舞台・映画フィルム保存室(room17)



19:風花(cinema)




監督 相米慎二
出演 小泉今日子/浅野忠信 ほか
原作 鳴海章
2000年 日本


 めずらしく、渋谷の映画館まで見に行った作品。アドカード(無料でもってって、なポストカード)でてにいれた、この映画の一場面が綺麗だったのと、その画がなんとなく唐突だったので、見に行く気になったのでした。
 しかし結果からいうと、「あの画が一番キレイだったんか・・」というもの。客の入りは平日昼間からもかなりはいっていましたし、反応も悪くなかったから、私がずれているのだとは思いますが、ちょっと残念。


 物語は二人の「はみだしてしまったひと」の旅を描くもの。実家が北海道にあり、娘を残したままの風俗嬢と、酒を飲んだ末のしくじりで、職場を追われた官僚。桜の花の咲く東京から、逃げるように、まだ春の遠い北海道へとなりゆきで旅をする。
 アドカードは、桜の木の下の写真だった。酔っ払って転がってた浅野くんを、拾って一緒に公園で、小泉今日子が酒を飲んで、そのまま寝ちゃった明けきらぬ朝の光のなかの、曇ったようなこれから陽がさすような、くらいようなあかるいような写真。
 違和感としては、東京の映像は結構すきだったのに、北海道の映像では、どんなに広くても雪山でも、あまり心が動かなかったせいがあるかもしれない。物語はどうみても北海道のほうが重みがあった。


 キャラクターとしては、浅野氏が演じた「元官僚」がすごくよかった。エリートでそのことに自信があって、すごく嫌みな奴で、遊び相手と結婚相手をかえて、それを公言してはばからないような奴。『あんた、よく今まで殺されなかったね?』でも、お酒を飲むとへにゃへにゃ〜、とすごくいいひとになってしまうのだ。うわああ可愛い。となんか無茶苦茶親近感をもってしまいました。同僚だったら嫌だけど。
 「汚れ役」ってことで注目されていた、小泉今日子女史は、わたしには違和感があった。このひとの演技にあまり心を動かされたことがない。(むしろ下手だと思うけど歌のほうがすきなくらい。)評価はたかいのになあ、って思った。可愛いのに、可愛いのになあ。と不思議だった、みている間中。間違った動きやことばや、そんなことしていないのに。悩みが深いのは浅野氏より彼女のほうで、ゆきのなかで「おどる」場面はかたちをかえたらおそろしくぞくぞくしそうなのに・・以下略。


 物語自体の後味は、「小春日和」のひなたにあったまるような感触のよいものなので、浅野氏らーぶ。なひとはみるとよいことでしょう。勝手な感想でした。




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