TOP10 HITS OF LAST CENTURY
Presented by meantime

■ Record Mirror Singles Chart October 14, 1961

01 Walkin' Back To Happiness - Helen Shapiro (Columbia)
02 Wild Wind - John Leyton (Top Rank)
03 Michael Row The Boat - The Highwaymen (HMV)
04 Jealousy - Billy Fury (Decca)
05 You'll Answer To Me - Cleo Laine (Fontana)
06 Wild In The Country/I Feel So Bad - Elvis Presley (RCA)
07 Kon-Tiki - The Shadows (Columbia)
08 Sucu Sucu - Laurie Johnson (Pye)
09 Johnny Remember Me - John Leyton (Top Rank)
10 Together - Connie Francis (MGM)

 昭和36年10月第2週、UKチャートのナンバー1はヘレン・シャピロの「夢みる 恋」でした。

 ロンドン出身の天才少女、ヘレン・シャピロのレコード・デビューは彼女が14 歳の時のこと。ファースト・シングル「Don't Treat Me Like A Child(『子供 じゃないの』英3位)」でその年齢からは考えられないダイナミックな歌を披露 して一大センセーションを巻き起し、続くバラード「You Don't Know(『悲しき かた想い』英1位)」で当時の最年少ナンバー1記録を樹立。瞬く間にUKシーンの トップ・アーティストに上り詰めました。「悲しきかた想い」同様ジョン・シュ ローダーとマイク・ホウカーが手掛けた「夢見る恋」は再び彼女のダイナミック な歌声を活かしたアップ・テンポなナンバーで、彼女にとって最大のヒットとな りました。

 日本に彼女が紹介されたのはちょうどこのチャートの頃、「子供じゃないの」 と「悲しきかた想い」という贅沢なカップリングのシングルによってで、両面と もヒットを記録。日本語によるカバーも売れて、この2曲はオールディーズのス タンダードとなります。その類い稀な歌声を武器にヒットを飛ばした彼女は音楽 各誌の人気投票でナンバー1女性歌手に選ばれ、デビュー間もないビートルズを 前座に従えて全英ツアーを行うなどその絶頂期を謳歌しました。が、残念ながら ヒットチャートにおける彼女の活躍は約2年間で終わり、主役をかつての前座た ちに譲ることになります。以降彼女が音楽シーンの最前線に返り咲くことはあり ませんが、流石実力に裏打ちされた歌手は息が長く、多数のレコードをリリース し、現在も精力的にツアーを廻っているそうです。

 続く2位、そして9位にも曲を送り込んでいるのは“霧男(?)”ジョン・レイ トン。TV俳優としてキャリアをスタートした彼はそのルックスの良さをかわれて 歌手としても契約。マネージャーを後にRSOレコードを設立するロバート・ステ ィグウッドが、プロデューサーを“イギリスのフィル・スペクター”の異名を持 つジョー・ミークが担当するという幸運に恵まれ、この週9位の「霧の中のジョ ニー」がナンバー1ヒット。元々本職ではないので歌手としてはそれほど魅力の あるアーティストではありませんでしたが、ミークによる独特なサウンドと甲高 いコーラスが完全に主役となったこのシングルは1960年代UKポップスのマスター ピースとなりました。続いてリリースされ再び大ヒットとなった「ウイルド・ウ ィンド」は、「〜ジョニー」の哀愁溢れる曲調とはちょっと違って、フランキ ー・レインのレパートリーにありそうなウェスタン調の曲。でもミ−クによる “シベリア・サウンド”はここでも健在、存分に楽しめます。以降彼のヒットチ ャートにおける成績は徐々に下降線を辿っていくこととなりますが、俳優として のキャリアは好調を持続。中でも一番知られているのが映画「大脱走」への出演 で、当時日本では彼が歌う「大脱走マーチ」がシングル発売されたこともあるよ うです。

 3位にはアメリカのフォーク・グループ、ハイウェイメンの「こげよマイケル (米1位)」。コネチカット州の大学生5人によって結成されたこのグループは、 世界中の民謡をその国の言葉(フランス語、スペイン語、ヘブライ語など)で歌 い、地元で人気を博していましたが、ユナイテッド・アーティストと契約しリリ ースした、19世紀に黒人奴隷たちによって歌われた民謡のスマートなリメイクで 一躍全米の注目を浴びることになりました。しかし当時まだ学生で、学業を優先 することに決めた彼らはあまり積極的にレコーディング活動を行わず、しばらく すると彼らの名前はヒットチャートから姿を消しました。数年後何人かのメンバ ーによってハイウェイメンは再結成、ヒットを狙いましたがそれは叶わず。メン バーは全員サラリーマンになったようです。

 4位に入っているのは1960年代イギリスを代表するR&Rスターの一人ビリー・フ ューリー。タイプ的にティーン・ポップ風のアーティストが大半を占めていた当 時の音楽シーンで、彼はジーン・ヴィンセント的ワイルドなイメージで売り出 し、成功を収めました。とはいえ(このパターンが多いのですが)初期の彼はシ ンガーとしては随分心もとなく、ジーン・ヴィンセントというよりは当時アメリ カで人気のあった“中身のからっぽな”アイドルの代名詞的存在、フェビアンに 近い感じだったように思いますが。この曲はそんな彼が大人のシンガーとしての 道を模索し始めた時期に発表したもので、オリジナルは1930年代、1951年にはフ ランキー・レインがヒットを記録(米3位)しているナンバー。タンゴ調のビッ グバンド・サウンドに、男らしさを増した彼の歌声がマッチしてなかなかの聞き 物です。

 この後彼はシンガーとして益々セクシーさを増し、62〜63年に放ったヒット曲 の数々などは彼独自の世界を築いていて結構私は好きです。結局ヒットチャート 上では1966年まで活躍を続けた(その後80年代に一時的にカムバック)彼は、60 年代に限っていえばリバプール出身の後輩であるビートルズを上回るだけの数の ヒット曲を残しました。

 続いて5位は少々変わり種、ジャズ・シンガーとして知られるクレオ・レイ ン。ジャマイカ人の父とイギリス人の母の間に生まれ、1950年代に後に夫となる ジョニー・ダンクワースのビッグバンドのシンガーとして活動を始めた彼女が本 格的なブレイクを果たすのは1973年にカーネギー・ホール公演を成功させて以降 のことで、80年代に入って初のグラミー賞を獲得するという非常に息の長い活躍 を続けましたがその遥か昔、彼女がこの時期に残した英米通じて唯一のTOP10ヒ ットが「You'll Answer To Me」。タイプ的にはダイナ・ワシントンとか、サ ラ・ヴォーンといったシンガーが当時ヒットチャートに送り込んだバラードに近 いものを感じます。

 そして6位にはエルヴィスが登場。「嵐の季節(米26位)」は彼主演の同名映 画主題歌。これはエルヴィスが様々なトラブルを起しながら更正を目指していく 元殺人犯(過失致死か・・)を演じるというエルヴィス映画にしては異色作。カ ップリングの「アイ・フィール・ソー・バッド(米5位)」はR&Bシンガー、チャ ック・ウィリス1954年のヒット(R&B8位)のカバー。この年の前半に全米ナンバ ー1を記録した「サレンダー」を思わせるサウンドと曲調、といえますかね?

 7位と8位はインスト・ヒット。7位はお馴染みシャドウズの「コン・チキ」。 この曲のオリジナルは1959年に「The Enchanted Sea(米15位)」のヒットを放 ったインスト・デュオ、アイランダーズが60年に発表した盤のようですが、ヒッ トの規模を考えれば全英1位を記録したシャドウズの曲である、と言い切ってし まってもいいでしょう。作曲はフランク・シナトラの「South Of The Border (53年米18位)」などを書いたマイケル・カー。

 8位はローリー・ジョンソンの 「スク・スク」。イギリスのバンドリーダー/コンポーザーで、数年前に映画と してリメイクされたTVシリーズ「アヴェンジャーズ」のテーマ曲(オリジナル) を手がけていたのが彼。この「スク・スク」もやはりTVシリーズ「トップ・シー クレット」のテーマで、軽快なラテン・リズムがウケてイギリスでは一大競作合 戦となりました。まず日本でも発売され、ヒットパレードに顔を出したものとし てはデンマークのデュオ、ニーナとフレデリック盤(英23位)とベルギーのこれ またデュオ、ピン・ピンとアル・ヴァーレイン盤(41位)。そして当時日本で大 量のダンス・レコードが発売されていたジョ−・ロス楽団(48位)、更に超ベテ ラン、テッド・ヒ−ス楽団(36位)といった塩梅。本国ではオリジナルのジョン ソン楽団が何馬身か差をつけた好成績を収めました。

 最後10位はコニー・フランシスの「トゥゲザー(米6位)」これは非常に古い 曲で、1928年にポール・ホワイトマン楽団がナンバー1ヒットを記録したばかり でなく、1944年にもヘレン・フォレストなどによってリバイバル。この時は2度 目のリバイバル・ヒットということになります。“オールディーズの女王”の異 名をとるフランシスですが、本当のところはここら辺の音楽性がもっともしっく りきたのかも知れません。


(2003.10.14)

Flashback Home 


copyright (c) 2000-2003 by meantime, all rights reserved.