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■ Cash Box Top 100 Singles: Week ending June 20, 1959
1 The Battle Of New Orleans - Johnny Horton (Columbia) 2 Personality - Lloyd Price (ABC-Paramount) 3 Dream Lover - Bobby Darin (Atco) 4 Kansas City - Wilbert Harrison (Fury) 5 Quiet Village - Martin Denny (Liberty) 6 A Teenager In Love - Dion & Belmonts (Laurie) 7 Lonely Boy - Paul Anka (ABC-Paramount) 8 Tallahassee Lassie - Freddy Cannon (Swan) 9 Frankie - Connie Francis (M-G-M) 10 Only You - Franck Pourcel (Capitol)昭和34年6月第3週のキャッシュ・ボックスチャート第1位は、ジョニー・ホ ートンの「ニュー・オルリーンズの斗い」でした。 前回1958年はエルヴィスの入隊もあってR&R旋風が一段落し、比較的穏やか な曲と、奇妙なノヴェルティ曲が混在するいかにも過渡期といった感じのチャ ートでした。続く今回の59年は、ヒットチャートの王座は依然空位ながら、 様々な新しい才能がシーンのトップを窺っているという“黄金の60年代”前夜 というムード漂う顔触れになっています。 まず1位のジョニー・ホートン「ニューオルリーンズの斗い」はアメリカ合 衆国が形成される19世紀初頭に作られたメロディに、この時代になって歌詞が つけられて大ヒットしたもの。アメリカのヒットチャートはたまにこれがある から恐ろしい。日本でいえば明治の「抜刀隊の歌」がリバイバルするようなも のですからね。この曲を歌ったジョニー・ホートンは、以前も書いたことがあ ったかもしれませんが1960年に交通事故死してしまったためその活動期は約5 年と短かったものの、後にカントリーのスタンダードとなる曲を多く生んだ人 でした(日本では「アラスカ魂」が有名)。1986年には彼の「Honky Tonk Man (1956年カントリー9位)」をドゥワイト・ヨーカムが蘇らせ、トラディショ ナル・カントリーの復活を高らかに歌い上げました。
3位はボビー・ダーリンの「ドリーム・ラヴァー」。イタリア系シンガーソ
ングライターの彼は前年「Splish Splash(2位)」でブレイク、この曲の大ヒ
ットで人気を確実なものとしましたが、更にその地位を決定的にしたのがこれ
に続く「Mack The Knife(匕首マック/1位)」。R&Rとスタンダード的なポッ
プスを歌いわける彼のスタンスは当時の多くのアーティストのお手本になりま
したし、また彼の当時のマネージャー、ドン・カーシュナーは音楽出版会社
「アルドン・ミュージック」を設立、そこから多くの国宝的ポップスが生まれ
ました。それもダーリンの成功がなかったら実現しなかったかも知れない訳で
すから、いろんな意味で彼は重要な存在です。
4位は「パーソナリティ」同様この時代を代表するR&Bの大ヒット、ウィルバ
ート・ハリソンの「カンサス・シティ」。名ソングライターコンビ、ジェリ
ー・リーバーとマイク・ストーラーの2人のペンによるこの曲は、ビートルズ
のカバーによってご存じの方も多いかも知れません。そして5位は“エキゾチ
ック・サウンド”マーティン・デニーのインストヒット「静かな村」。不思議
なリズム、ピアノとビブラフォンが織り成すメロディ(しかも音の録り方が独
特)、時折聴こえる動物の鳴き声・・。なんでこんなサウンドがこれほどの人
気を博したのか今となっては不思議ですが、発売元のキャピトル・レコードか
らはこの手のイージーリスニングを集めたコンピレーションが90年代に入って
10数枚も出ましたから、当時は非常に一般的なものだったのでしょう。
余談ですがデニーのサウンドに魅せられた変わり者の日本人に細野晴臣という人が
いて、彼はイエロー・マジック・オーケストラで「静かな村」と同じアルバムに収録されていたナンバー「Firecracker」を
カバー。この録音がジェニファー・ロペスの作品にサンプルされて、21世紀に
入ってナンバー1を記録するばかりでなく、同じくこの曲をネタに温めていた
マライア・キャリーがそれを知り「成功を横取りされた!」と神経衰弱に陥る
というなんとも後味の悪い事態まで引き起こしたのは記憶に新しいところで
す。
6、7、8位はR&Rのアイドルたち。ディオンはベルモンツを率いてドゥ・ワッ
プ風味のヒット曲を多数生み出したシンガーで、この「恋する十代」はこの時
期の代表曲。彼は翌年グループから独立し、更に多くのヒット曲を放っていく
こととなります。7位のポール・アンカは現在TVドラマ「ゴールデン・ボー
ル」主題歌に「君は我が運命」が使用されていることから、新しいコンピレー
ションがレコード屋店頭でズラっと並べられていますね(売れてるんですか
ね?)。「ロンリー・ボーイ」は「ダイアナ」に続く彼にとって2曲目のナン
バー1ヒットです。8位フレディ“ブーンブーン”キャノンはマサチューセッツ
出身の熱血シンガー。新作だろうがスタンダードだろうが、血圧の高そうな独
特のがなり声で歌い上げてしまう人で、ワンパターンながら60年代を通じて20
曲以上のヒットを生みました。そういえばディオンもポール・アンカも70年代
以降も活躍しましたし、フレディ・キャノンも80年代にヒットチャートに復活
したりして(芸風がまったく変わっていなくて笑いました)意外にもこの時期
エルヴィス・フォロワーとして登場したアーティストたちは、結構長生きして
いるんですよね。それだけシーンが充実していたということなのでしょう。
9位には“オールディーズの女王”コニー・フランシスが。R&R時代以降の女
性シンガーとしては最も多くのヒット曲を持つ一人である彼女は、この前年に
「Who's Sorry Now(58年3位)」でブレイク、出す曲出す曲大ヒットの時期が
始まりました。この曲はシンガーとしても「The Diary(恋の日記/58年22
位)」で成功の糸口を掴みつつあったニール・セダカの作品ですが、一般には
これとカップリングの「Lipstick On Your Collar(カラーに口紅/3位)」の
方が印象深いはず。最後10位はフランスのフランク・プルーセルによるイージ
ーリスニング版「オンリー・ユー」。これは予想通りの仕上がり。
(2002.6.18)
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