TOP10 HITS OF LAST CENTURY
Presented by meantime

■ Billboard HOT100 July 27, 1963

01 (01) Surf City / Jan & Dean (Liberty)
02 (03) So Much In Love / The Tymes (Parkway)
03 (06) Fingertips ‐ Pt 2 / Little Stevie Wonder (Tamla)
04 (02) Easier Said Than Done / The Essex (Roulette)
05 (07) Wipeout / The Surfaris (Dot)
06 (04) Tie Me Kangaroo Down, Sport / Rolf Harris (Epic)
07 (09) (You're the) Devil In Disguise / Elvis Presley (RCA)
08 (14) Blowin' In The Wind / Peter, Paul & Mary (Warner)
09 (05) Memphis / Lonnie Mack (Fraternity)
10 (15) Just One Look / Doris Troy (Atlantic)

 ビートルズ全米上陸前夜、1963年のこの週の1位はポップ・デュオ、ジャン&ディーンの「サーフ・シティ」。1950年代後半からヒット曲を発表し続け、音楽的才能があり、サーフィンをこなし、2人ともハンサムという“アメリカの若大将”みたいな彼らでしたが、「サーフ・シティ」では同じくカリフォルニア出身のビーチ・ボーイズのリーダーであるブライアン・ウィルソン(この頃はまだジャン&ディーンの弟分的存在)が曲を提供、後に確立される“ジャン&ディーン=サーフィン”のイメージはここから始まりました。なお彼らは翌年のブリティッシュ勢上陸後も生き残り、1966年に起こった自動車事故でジャン・ベリーが半身不随となるまでトップアーティストの座を守り続けます。

 続いて2位はフィラデルフィア出身のR&Bボーカルグループ、タイムスの「なぎさの誓い」。この曲は80年代以降もティモシーB.シュミットやアート・ガーファンクルがカバーしたり、ビリー・ジョエルの「The Longest Time」の元ネタになったりと、若い世代の洋楽ファンにもお馴染み。この曲の印象があまりにも強すぎて彼らの他の作品が語られることは殆どありませんが、実はこの後10年以上に亘ってヒットを放っており、60年代後半から70年代にかけての「People」「You Little Trust Maker」「Ms Grace」といった軽快なダンスナンバーも非常にいい雰囲気です。

 3位は当時12歳“リトル”スティービー・ワンダーの「フィンガーティップス(第2番)」。彼のインストアルバム「The Jazz Soul of Little Stevie Wonder(見落とされがちですが、なかなかいい内容です)」に収録されていた「Fingertips」をライブで披露する際、ショーのエンディングとして観客とのコール&レスポンスを追加されたバージョン(殆ど意味のない歌詞付き)がシングルとして発売され、この後ナンバー1にまでなってしまいました。このときの演奏は殆ど偶然の産物だったようで、一旦舞台の袖に引っ込んだ彼が再びセンターに飛び出し、急遽次に登場する予定だったマーヴェレッツのバックバンドが演奏をつける(バンドのベーシストの「(曲の)キーは何?キーは何?」という慌てふためいた声が聴かれます)という緊迫感が、今聴いても伝わってきます。

 4位はエセックスの「云うは行うより易し」ならぬ「内気な17才」。軍隊の仲間によって結成されたという変わり種ガール・グループ(女の子はリードシンガーだけですが)です。どういう訳か私はこの曲とバーバラ・ジョージの「I Know (You Don't Love No More)(62年3位)」という曲をセットで考えてしまうクセがあるのですが、ボーカルの素っ頓狂な感じが共通した雰囲気を醸し出しているせいなのかもしれません。そして5位はサーフ・クラシック、サファリズの「Wipe Out」。現在では「電撃ネットワークのテーマ」として知られるこの曲は、80年代にはファット・ボーイズとビーチ・ボーイズの共演によりリバイバルもしています。余談ですが、このシングルにカップリングされたボーカル曲「Surfer Joe」もマイナーヒットしており、こちらも機会があったら聴いてみていただきたいところ。

 6位はロルフ・ハリスの「悲しきカンガルー」、日本ではパット・ブーンのカバー版がヒットしました。7位はエルヴィスの「悲しき悪魔」、この頃は曲のタイトルにやたらと“悲しき”がつけられた時代でした。エルヴィスはこの次のシングル「ボサ・ノヴァ・ベイビー(8位)」以降、ゴスペルアルバムからカットされた65年の「泪のチャペル」を例外とすれば、69年に「イン・ザ・ゲットー」で復活を果たすまでTOP10チャートから遠ざかることになります。時代は確実に変わり始めていました・・。

 で、その時代の変わり目の象徴的な曲の一つが8位の「風に吹かれて」。PP&Mの洗練されたハーモニーによって、若きシンガーソングライター、ボブ・ディランの作品が世界中に紹介されることとなりました。ディラン本人が荒々しい「Subterranean Homesick Blues」でHOT100に初登場するまでには更に一年以上の年月がかかったわけですから、彼らが果たした役割は大きかったといえるでしょう。

 そして9位はロニー・マックによるチャック・ベリー「Memphis Tennessee」のインストカバー。のんびりしたテンポだったオリジナルを強烈なブギ・ビートで甦らせたこのバージョンは、翌年のジョニー・リヴァース版(64年3位)に受け継がれ、チャック・ベリー本人も60年代後半にマーキュリー・レコードで再演した際には、こちらのバージョンを参考にした録音を残しています。最後10位は教会からポップスの世界へ、ドリス・トロイの「ジャスト・ワン・ルック」。彼女はこの曲以外ヒットチャートにインパクトを残す作品を生むことは出来ませんでしたが、彼女の人生は後年ミュージカル「Mama, I Want To Sing」で再現され、彼女自身も加わったキャストによる日本公演も実現しました(あれだけ日本で繰り返し上演されたミュージカルも珍しいのではないでしょうか)。現在はラスベガスでゴスペルを中心としたショーに出演している模様。


(2000.7.26)

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