やさしさ120%番外編 〜博多一人旅日記〜

 

初日ー旅立、厳しい表情ー

 

1999年10月23日(土)、日本シリーズの観戦のために俺は一人新幹線に揺られていた。

前日に新幹線の予約はできたのだが、宿がない。さて、どうしたものか。野宿?

新幹線では寝ている時間が長かった。富士山が美しかった。弁当はいまいちだった。

 

このときもそうだったのだが、最近寝ている時間が非常に長い。

おそらく1日当たり10時間は寝ていると思われる。これはなぜだろう?

おそらくは、これまで睡眠時間をあまり取れなかったことへの反動なのではないか。

働きだすとあまり寝る時間を取れない。電車の中で寝ているスーツの人達の気持ちもわかる。

 

さて、話はそれたが、博多に着いてまずしなけれないけないのはその日の宿の手配である。

駅構内の旅行窓口みたいなところで尋ねてみたところ、どうも日本シリーズ以外にも

行楽、学会などもあるらしくそのためほとんど空きがないとのことであった。

ただ、こっちは気楽な一人旅。なんでもいいから部屋があればいい。

その結果は、駅から程近いビジネスホテルに一部屋だけ空きがあるという話。

早速そこに決めて荷物を置いてきた。いよいよ福岡ドームに向かう。

バスの中ではみんな日本シリーズへの興奮を抑えきれないようだった。

 

ドームに着くと、さすがに、人、人、人、である。その中で俺が探したのは、

ダフ屋である。俺はチケットを持っていない。そりゃそうだ。

だって行くって決心したのは直前だもん、21日だもん。あるわけないよなあ。

ダフ屋はすぐみつかり、途方もない金額で俺はチケットを買った。

あまりの高額のために、翌日の観戦を諦めることになってしまったのだ。

 

試合開始までまだ時間がある。食事を済ませて、ドームに入場。

1年以上前に来たときと同じ。だが、あのときと違うのは日本シリーズであるということ。

そう、これからここで、俺は日本シリーズを見るんだ。

試合開始が近づくにつれて、俺の興奮と期待はどんどん膨らみ、心臓は鼓動を速めた。

 

そして、試合が始まった。日本シリーズが始まったんだ…。

 

試合が終わり、宿へ引き返した俺は、荷物を減らして再び宿を出た。

さすがに一人旅である。好き勝手に行動できるこのフレキシビリティーがたまらなく好きだ。

博多に来たら、やっぱり長浜でラーメンを、という思いでタクシーに乗った。

タクシーの中では運転手と野球の話で盛り上がった。そして、長浜に着いた。

有名な「元祖長浜屋」に並ぶ。回転の速さが素晴らしく良いため、5分と待たずに座れた。

すると、放って置いてもラーメンが出てくる。メニューはラーメンしかないからである。

大盛もないしチャーシュー麺もない。トッピングなんてあるわけない。

足りなければ替玉。チャーシューは替肉。それだけだ。

まず一杯食ってから。そのスタイルがとっても気に入った。

ただ、味は普通のとんこつであり、もっと濃いものを求める俺には物足りなかった。

次に、「とん吉」という、屋台の親玉みたいな店に入った。

そこは、接客が悪くて嫌な気分だったが、味もいまひとつで機嫌まで悪くなった。

さらに悪いことに隣の客の替玉が俺の伝票につけられてしまい、レジ前で一悶着あった。

さて、もうそろそろ腹もいっぱいだし宿に戻るか…。

そしてまたタクシーでいろいろと話をして博多駅前に戻った。

そうだ、「龍龍軒」に行こう。あの御茶ノ水にも支店があるお店である。

しかし、俺の期待に応えてはくれなかった。薄い。そうつぶやいて俺は宿に戻り眠りについた。

 

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