TOP10 HITS OF LAST CENTURY
Presented by meantime

■ Billboard Best Sellers In Stores January 12, 1957
01 Singing The Blues - Guy Mitchell (Columbia)
02 The Green Door - Jim Lowe (Dot)
03 Love Me Tender - Elvis Presley (RCA Victor)
04 Blueberry Hill - Fats Domino (Imperial)
05 True Love - Bing Crosby and Grace Kelly (Capitol)
06 Just Walking In The Rain - Johnnie Ray (Columbia)
07 The Banana Boat Song - The Tarriers (Glory)
08 Love Me - Elvis Presley (RCA Victor)
09 A Rose And A Baby Ruth - George Hamilton IV (ABC-Paramount)
10 Moonlight Gambler - Frankie Laine (Columbia)
昭和32年1月第2週のビルボード誌ベストセラーチャートの1位は、ガイ・ミッ
チェルの「ブルースを唄おう」でした。
ミシガン州出身の白人男性シンガー、ガイ・ミッチェルが初めてヒットチャー
トに登場したのは1950年のこと。当時カントリー・ソングのポップ・カバー盤が
人気を集めており、彼もそれに倣って様々なヒットを飛ばしましたが、この「ブ
ルースを唄おう」もその延長戦上にある作品。当初カントリー・シンガーのマー
ティ・ロビンスが発表しヒットを記録していましたが(最高17位)、ミッチェルの
バージョンはそれを上回る売れ行きを見せ、当時では破格の10週間連続ナンバー
1を記録しました。彼のこの“ポップ・カントリー”路線は以降もまだまだ続
き、次に彼が1位になるのもやはりカントリーのカバー「Heartaches By The
Number(「恋はつらいね」59年1位)」でした。
続いて2位に入っているのはニューヨークのラジオDJ、ジム・ロウの「グリー
ン・ドア」。50年代前半よりDJ稼業の傍らヒットチャート狙いのシングルを時折
リリースしていた野心家の彼は、55年にはチャック・ベリーの「Maybellene」を
随分とぼけた感じでカバーし(彼は大真面目だったのかも知れませんが)R&Bチ
ャートに送り込むというなかなか勇気のあることをやらかしましたが、続いて小
節の2拍目、4拍目にアクセントをつけた“バック・ビート”を用いてR&Rにちょ
っと色気を見せたような印象のあるこのポップソングで、彼にとって最大のヒッ
トを記録しました。なお「グリーン・ドアの向こう側から何やら楽しそうな音楽
や笑い声が聴こえてくるよ。」という歌詞のヒントになったのは、テキサスにあ
るミュージシャン組合に加入している者のみ出入り自由なクラブ(実際は“イエ
ロー・ドア”だったそうです)だそうで、資格を持たない若者たちが店の前で漏
れ聴こえてくる音楽にじっと耳をすましていた様子が歌になったのだとか。
3位には今回も登場のエルヴィス「ラブ・ミー・テンダー」。余りにも有名す
ぎるこの曲は、彼が初めて出演した映画のテーマ曲。とはいえここでは彼はまだ
主役ではなく、それどころか最後に殺されてしまう役どころだったのですが、こ
の作品が大変なヒットになったことからその後彼をメインにしたいわゆる“エル
ヴィス映画”が企画され、前回紹介した「監獄ロック」以降大変な本数の映画に
主演を続けることになるのでした。もう一曲この週8位に入っている「ラブ・
ミー」は、4曲入りのEP盤「Elvis, Vol.1」に収録されていたもの。同EPからは
他に「When My Blue Moon Turns To Gold Again(「ブルームーンがまた輝け
ば」19位)」と「Paralyzed(「悩まされて」59位)」がチャートインしていま
すが、これは何年か前、シングルがCDの時代になり、イギリスのヒットチャート
で1枚のマキシ・シングルから3曲が同時にランクインして話題となった、あれの
先駆的出来事といえるかも知れません。
そして4位にはニューオリンズの音楽巨人、ファッツ・ドミノの「ブルーベリ
ー・ヒル」が。左手でベースラインを、右手で三連の和音を弾き続ける彼の“ニ
ューオリンズ・ピアノ”にかかれば、最新ナンバーでもスタンダードのリメイク
でも、あっという間にファッツ・ドミノ・スタイルに早変わり。彼は頑なにこの
スタイルを貫き通し、50年代初頭から60年代半ばにかけて80曲以上のヒットを
様々なチャートに送り込みました。
5位は非常にオールド・スタイルなヒット曲、ビング・クロスビーとグレー
ス・ケリーの「トゥルー・ラブ」。これはクロスビーとケリー、そしてフラン
ク・シナトラが共演した映画「High Society(上流社会)」の挿入歌。この映画
を最後に芸能界を引退し、モナコ王室という“上流社会”に嫁いでいってしまっ
た女優グレース・ケリーにとっても、記念碑的なヒットとなりました。なお同映
画からは他にクロスビーとシナトラの「Well Did You Evah?(92位)」と、これ
またクロスビーにルイ・アームストロングが絡んだ「Now You Has
Jazz(88位)」という豪華な“コラボ・ヒット”が生まれましたが、この手の曲
がヒットチャートを賑わす時代は、そろそろ終わりを迎えつつありました。続く
6位は日本でもヒットしたジョニー・レイの「雨に歩けば」。1950年代に成功を
収めたアーティストの常として彼も映画に出演、1954年の「ショーほど素敵な商
売はない」で芸能一家に生まれながら芸の道を捨て、教会でゴスペルを歌うこと
を選ぶ堅物兄貴(芸人を続ける“軟派”な弟、ドナルド・オコナーの恋人役はマリリン・モン
ロー!)を好演していましたが、やはりその泥臭さが敬遠されたのか、その後彼
がミュージカル映画から声がかかることはありませんでした。
7位と9位にはR&Rとはまた別の流れの若者の音楽“フォーク”が登場。「バナ
ナ・ボート・ソング」のタリアーズは、ニューヨークで結成された3人組。この
時期カリブ海の音楽“カリプソ”が大変なブームとなっており、「バナナ・ボー
ト・ソング」は彼らの他にフォンテイン・シスターズ(13位)、スティーブ・ロ
ーレンス(18位)、サラ・ヴォーン(19位)と大変な競作ヒットになりました
し、彼らがバックを務めフォーク・シンガー、ヴィンス・マーティンが歌った
「Cindy, Oh Cindy(「いとしのシンディ」56年9位)」も大ヒットとなり、一時
は「カリプソはR&Rに取って替わるのでは?」なんて議論も真剣にされたそうで
す。しかしこの盛り上がりはハリー・ベラフォンテの「Banana Boat (Day-O)」
とアルバム「Calypso!」の記録的ヒットをピークに、次第に人々に忘れられてい
くのでした。
9位「バラとキャンディ・バー」のジョージ・ハミルトン四世は、ちょっとフォーク寄りのカント
リー・シンガー。当時まだ彼は若かったので、アイドルのようなこと(ポール・アンカとの共演盤も残されています)もやらされ
ていたようですが、日本でヒットした「いとしのクレメンタイン」が収録されて
いるこの年発表の彼のファーストアルバム「George Hamilton IV on Campus(ハミルトン四世の青春)」の
ジャケットで披露された“大学キャンパスの芝生の上でフォークギター”という
イメージは、随分長いこと我が国の若者にも影響を与え続けたように私は感じま
す。
最後10位はフランキー・レインの「ムーンライト・ギャンブラー」。50年代を
通じてカントリーやウエスタンを積極的に取り上げた彼の、これもその路線上に
ある曲。誰でも知ってる「OK牧場の決闘」や「ローハイド」に通じる豪快さが楽
しめます。
(2003.1.14)
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