舞台・映画フィルム保存室(room5)



7:胡桃・私が愛したハムレット(play)



皆 お前の想像です
狂気は在りもしない事を作り上げるもの。

狂気ではありません、
ためしてみるがいい、
一言も違わず繰り返してみせましょう。
狂気ならば間違えるはずだ、
母上、後生です
魂に一時凌ぎの薬をぬるのを
止めて下さい。

ああハムレット、
お前はこの胸を
真っ二つに裂いてしまった。

それならばその悪い方を捨て、
良い方だけ残して、
清らかな日々をおすごしなさい。
では、おやすみなさい・・・

演出・脚本

大和田伸也   1999年 (日本)

出演

榎木孝明/旺なつき


 今回はちょっと毛色を変えて、舞台について。舞台は見に行きたいのにきっかけがつかめないですね。何事も量をこなすことに意味はありますので、どんどん試していきたいものです。

 この舞台に惹かれた理由は簡単。私は榎木さんが好きだからです。(ほんと単純)立ち姿とか、身のこなしとか、声とか、現実離れしていて良いではありませぬか?今回彼のこなす役は「記憶を失ったシェークスピア俳優」。シェークスピア、は演劇の世界のなかで特別な意味をもっています。シェークスピアだけを演じる劇場、それだけを演じる役者たち。彼が記憶を失うきっかけとなったのは「ハムレット」の稽古中であり、その記憶を取り戻そうとかつての仲間が「ハムレット」を演じようとするところから、話ははじまります。舞台のなかで舞台が演じられる、二重構造になっていて、とても面白いですが、冒頭部はすこしわかりにくかったかも。何が起こっているのか理解するまで少し時間がかかりました。冷徹で、女性に冷たく、自分勝手だった俳優が、記憶の喪失により少年のようになっている状態が非常に!良かったです。あのあどけなさ(?)は榎木さん独自のもの。うっとり。そしてまた、記憶を取り戻しかけた、冷徹な榎木さんも素敵でありました。(それだけ?)えーと、後半、かつて解釈で足踏みをしていたはずのハムレットを演じる場面があるのですが。その「狂気のハムレット」のつめたさと愛情の表現が、すごく素敵でした。鳥肌が立ちました。ガートルードとハムレットの関係についての解釈。そして、演劇に携わるなかで、シェークスピアに引き付けられてやまないひとがいるのがなんだか少しだけ理解できたように思いました。再演されることがあればぜひ見に行ってみたいものであります。    




舞台・映画フィルム保存室入り口へ


図書館入り口へ