TOP10 HITS OF LAST CENTURY
Presented by meantime

■ 洋楽ラジオ・チャート1963年間(その2)

11.ワン・ボーイ/ジョニー・ソマーズ
12.アイ・ウィル・フォロー・ヒム/リトル・ペギー・マーチ
13.北京の55日/ブラザーズ・フォア
14.さすらいのマーチ/ニニ・ロッソ
15.太陽はひとりぼっち/コレット・テンピア楽団
16.悲しきカンガルー/パット・ブーン
17.サンライト・ツイスト/ジャンニ・モランディー
18.ヤング・ワン/クリフ・リチャード
19.サマー・ホリデイ/クリフ・リチャード
20.ミスター・ベースマン/ジョニー・シンバル

11位 One Boy - Joanie Sommers('60米54位)
 1963年のヒット映画リストにはエルヴィスの入隊騒動をヒントに作られたミュージカル・コメディ「バイ・バイ・バーディ」があり、これはその中で紹介されたナンバー。ジョニー・ソマーズのバージョンは60年録音で、これは同作のブロードウェイ・ミュージカル版からいち早く取り上げたものだったが、日本では映画公開に合わせてリリースされこの年に大ヒットを記録している。映画のサントラからは他にジェシー・ピアソンがユーモラスに歌う「ワン・ラスト・キッス(この年の洋楽年間チャート74位)」と、スクリーン上でキュートな魅力を振りまいたアン・マーグレットによる主題歌(64年同78位)がヒットを記録。「ワン・ボーイ」はマーグレットや当時の人気アイドル歌手ボビー・ライデルらによるメドレーとして披露されている。
12位 I Will Follow Him - Little Peggy March('63米1位)
 フランス産のポピュラー・ソング「I Will Follow Him」、原題「Chariot」を本国でヒットさせたのはアメリカでブレイクする前のペトゥラ・クラーク、作曲は当時まだ国外では名を知られていなかったデル・ローマことポール・モーリアであった。英語詞がつけられヒューゴ&ルイジの制作の下ニューヨークで録音されたこの曲で抜擢されたのが当時まだ13歳のペギー・マーチで、彼女の身長が145センチしかなかったことから“リトル”の愛称がレコード・レーベルに刷り込まれた。当時の最年少全米ナンバー1記録を更新したこの曲は日本でも大ヒットしたが、彼女の我が国における活躍はこれが序の口。コニー・フランシスに匹敵する数の日本語録音を残し「忘れないわ(69年)」のオリジナルヒットを生んだ輝かしい経歴のスタート地点である。
13位 55 Days At Peking - The Brothers Four
 1900年の北京を舞台に、外国勢力の排斥を目論み外人居留地に攻め込んだ民衆が大使館街を55日間に亘って包囲し、当初わずか500人の兵力で外国人部隊がこれに抵抗したいわゆる「義和団事変」を題材とした大作映画(主演はチャールストン・ヘストンとエヴァ・ガードナー)より。日本からは何故か若き日の伊丹十三がキャストに参加しているこの映画は、「理由なき反抗(55年)」などで知られるニコラス・レイの監督で壮大な歴史ドラマに仕上げられている。ディミトリ・ティオムキンが手がけ、ブラザーズ・フォアが歌を担当という「遥かなるアラモ」と同じ組み合わせで録音されたこの曲はアメリカでもシングル発売されたが、どのチャートにも登場することなく“日本のみヒット”となっている。彼らの日本における代表曲の一つ。
14位 Concerto Disperato - Nini Rosso
 50年代後半のベルト・ケンプフェルト以降洋楽ラジオ界で人気を誇っていた“トランペット・ムード”シーンに登場し人気者となったのがイタリアのトランペット奏者ニニ・ロッソ。彼が日本で紹介されたのはこの前年の「夕焼けのトランペット(洋楽年間チャート47位)」が最初で、それに続くこちらはイタリア映画「前進か死か」のテーマ曲。後年はインスト・アーティストのイメージが強い彼だが当初はトランペットと同等、或いはそれ以上に彼の拙いボーカルがどの作品にもフィーチャーされており、このヘタクソながらもなんとなく憎めない感じが曲の魅力となっている。その後30年以上に亘って来日を繰り返し、我が国で根強い人気を保ったニニ・ロッソの世界的な大ヒットは、これからあと数年後に生まれることとなる。
15位 L'eclisse - Colletto Tempia and His Orchestra
 前年に続いての年間チャートランクイン。“コレット・テンピア”の正体である寺岡真三がアレンジを手がけた作品は当時無数にあり、ポップスものでいえば清原タケシが歌ったニール・セダカの「可愛いあの娘(Next Door To An Angel)」や世紀の迷作、東京ビートルズの「抱きしめたい(64年)」もそうだし、ドメスティックなものでは鶴田浩二の軍歌ものから後年のGS歌謡、ザ・ジャイアンツの「ケメ子の唄(68年)」まで枚挙に暇がない。“和製洋楽”の流行は当時はあまり表ざたにはされなかったがその後も脈々と続き、エミー・ジャクソンに端を発する和製ポップス〜GSの流れや70年代の角川映画サントラなど、確実に後の“J-POP”の潮流の一要素としてその時代その時代の音楽ファンにとって忘れ難いものとなっていく。
16位 Tie Me Kangaroo Down Sport - Pat Boone
 オーストラリア人には不本意かも知れないが、世界中でもっともよく知られているオーストラリア産のポップスがこの「悲しきカンガルー」。オリジナルは当地出身の歌手/俳優/作家のロルフ・ハリスで、彼のバージョンは英米で大ヒットを記録('60英9位/'63米3位)」。“ウォブル・ボード”と呼ばれるメイソナイト(合成樹脂)製のボードを曲げてピョコピョコいわせるユニークな音色がアメリカで注目された時期に日本でもリリースされた形になっているが、ヒットしたのはこの時期本国でヒットが出せなくてどーしよーもない状態になっていたパット・ブーンによるカバーの方。ハリスはその後も一発屋では終わらず、93年にはなんとあの「天国の階段」の“ウォブル・ボード・バージョン”をイギリスでヒットさせている(最高7位)。
17位 Go-Kart Twist - Gianni Morandi
 イタリア産の青春映画「太陽の下の18才(この映画のヒットでカトリーヌ・スパークが広く知られるようになった)」から。シングルにカップリングされていた主題歌(原題は「Twist No.9」)はタイトルに反しかなりクールでジャジーな曲調(ラウンジ・テイストたっぷりな佳曲)だったが、こちらはチープなサウンドが狂躁的に展開される正調“ツイスト・イタリアーノ”。猛スピードで流れるマイナー・メロディが強烈に脳裏に焼き付く。この曲を聴くと対のように思い出されるのがアドリアーノ・チェンターノ1961年のヒット「2万4千回のキッス」だが、こちらは♪一秒間のキッスを一日続ければ24,000回のキッス・・という、一瞬納得してしまいそうないい加減な内容(一日は86,400秒である)の日本語詞が印象的であった。
18位 Young Ones - Cliff Richard('62英1位)
 “UKポップ界の貴公子”が我が国の洋楽チャートに登場。1958年に“イギリス版エルヴィス”としてブレイクを果たした彼はその後独自の作風を確立、以降40年以上に亘ってUKチャートに君臨するモンスター・アーティストである。60年代には多くの主演映画が制作されており、これはその3作目「若さでぶつかれ!」のタイトル曲(アメリカで公開された際は「Wonderful To Be Young」と改題された)。エルヴィス映画にも多くの作品を提供したシド・テッパーとロイ・C・ベネットによるポップな作品で、日本ではこの前年に一度「僕は若いんだ」のタイトルでリリースされていたが、レコード会社が変わり、映画が公開されたこの年にようやくヒットを記録した。意外にもこの曲はイギリスでクリフが唯一記録したミリオン・セラーでもある。
19位 Summer Holiday - Cliff Richard('63英1位)
 後年「ヤング・ゼネレーション(79年)」「目撃者(81年)」などで成功を収めるピーター・イェーツの初監督作品であるクリフ・リチャード4作目の主演映画「太陽と遊ぼう!」テーマ曲。曲を作ったのはクリフと、彼の長年の音楽パートナーであり、自身もUKチャート史上トップクラスの成功を収めているインスト・バンド、シャドウズのメンバーであるブルース・ウェルチで、映画にも彼らは「シャドウズ」として登場している。ハッピーで朗らかなサウンドにのって夏休みの到来が歌われるこの曲のワクワク感は日本人にも共感できるところが多いが、歌詞の「誰にでも夏休みはやってくる“1週間か2週間は”」という部分には、文化や生活習慣の違いを痛感させられる。一昨年久々に実現した来日公演でも、ハイライトの一つとなった人気曲である。
20位 Mr. Bass Man - Johnny Cymbal('63米16位/英24位)
 1950年代半ばに隆盛を誇った「ドゥ・ワップ」が60年代初頭に再び注目を集め、ポップ・チャートに次々と登場する「ドゥ・ワップ・リバイバル」と呼ばれる現象が起ったが、これもその中の一つと呼べるかも知れない。クリーヴランドを拠点に音楽活動を開始したティーン・シンガー、ジョニー・シンバルの自作自演曲である「ミスター・ベースマン」は、ドゥ・ワップには欠かせないベース・シンガーに少年がつきまとい歌い方の教えを乞うという楽しい内容で、曲の実質的な主役である「ベースマン」をニューヨークのボーカル・グループ、ヴァレンタインズに在籍していたロニー・ブライトが演じている。シンバルはこの翌年に同系統の「Mashmallow(僕のマシュマロちゃん)」を発表、こちらは日本でのみ好評を博した('64洋楽年間チャート22位)。


(2005.10.18)

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