舞台・映画フィルム保存室(room3)




部屋名作品名類別

◎Room3

5:マイ・ライフ・アズ・ア・ドッグ

cinema



5:マイ・ライフ・アズ・ア・ドッグ(cinema)



運が良かったと考えてみよう
たとえばあのライカ犬
宇宙に打ち上げられて
食糧がなくなって五カ月後に 飢え死にした

比較して考えてみよう
離れてみると物事は良く見える
ライカ犬は、きっと物事が良く見えたことだろう。

監督

ラッセ・ハルストレム   1985年 (スウェーデン)

出演

アントン・グランセリウス/マンフレド・セルネル/アンキ・リデン/レイフ・エリクソン/メリンダ・キンダマン


10才くらいの少年(イングマル)が主人公。彼は宇宙を見上げて呟く。「運がよかったと考えてみよう。あのライカ犬より。スタントに失敗してしんだ俳優より。バス事故に巻き込まれたひとびとより。」それはプラス思考なのかマイナス思考なのか・・・・・。けれど、この映画における「いま」に時点の、彼の瞳は癒されていて、とてもほっとします。

見終わって気づくのですが、この映画の殆どは「回想」なんですよね。もう、彼の身にふりかかる事件は殆ど終わってしまっていて、それで彼はずうっと「回想」している。実際かれが思い出しているのは、彼のモノローグの入るシーン=空を見上げてる風景と、元気だったころの彼の母親と、水辺で遊んでいた夏の日の思い出、だけかもしれないのですが。ただ、彼の目は、それだけちゃんと、それだけ客観的に、離れて物事を見て、覚えて、思い出しているような、そういう印象を与える目なんです。・・・勿論、年相応のやんちゃな感じと、幼さも持っているのですけれど。

最初はとりあえず、見てて辛いです。10才の男の子がライカ犬より、と比較しているような現在を見るわけですから。病気の母親を気遣いながらも、どうしても邪魔になってしまうところとか、叔父の家にひきとられていって、大好きな犬と別れなきゃいけないところなんか嫌〜〜って感じです。でも、彼は悲しいけど冷静です。諦めてないです。その彼のありかた自身が良い感じです。あとは、周囲の人々の目が、基本的にとても「普通に」優しい事。そこで、少年は頑張った!とか、ちやほやされた!とか表現されるとかえって疲れてしまうから。

でも多分、印象に一番残ったのは、叔父の家のある田舎で出会うひとりの少女。一見男の子みたいで、男の子にまじってサッカーして、ボクシングして。「胸が大きくなるからもうチームをはずされる」っていう・・・・。サガ、という名前も綺麗。凛々しくて可愛くて、この子がイングマルくんとボクシングしてるシーンが好き。イングマルくんが音楽の授業中、他の子と仲良くしていて、気になって縦笛の音をはずしまくるところも好き。彼女が彼を元気にさせた全てではないのだけれど、彼女と会えて良かったねえ、と思った。(私の好みだからか?)でもいーなー、好きな子とボクシング・・・思いっきり殴り合い・・・なんか憧れるのでした。ラスト、可愛い服を来ているところもすごーーく、良いと思うのです。

この映画には原作があります。映画は原作の、ある一時期しか表現していない、と聞いて、興味があるのです。これよりもーーーっと暗いのだそうです。うーん。読んでみたい。 1999.1.27




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