あんたのはなしを してよ。 |
のどもとをエックス字に切り裂く殺人。愛し合っていたはずの妻を殺した夫。平和な交番で、同僚を撃ち殺す警官。
主人公の警察官の妻は狂い、仕事仲間の心理学者は破滅する。どこか純真に、けれど破滅へと暗示をかける、記憶喪失の青年が、その事件の鍵を握っているが。
「SEVENを超えた」っていうのがうたい文句だったような記憶があります。が、「SEVEN」のほうが綺麗に物語がわかりやすい。「CURE」は、脈絡やオチの整合性を追いかけるのがひどく難しい。(そういう意味で「超えて」いるのかも。わかりにくいけれど、完成しているものこそ、「レベルが高い」証拠?)あんまり考えながらみるのが嫌いな場合は、積み重ねられる恐怖と破綻を楽しんだほうがが面白い作品なのかもしれません。
この映画を見ようと思ったのは、「回路」があまり納得がいかず、同じ黒沢清作品で評価の高いものをみれば何かわかるかな?という流れがあります。一回みただけではわかりませんでしたが、わかった気になったかな?という分、「回路」より好きかもしれません。みていても、「回路」より面白かった。飽きなかったし。血とか死体とか、あからさまなグロテスクさは多いけれど、耐えられないほどではありませんでしたし。(そーいう観点でみるべきものじゃない気もしますが)
あと、役者についてはほんとに「CURE」のほうがうえだなあ、と思いました。役所広司と萩原聖人の演技が好きだ。萩原氏のほうが永瀬氏より好き。(なぜここで比較する。
ピアノのシンプルなBGMと、残酷で、でも光がいっぱい溢れていたりする映像は時々すごく綺麗で、血で、殺人で、「平凡な日常」から繋がっている残酷の可能性の存在で。(ゲイリー芦屋氏が担当していました。)
ラストシーンの夕暮れの雰囲気とか、すごく特殊な「怖さ」をとるひとなんだなあ、と感服しました。すごくストレスを貰う映画だけど(映画世界がとにかくストレスのかたまりみたいな)なんか、思い出してしまう、残ってしまった、という一作です。