disc review



第9回:Complain too much
/port of norts(CRUE-L RECORDS)

  「熱帯夜を涼しく過ごす」という季節を意識して買ったはず
なんだけど,ジャケ裏の写真はコートを着てるよ。99年発売の、
畠山美由紀・小島大輔のユニットPort of notesのファースト
フルアルバム。参加アーチストにはリトルクリーチャーズも
全員集合の豪華盤です。美由紀サン(呼び捨てになんか出来ない。
なんとなく。)の涼しげな歌声が暑い夏に心地よく響きます。
やっぱりねえ,高い声が出りゃイイってもんじゃないと思う,
絶対に。女性の中声音とシンプルな楽器の組み合わせは,
体感温度を下げること請け合いです。

 でもきっとコレを冬に聞くと‘warm'を感じるんだろうなあ。
どっちやねん、という気持ちもわかるが説明すると、涼しく
させるとか暖かくさせるとかではなく,さっきも書いたけど
単に「心地よく」させてくれるんでしょうね。きれいな空気とか,
清風とか湯気とか、そういうものを余計に感じれる。

#1‘You Gave Me A Love'にしても#3‘With This Affection
にしても、低いところをするっと通りぬけるツヤのある声や,
それが高音部分で裏声にくるっと変わる瞬間の霧が晴れるよう
な感じというのは,芸術的なんです。私の中ではそれの代表
はボニーピンクだったわけなんですが,彼女のその瞬間が
女の子の戸惑いや不安を表しているとすれば,畠山さんの場合
は大人の女性のしなやかさ。時にはしたたかさも含むような。
引き算式に良いものだけ残したようなメロディとアレンジも
その姿を際立たせています。

※このレビューは2000年夏に “colors”という
サイトに載せていただいたマチダの
文章を、少々手を加えた上で転載致しました。

*back number*

第8回:RADIO COLLECTIVE/LITTLE CREATURES

第7回:FUTURE KISS/サニーデイ・サービ

第6回:色彩のブルース/EGO-WRAPPIN'

第5回:ホプキンス・クリーク/直枝政広

第4回:LONG DISTANCE/IVY

第3回:home girl journey/矢野顕子(epic)

第2回:4 flasher/スガシカオ(キティ)

第1回:ERA/中村一義(EMI)

番外編:ロックといふ事/200.10.20