舞台・映画フィルム保存室(room21)



23:陰陽師(cinema)




監督 滝田洋二郎
原作 夢枕獏
出演 野村萬斎/伊藤英明/真田広之/小泉今日子/今井絵理子
2001年 日本



 平安の都に住まう陰陽師、ひとときつねの子でありはかりしれない力を持つという安倍晴明が、べつに正義感からではなく悪霊および悪玉を退治するというおはなしであります。
 もう単純に、野村氏を見にいく!というかんじです。あの所作の数ヽに、CMなどでくらっとしたかたにはお勧めいたします。が、以下の理由でおすすめいたしません。
 ただ綺麗で妖しくて力があるゆえに美しいものを心行くまで堪能するには、ほんとうに幸せでした。和、です。


 薦めない理由いち。ストーリーが。。二時間でおさめなければいけないのはわかるのですが、晴明が過去の怨霊をもって支配を企むものと対決する、という図式といい、そのあいだに挟まる「利用されるもの」「味方」の構図といい、すごくすごくオーソドックスです。さきが読めすぎです。映画というひとつの枠組みで華麗に美麗にするには、大きな山場が必要なのはわかるのですが、このキャラクタに相応しいのはむしろこまかなエピソードなのだろうなとあ、と(実在するひとを描くのって、なにか大事を成していない限りそうなる気がする)思ってしまうがために。でもこれはしょうがないのでしょうか。

 薦めない理由に。手・脚・首がぼとぼと落ちます。痛いものが嫌いなひとは時々目をつぶってみましょう。

 薦めない理由さん。キャストがね・・。私は小泉今日子の演技がどうして苦手なのだろうか。下手、ではないと思うのです。でもなんか、ちょっと、違う。それから、今井絵理子は、むしろしゃべらなければ良いのにー、という具合。伊藤英明は、「単純馬鹿」っぽい感じはぴったりなのですが(状況がのみこめてないけど真摯なところとか、晴明に翻弄されてろところとか)恋に苦しみ涙するとことかの演技が痛いです。


 と、好き放題いっておりますが、楽しんだことは楽しんだのですね。舞と所作と声と、美しかったであります。




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