| 「さかなたちは僕の友達。
いろんなことを教えてくれるんだ。」 「・・・友達を、食べちゃうの?」 | |
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僕は、死ぬなら、食べられて死ぬほうがいい。 | |
| ごめん。 海、見に行けなくなったから。 |
1993年のフジテレビの深夜番組で放映されたテレビシネマ。このころのフジ深夜枠はすごかったですね。でもこの映像は、リアルタイムでは見ていないです。映画ファンのかたは『ディーバ』という映画を思い出すそうです。(というか意識してそうしているのだそうな)・・私は映画の知識はないので、ただ素直に見ていました。
お話は不思議な感触。50分程度の短さなのに、その短さが心地よかったです。
登場人物もほんのすこしだけ。「出てはいけない」部屋のなかで、さかなと暮らしている、銃をもてあそぶ、透明な目でひとを殺す[ナツロウ=浅野忠信]。データバンクの派遣員、[プー・リンウォン=芳本美代子]。プーの勤めるデータバンクの、「一ヶ月お試し使用」を受けている探偵事務所の所長=酒井俊也。この探偵事務所がうけおった、ある生物学者=トーマス・アーヴィンの大切な熱帯魚、「ドラゴンフィッシュ」を探しだそうとするところからお話の始まり。
お話の台紙となるべき、舞台装置を、すごい短時間で、説明してるのがすごいにゃあと思いました。この二人=ナツロウとプーが出会うまでの過程。それから、ナツロウがおかれている立場、かれの存在というもの。デルタサービスというデータバンクの役割。
とにかく、ナツロウくんがすごく良く描かれているです。つめたくってひとりぼっちで、部屋から出ちゃいけなくてばしばし人を殺す。「死んだら、いってね?」浅野くんが、今とくらべてまだ線が細いところがぴったり。寝転がって音楽を聴くところも。「おともだち」なさかなを美味しくたべちゃうところも。(「少年は荒野をめざす」/吉野朔実、の日夏さんを思い出す。彼よりもより自然にそれを実行しているところがいい。)「たとえば、アフリカのサバンナでライオンに出会う。絶対逃げれない。」映像的にはとにかく、ナツロウがすんでいる部屋の場面の色が素敵です。最初は、お昼ご飯の時間。光は全部白。プーが再び訪れる部屋は夕暮れ。光の色はオレンジ。ナツロウが「暗殺者=生餌」を待ち受ける場面、ひとりでいる場面、の夜。光の色は青。
輪郭が光に溶けてしまうような光の使いかたがすごく綺麗です。
とにかくこれはお勧めです。最後のチャラの歌で、うにゃ〜、ものすごい喪失感に教われてしまうところがまた良いのです。