舞台・映画フィルム保存室(room30)



32:閉じる日(cinema)


    

監督
 行定勲 2000年 日本
出演
  沢木哲/綾花/野村貴志/筒井真理子/大鷹明良/永瀬正敏



◎総評◎ C−
  多分、もう一度は見ない。



 「GO」の行定さんがとって、あんまり話題にならなかったという一作です。下北沢でやっていた、「ビデオ映画をとろう」という企画の一作。そのほかには「ギプス」とか上映されていたようです。

 これをみようと思ったきっかけは、ミュージシャン横川タダヒコ氏のクレジットがあったから・・なんですよね。ネット検索でひっかかったのですが、ちょうど上映が終わったところで、とても口惜しがっていたのでした。
 しかして、私はあんまり行定さんとの相性がよくないようです。あんなにヒットした『GO』は冒頭部で見れない!と止めてしまったし(窪塚氏の演技が痛かったせいもある。)。この作品の感想も「勿体ないよ」と「思わせぶりだよ」の二つに落ちついてしまいそうです。『贅沢な骨』は見たいと思っていたのだけど、やめておくかもしれません。


 小説家の姉と二人暮らしの主人公。両親はいない。プールに飛び込むのが日課。姉と弟は近親相姦関係にあって、彼らのベッドの横には、殺した日付が刻まれた虫の死骸が点々と残っている。二人には、親を殺した、という悪い噂がつきまとっている。少年は、同級生の少女と仲良くなってみたりなりきれなかったり、姉は編集者と朝帰りしてみたり、どろどろしているのに空虚。編集者役の永瀬の行動は脚本的に破綻していて、ますます俳優としての好感度が下がるくらい。
 構成として、謎を残した入れ子型の構成になっています。小説家である姉が、書いている小説の題名が「閉じる日」。映画の登場人物が、映画そのものと同じ題で創作をする、という入れ子型の形はどきどきさせられるのですが。そして、最後の一瞬に、突然「どちらが本当?」の謎掛けが、強調されるのです。。非常に一瞬。そこまで一瞬にするならば、内容をもっと短くするべきだったと思ったのですが。どうでしょう。
(ちなみに、このお姉さんが「贅沢な骨」をかいたことにもなってます。)

 さて、横川さんは。主題歌を歌う女の子(藤田アサミ)の傍で、バイオリンを弾く役でした。しかも生の音が全然使われていない!勿体無い!意味が無い!主題歌「聖なる脚」は、朝本浩文氏のもので、嫌いじゃない風合いなのですが、この主題歌自体が三回も四回も劇中に流れてしまい、食傷気味になってしまいます。幻想的に使うなら、劇中で一回、最後のテロップで一回、で良い気がする。ましてや、登場人物達に深く影響をしていないなら。

 横川さんがみたいためだけに見ることはお勧めしない一本です。(当たり前)
 本当の気持ちがどこにも無い感じ、空虚さがいっぱいにしめられている感じ。誰かが誰かを本当に好きな感情があるのなら好きになったかもしれないけれど。




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