TOP10 HITS OF LAST CENTURY
Presented by meantime

■ CASH BOX TOP 100 SINGLES: Week ending December 20, 1958
01 The Chipmunk Song - Chipmunks with David Seville (Liberty)
02 Tom Dooley - Kingston Trio (Capitol)
03 To Know Him, Is To Love Him - Teddy Bears (Dore)
04 Smoke Gets In Your Eyes - Platters (Mercury)
05 Beep Beep - Playmates (Roulette)
06 I Got Stung - Elvis Presley (RCA Victor)
07 One Night - Elvis Presley (RCA Victor)
08 Problems - Everly Brothers (Cadence)
09 Lonesome Town - Ricky Nelson (Imperial)
10 It's Only Make Believe - Conway Twitty (M-G-M)
昭和33年12月第3週のキャッシュ・ボックスチャート、ナンバー1はシマリス3
人(3匹)組、チップマンクスの「チップマンク・ソング」でした。
話のスタートはこの年の前半から。ソングライターとして1951年、ローズマリ
ー・クルーニーにナンバー1ヒット「Come On-A My House(家においでよ)」を
提供したキャリアを持つロス・バグダサリアンは、デヴィッド・セヴィルの名で
恋する魔術師(?)が登場するノヴェルティ・ソング「ウィッチ・ドクター」を
録音。ここで使用したテープ早回しのケラケラした声がウケたのか、この曲は見
事ナンバー1を記録し、それに続く新企画を一つ、ということで彼が思いついた
のがこの早回し声を大々的にフィーチャーした架空のグループもの。シマリス3
匹があれこれ欲しいクリスマスプレゼントを歌うという他愛ないクリスマスソン
グが、この年一番の年末ヒットとなったのです。
アルヴィン、サイモン、セオドアという3匹の名前は、このレコードを発売し
たリバティ・レコードの経営陣からとられたそうですが(その中で一番名前を知
られているのは、後に息子のレニーもワーナー・ブラザーズの社長となった同社
社長、サイ・ワロンカーでしょう)このことは彼らにとって孫たちへの大変な自
慢話になったことと思われます。なにしろアルヴィンとチップマンクスはこの3
年後にレコードを離れてアニメ化され、その後30年に亘って断続的にシリーズが
続き、その活躍は全米の子供達に毎週届けられた訳ですから。現在も「カートゥ
ーン・ネットワーク」等を通じて我が国でも楽しむことができる同シリーズで
は、この「チップマンク・ソング」で初出のデヴィッド・セヴィルの叫び「アル
ヴィン!(怒)ア〜ルヴィ〜ン!!(怒)」を毎回のように聞くことができま
す。
そういえば現在我が国のヒットチャートに目をやると「ミニハムず」というグ
ループが登場していますが、彼女たち(?)はチップマンクスの何世代か後の子
孫といえるかも知れませんね。リスとネズミの違いはありますが。
続いて2位に入っているのはフォーク史上最大のヒット曲の一つ、キングスト
ン・トリオの「トム・ドゥーリー」。この当時から遡ること90年前に殺人罪で絞
首刑となったトム・デュラを題材としたこの曲は当時日本でもかなりのヒットを
記録したようですし、以前このコーナーでも紹介済みなので詳しいことは省略し
ます。ただ一点だけ訂正を。以前この曲を取り上げた時、キングストン・トリオ
命名の由来を当時の“カリプソ・ブーム”にあるのではないか?つまりジャマイ
カの首都キングストンからとったのではないか?ということを書いたのですが、
後で調べてみると、キングストンという町はアメリカ合衆国中にあるんですよ
ね。由来はともかく、当時のアメリカの音楽ファンは、そのグループ名に“異国
情緒”よりもより身近な響きを感じたのではないか?と最近ちょっと思いまし
た。「〜三人衆」みたいなもんですからね。ってのはますます話を判りにくくし
ますか。。
3位は50年代ティーン・ポップス永遠の古典、テディ・ベアーズの「会ったと
たんに一目ぼれ」。ロサンゼルスの10代の少年たちが録音した三連音符が鳴り響
くバラードは、刹那な“ティーンポップの魔法”というだけでなく、リーダーの
フィル・スペクター、プロデューサーとして活躍したマーシャル・リーブ、キャ
ロル・コナーズの名で長くソングライター活動を続けたボーカルのアネット・バ
ードといったメンバーたちに加え、この曲でドラムを担当し、後に「Teen
Beat」等でインストロック・シーンを席巻したスター・ドラマー、サンディ・ネ
ルソンや、更にピアニストとしてレコーディング参加予定だったものの、当時幼
すぎて(14歳!)両親に外出許可を貰えなかったというブルース・ジョンストン
(後にビーチ・ボーイズに加入)など、野心溢れる若き才能が犇めいていたカリ
フォルニアのロックシーン爆発前夜を象徴する名曲です。
4位はプラターズのお馴染み「煙が目にしみる」。55年に「Only You」でブレ
イクし、その後プロデューサー/ソングライターのボブ・バックラムのもとバラ
ードヒットを連発しましたが、あまりにも同路線が続いたため2年もすると彼ら
は低迷。そのマンネリを打破したのが意外にも“過去のヒット曲の焼き直し”
で、彼らはこの年1940年代にヒットした「Twilight Time」をリメイクしてナン
バー1ヒットとし、続いて1930年代の映画主題歌であるこの曲を1位に送り込みま
した。5位に入っているのも同じくボーカルグループのプレイメイツ。彼らはコ
ネティカット州立大学で結成され、そのボーカル・スキルよりも、コミカルなス
テージ・パフォーマンスを売り物にしたグループ。とはいってもノヴェルティば
かりでなく“まともな”レパートリーにもいい曲は多いのですが、ここに入って
いる「Beep Beep」はコミカルな部類に入る曲。この曲の面白さを文章で説明す
るのは非常に難しいのですが、街中でたまたま並走した2台の車が、段々ムキに
なって速度を上げていく様子を、実際に曲の速度を上げながら語っていくという
もの。まぁ機会があったら聴いてみて下さい。
6位と7位にはエルヴィスが登場。この年の3月に彼は兵役に就き、2年間ポップ
シーンを離れます。ただ、まだこの時期は録りだめしていたレコーディングをリ
リースすれば簡単にチャートの上位に入る時期で、6位の「アイ・ガット・ア・
スタング」は彼の兵役の休暇(6月)を利用して録られた彼にとって50年代最後
のレコーディング、7位ニューオリンズR&Bのカバー「ワン・ナイト」は一年以上
前、1957年の2月に録音されたものと、バラバラ。でもまったく問題なく共にヒ
ットを記録。なおこの年の彼は8月に最愛の母グラディスを亡くし、後に妻とな
るプリシラ(当時14歳)と出逢うのは翌59年ということで、生まれて初めて「ひ
とりぼっちのクリスマス」を駐留先のドイツで過ごすことになったのでした。
残る8位、9位、あと10位も入れていいかな、は当時のR&Rアイドルが登場。8位
はナッシュビルから登場、兄弟デュオのエヴァリー・ブラザーズ。非常にシャー
プな音楽性とソングライティングのセンスで、1960前半まで何十曲という名曲を
生み出し続けたグループでした。この「プロブレムス」は彼らと名チームを組ん
でいたブライアント夫妻の作品で、「Probles」「Worries」といったキーワード
の連呼によって10代の不安定な心情をうまく表現した一曲。続いて9位はTVから
飛び出た“ティーンエイジ・アイドル”「陽気なネルソン」のリッキー。「淋し
い町」は当時日本でもなかなかのヒットになったようです。
最後10位は、この頃はヒルビリー・キャットだったコンウェイ・トゥイッティ
の出世作「思わせぶり」。この「女にダマされたー!」という曲をエルヴィス・
スタイルでカッコよくキメた彼はその後スタンダードナンバーをエルヴィス・ス
タイルで演奏するというなんとなく“不謹慎な”路線で暫く活躍しましたが、60
年代半ばにカントリーの世界へ転向。以降93年に大動脈瘤疾患により亡くなるま
でカントリーチャートにナンバー1ヒットを送り込み続けることになります。
(2002.12.17)
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