凡庸な背徳が支配する
type:3【身体的精神的限度】
ダレモイナイカセンジキ。
ソラガヨドミハジメ、アタシハスイコマレテユク。
誰も知らない処で、ただ一人で空を見上げていた。
ほら、ご覧よ。
赤いような,本当は真っ白い鳥が、光る水滴を滴らせて翔たいていくよ。
誰に言うでもなく、あたしは心の中で呟く。
ふと、地面を見ると気分が悪くなった。
目の前を青い光線が一瞬通り過ぎる。
・・・マズイ。
気が遠くなる。
・・・しばらくの間は、そこから動けなかった。
学校をさぼった日は、いつもこんな調子だ。
二日続けて無断欠席している。
この調子で一年間過ごしてしまうと、単位が取れなくなる。
・・・でも、もう、疲れていた。
人間が多く集まる場所は、あたしには適さない。あたしは社会に不適切な人間だ―・・・気付いてしまったから。
気付かずに、へらへら愛想笑いだけして一生を平穏に過ごすのも良かっただろう。
気付いたあたしは、もう何も思わない。生ける屍と化するのみだ。
ただ、思うとすれば、貴方のことだけ。
・・・今の貴方はキラキラ輝いている。あたしとは正反対の人種だ。
ねえ、あたしもは輝きたいよ。
・・・そう思って生きることが、今のあたしにとっては、一番大きな財産だと思う。
だから、不適切でも不適切なりに輝ける方法がある筈・・・。
それを探しにいこう。
そう思い、ゆっくりだけど、歩き出した・・・。
昔のあたしは、興味をひかれる事は、いつでも至って単純明解だった。
周りでかっこいいと評判の男の子、流行の音楽、流行のファッション。
全てが<普通>だった。
平凡な思考、平凡な生活。
朝起きて学校に行って、疲れ果てて眠り。それを繰り返す。
それでも、そんな生活でも充実していた。
何かを探し続けた。
探し続けているうちに、いろいろな事に出会った。
食事を全くとらずに、無理矢理点滴された事もある。
学校をサボる事手法も、義務教育中は、仮病。それが終わってからは、無断、と質が悪くなっていった。
昔は罪悪感を感じていたが、今はそんな物、微塵もかんじやしない。
「神聖」といわれている「吐き溜めみたい」な「学校」という場所にいる事が、全てを腐らせてる気がする。
逆に、「吐き溜めみたい」と言われている場所こそが、あたしにとっては「神聖な場所」である、と気付く。
あたしにとっての「神聖な場所」は、勿論、ライヴハウスが存在としてはかなり大きい。
が、一番大きなウエイトを占めているのは、あたし自身の部屋なのだ。
むせ返るほどの、香の匂い。頭が割れるかと思うほどの音量の音楽。壁は貴方の写真で覆い尽くされ。
吐き気がするほど居心地が悪い日も有るが、この世界の中では一番落ち着く場所だろう。
・・・普通に暮らす事から、未だに完全には離れられないけれど、
少しずつ、胃がとろけそうな日常が手に入る筈・・・。
そう思いはじめてる。
私の普通が普通じゃなくなる。世間の異常が普通になる。
・・・眩暈がする。耳を澄ますと割れるほどの囁きが聞こえてくる。
誰が何をどうしてあたしがあたしでこうなって違って本当の事を壊して嘘をついて目を覆って耳を塞いで貴方が壊して壊して壊して壊して壊して壊して壊れて・・・。
一体誰に本当の事を教えられよう。
あたしの意識はあたしにしか解らなくて誰からも干渉されずに中空に浮かぶ燻し銀の檻の中で閉じ込められている筈なのに。
誰誰誰誰誰誰誰誰誰誰?あたしの意識に入りこんでくるまだ知らぬ貴方は誰?
GISHO君にしか私の意識は明け渡したくないの。
でも入りこんでくる貴方は誰?
気付きたくない。
だって、気付いているのだもの。
貴方の事。
・・・本当の事は全て嘘だと。
くっきりと輪郭が見えた・・・。
イタイ。アナタノイシキニハイロウトシテ・・・ミエナイガラスニブツカッタ
・・・スベテハトウメイダトイウコトニキガツイタ。
next・・・
type:01〔hyper〕
・・・comingsoon・・・