TOP10 HITS OF LAST CENTURY
Presented by meantime

■ Billboard Best-Selling Retail Records July 27, 1940
01 I'll Never Smile Again - Tommy Dorsey and His Orchestra (Victor)
02 The Breeze And I - Jimmy Dorsey and His Orchestra (Decca)
03 Imagination - Glenn Miller and His Orchestra (Bluebird)
04 Playmates - Kay Kyser and His Orchestra (Columbia)
05 Fools Rush In (Where Angels Fear to Tread) - Glenn Miller and His Orchestra (Bluebird)
06 Where Was I? - Charlie Barnet and His Orchestra (Bluebird)
07 Pennsylvania Six-Five Thousand - Glenn Miller and His Orchestra (Bluebird)
08 Imagination - Tommy Dorsey and His Orchestra (Victor)
09 Sierra Sue - Bing Crosby (Decca)
10 Make-Believe Island - Mitchell Ayres and His Fashions in Music
(Bluebird)
我が国では“皇紀二千六百年”にあたるという昭和15年7月のこの週、ビルボ
ード誌のナンバー1はトミー・ドーシー楽団の「I'll Never Smile Again」でし
た。
前回に引き続き今回もレコード・リサーチ社から発売された「Pop Hits
Singles & Albums 1940-1954」からTOP10チャートを紹介したいと思います。ビ
ルボード誌がヒットチャートを掲載し始めたのは1930年代後半のことだそうです
が、当時のそれは“現在流行っている曲のリスト”というくらいの意味合いだっ
たようで、競作の多い時期でもありましたから誰のヒットという特定はなく、そ
の曲を発売しているアーティストをすべて列記するようなスタイルだったようで
す。で、そこから“その曲の誰の録音がヒットしているのか”を特定して最初に
リストしたのがこの週、1940年7月27日のヒットチャートでした。
有名ビッグバンドの録音がズラッと並んでいるこのチャートを、楽団毎に紹介
していきましょう。まず1位と8位にランクインさせているのがビッグバンドの代
表的存在、トミー・ドーシー楽団。“ビッグバンド・エラ”と呼ばれる1930年代
半ば〜1940年代半ばの音楽シーンの立役者とも言える彼の楽団の当時のボーカル
陣は、売り出し中の優男フランク・シナトラと、紅一点のメンバーにジョー・ス
タッフォードを擁していた時期のパイドパイパーズという“ドリーム・チー
ム”。「I'll Never 〜」「Imagination」ともにシナトラの甘い歌声が堪能でき
ます。
続いて2位に入っているのはトミーの兄ジミー・ドーシー楽団の「そよ風と
私」。1920年代後半〜1930年代前半は“ドーシー兄弟楽団”として活躍したトミ
ーとジミーの二人は30年代半ばにそれぞれのバンドを持ち、共に大きな成功を収
めました。この当時、ジミーの楽団の看板ボーカリストだったのはボブ・エバリ
ー。ソロとして成功を収めることがなかったので現在その名前を聞く機会はあり
ませんが、低音が非常に魅力的なシンガーでした。この時期に限っていえば、シ
ナトラより全然いい、と私は思います。
そして3位、5位、7位にはドーシー兄弟から独立し、この時期ナンバー1の人気
を誇っていたグレン・ミラー楽団が。4本のサックスとクラリネットが生み出す
“グレン・ミラーサウンド”がトレードマークだった彼の楽団の人気は凄まじい
ものがあり、資料によれば人気がブレイクした1939年から空軍に入隊する1942年
までの4年間(その後44年に事故死)に約120曲(!)ものヒットを放っていま
す。3位の「Imagination」、5位の「Fools Rush In」はグレン・ミラーよりはト
ミー・ドーシー楽団におけるシナトラの代表曲という印象が強く、ちょっと負け
ている感がありますが、7位の「ペンシルバニア6-5000」は紛うことなき彼らの
代表作の一つ。これはペンシルバニア州のご当地ソングという訳ではなく、ニュ
ーヨークにある「ホテル・ペンシルバニア」についての曲。電話がチリチリと鳴
って、メンバーがタイトルを叫ぶというユーモラスな光景は、映画「グレン・ミ
ラー物語」でも再現されていました。
残りの楽団をご紹介。4位はスタイル的にはビッグバンドのちょっと前の世代
っぽい“スイート・バンド”、ケイ・カイザー。残念ながら今回この曲の音源を
入手することが出来ず未聴なのですが、ノヴェルティ・タイプの曲のようです。
彼らはこの翌年から翌々年の15ヶ月の間に7曲のナンバー1ヒットを記録するとい
う離れ業をやってのけることとなります。6位はサックス奏者チャーリー・バー
ネット率いる楽団の「Where Was I?」。黒人ミュージシャンを最初にフィーチャ
ーした白人バンドの一つとして、そして50〜60年代の音楽シーンで活躍する2人
のアレンジャー、ビリー・メイとニール・ヘフティを輩出したことでも記録にと
どめられている同楽団のこの曲は、彼らにとって唯一のナンバー1ヒットです。
9位はこのチャート唯一のソロ名義、ビング・クロスビーの「シエラ・ス
ー」。1916年に書かれたというこのロマンチックなバラードは、彼がこの年に記
録した3曲のナンバー1ヒットの一つ。最後10位はミッチェル・アイルスの
「Make-Believe Island」。“なんちゃって島(??)”というこの曲(唯一のナ
ンバー1ヒット)をはじめ、この楽団のヒットチャートにおける活躍は比較的短
期間で終わりましたが、その後彼はペリー・コモのミュージカル・ディレクター
として長く活躍、日本でも放映された「ペリー・コモショー」ではバンドマスタ
ーを務めました。
(2003.7.29)
copyright (c) 2000-2003 by meantime, all rights reserved.