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お前が いい奴だっていうのは 俺が保証するよ。 あんたに 保証 されても ね。 |
自転車キンクリーツのお芝居はあたたかくてでもひやっとするものがあります。避けて通れない怖いこととかがお芝居のなかにあって、でも笑いが必ずある。
このお芝居は以前「休むに似たり」という題で、確か2年ほど前に同じく新宿シアタートップスで、しかも同じ方と見に行くという不思議な体験をしました(笑)。久しぶりにお芝居見ない?ということで、自転車キンクリーツのはほかの公演にもいってたんですが、意図せず同内容のものを見ることになり、でも脚本がねえ、微妙に違って良かったです。面白かった!
(脚本の微妙な違い・・前回より、年代があがっていた(笑)。ぷれすてが登場していた!パソコンネタがあった。。登場人物たちのなりゆきも結構ちがった。再々演があったときは、やっぱりさらにかわるかな?)
内容は。
学生時代の友人の、結婚式の出し物を考えるので集まった女友達四人。そろそろ結婚を考えねば、だったり、バツイチ、だったり、年下の彼氏に仕事的に利用されたり、と難しい年頃。(だがしかしそれを笑って発散しているあたり女は強し、という感じのお話。)主人公の「柳岡」(役者名と役名が同一なのです)は、年上のカメラマンとつきあっているけど、相手は海外旅行にいくにも彼女のかねを使うし、貯金しないでひとりでぽーんと海外にいってしまうし、とちょっとフクザツな立場。相手のこと好きなんだけどもしかして相手は私ほど私のこと好きじゃない?結婚なんか考えられないって、結構年とってきちゃったよ?みたいな。そんなところに、学生時代のサークルの男友達、長くつきあってはいなかったけど一度は深くつきあったという「久松」 が、家が雨漏りなので一週間だけ、泊めてくれと押しかけてくる・・というおはなし。
基本的にコメディです。「泊めてくれ!」「冗談じゃない!」のやりとりのところとか、結局熱だして居座ってしまった久松がいるところに田舎から弟がやってきて、てっきり恋人だと勘違いするところとか。
(この弟さんの演技が、今回の再演で一番の見所だった。完全に勘違いしてもりあがっていて、さらに事情を知って頭に血が上るところが見事だった・・・おそろしく大笑いしました。)
あとは笑えない、ひとりぐらし働いている女性の部屋の散らかり方のこととか(笑)
そこはかとなく漂う現実感と、おそろしく足下を掬う「で、この咲きどーするの?」っていう感じ。「どこまで責任逃れしていられると思ってるの?」とか。「一時停止はいつまでもきかないよ」みたいな。馬鹿の考え、休むに似たり。でも似てるだけで休むよりは前進してるといいねえ、たまには後退していても。
夕焼け夕暮れ夜中、なイメージのあるお芝居でした。飲んだり会社から帰ってきたあとだったりするからでしょうけれど。
引用してきた台詞は、ほんとうに目でみた瞬間心臓が凍ります。泣きたくなります。でも祈らなくちゃ、祈りたい。こんな私たちでもシアワセになるように、なれるように。手をのばした台詞すら多分手後れの「休むに似たり」で、でもゼロじゃないんだよね。
・・・ということで、日常を切り取るリアルさと、だからこそつくれる大笑いの空間と、だからこそ切り込まれる痛々しさのある作品です。気分転換には最適だったですよ。