vocals Tony Banks - Keyboards, Vocals, Vocals (bckgr) Mike Rutherford - Bass, Guitar, Vocals (bckgr) Daryl Stuermer - Bass, Guitar Chester Thompson - Percussion, Drums |
こちらは、90年代のライブ・パフォーマンスを収録したアルバムであり、70年代のプログレッシブな曲を中心としたアルバムと、80年代以降の曲中心のアルバムの2種類に分けて発売された。この5人のメンバーの鉄壁の演奏はこの時点ですでに最強といえるものでジェネシス史上一番安心して聴く事ができるライブ演奏である。(20年以上活動してくればあたりまえか?)しかし、90年代に出されたオリジナル・アルバムは本来のジェネシスらしさは一欠片らもなく、このライブにおいて兄さんのジェネシスへの情熱も全く消え失せてしまったのも本当の所!。ましてや、フィル・コリンズが抜けたジェネシスはもはや別のグループとして聴くのが賢明である。ラザフォードのメカニックスのほうがバンドとしては評価できるのだが・・。ここに来て最後に望むのは、最盛期の5人のメンバーに再び集結してもらい、すばらしい再結成アルバムを発表してもらいたいのだが・・まあ、それはムリな注文と言うものでありましょうか?! |