1位 Goldfinger - Sharley Bassey('65米8位/英21位)
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2年連続で「007」映画主題歌が年間ナンバー1!この曲はシリーズ第3作目「ゴールドフィンガー」のテーマで、アメリカの金塊市場を独占しようと企むゴールドフィンガーに、007が新兵器を駆使して挑む・・という、その後のシリーズの基本形を確立したこの作品に重厚なムード感を与えている。それまでアメリカのチャートにあまり縁のなかったイギリス人アーティストを、これをきっかけに全米で売り出す・・という役割を暫く担った同シリーズ、この年に抜擢されたシャーリー・バッシーはイギリスを代表するエンターテインメント性の強い女性シンガー。その全盛期は50年代後半〜60年代半ばの約10年間だが、その後も時折全英チャートに登場、50〜90年代の何れでもヒットを記録するという息の長い活躍を続けている。
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2位 Slaughter On 10th Avenue - The Ventures('64米35位)
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前年洋楽界に巻き起こった「サーフィン・ブーム」にのって、アストロノウツとともに来日公演を行い“エレキの伝道師”の役割を果たしたのがベンチャーズ。実はこの年が初来日ではなく、62年にボビー・ヴィーとリバティ・レコード日本発売開始のプロモーションのため訪日したのが最初だそうだが(その時はボブとドンの二人組であった)、ブレイクを果たしたのは1月にまず14公演、その好評を受けて7〜9月には全国28都市、実に58公演を敢行したこの年であった。「10番街の殺人」は1930年代に生まれたミュージカル・ナンバーだが、これをダイナミックなギター・サウンドで料理。曲の中で何度も変拍子、転調を繰り返すアレンジは、彼らの数多いレコーディングの中でも最高傑作との声も高い名演になっている。
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2位 Caravan - The Ventures
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彼らのステージで、長きに亘って一番の見せどころとなっているナンバー。ノーキーの早弾き(このシングルはセカンド・バージョンで、60年発表のファースト・アルバムに収録されている方はボブがリードを弾いている)もそうだが、メル・テイラーの延々と続くドラム・ソロが特に印象的で、ステージ上でドラム・セットから立ち上がってベース・ギターまでを叩きまくるアクションは、現在もメルの息子リオンが受け継ぎ変わることなく披露され続けている。曲の方はデューク・エリントンが作曲したジャズのスタンダードで、数えきれないほどのカバー・バージョンが生まれているが、彼らは1953年にバンドリーダー、ラルフ・マーテリーが発表したバージョン(米6位)からギターのフレーズを大いに引用しているようである。
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4位 La Playa - Claude Ciari
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この年日本で公開されたギリシャ映画「夜霧のしのび逢い」は、娼婦たちの生活を描いた重いテーマの作品だったが、日本で急遽つけ加えられたテーマ曲が評判となりヒットを記録した。この曲を弾いていたクロード・チアリは60年代前半にフランスのインスト・バンド「レ・シャンピオンズ」の成功で人気者となったギタリストで、64年にグループから独立。この曲のヒットがきっかけで実現した初来日公演(66年)以降度々日本を訪れるようになり、やがて永住。“ヘンな外人”タレントのハシリ的存在として関西を中心に多くのTV番組に出演し、85年には「智有蔵上人」の名で帰化まで果たすなど、大変な親日家となった。現在も音楽活動は勿論、タレント業、公演、そしてインターネット上で一時物議を醸すなど、精力的に活躍している。
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5位 La Plus Belle Pour Aller Danser - Sylvie Vartan
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フランスで大人気のシルヴィ・バルタンをはじめ、かの国の“アイドル・スター”が大挙出演したアクション・コメディが「アイドルを探せ」。1944年生まれのバルタンはフランス語でR&Rを歌う「イエ・イエ」のブームにのって63年に本国でブレイク、その年に早速制作されたのがこの映画で、時をおいてこの年公開された日本でも彼女は絶大な人気を博した。名シンガーソングライター、シャルル・アズナブールが詞を提供したこの曲に「アイドル〜」とタイトルがつけられたのは、映画の原題「Cherchez L'idol」によるものだが、この“アイドル”というキーワードが、我が国で40年以上に亘って意味を持ち続けるものになるとは、当時のレコード会社担当(もしくは映画会社担当)は思いもしなかっただろう。
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6位 Diamond Head - The Ventures('65米70位)
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ベンチャーズ・ファンの間で人気の高いアルバム「Knock Me Out」収録曲。この曲を提供したのはスタジオ・インスト・グループ「Tボーンズ」のメンバーだったダニー・ハミルトンで、彼は後にハミルトン、ジョー・フランク&レイノルズを結成し1970年に「恋のかけひき」をこのチャートの年間ナンバー1にするので、作家・アーティストの両方で我が国の洋楽シーンに名を残したことになる。日本におけるこの曲の人気は大変なものだったようで、あまりの人気沸騰ぶりに本国アメリカのレコード会社がこの曲のシングル・カットを決断したほど。結局大した成績を残すことはなかったが、日本における人気が本国のレコード・リリースにも影響を与えるという、70年代に頻発するケースのハシリといえる出来事であった。
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7位 Do The Clam - Elvis Presley('65米21位/英19位)
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ビクター・レコードがこの年に仕掛けた“ニュー・リズム”の余波は、エルヴィスにも及ぶこととなった。映画「フロリダ万才(今回のお相手役はシェリー・フェブレイ)」サントラに収録されていたこの曲は、実際は「スイム」ではなくタイトル通り両手を合わせて蛤のようにパクパクやる(らしい)新しいダンス・ナンバーだったが、流石に「蛤でいこう!」というタイトルはつけられなかったようだ。曲そのものは単調なR&Rで、コンガのリズムがアクセントになっている程度。余談になるがエルヴィスは67年に「Clambake(焼き蛤)」という曲も残しているが、こちらもそのままタイトルにすることは出来ず、日本では「ブルー・マイアミ」という妙にムーディなオリジナル・タイトルがつけられている。
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7位 Help! - The Beatles('65米1位/英1位)
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人気絶頂ビートルズの主演映画第2弾「ヘルプ!」には“アイドル流行り”な世相を反映して「4人はアイドル」のサブ・タイトルがつけられていた。ドキュメンタリー・タッチの前作に対し、本作は世界各地でロケーションを敢行した一大エンターテインメント作品になっており、このテーマ曲も明るく威勢のいいサウンドに仕上げられていたが、詞のメッセージは意外にもヘビーなものだった。なおアナログ時代のサントラ盤に収録されていたこの曲(アルバム・バージョン)にはオーケストラによるジェイムズ・ボンド風のイントロがつけられており、彼らの茶目っ気や当時の「007」シリーズの人気の高さが窺い知れる内容となっていたが、どういう経緯か知らないがCD時代になったらまったく聴けなくなってしまったのは寂しい限り。
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9位 Poupee De Cire, Poupee De Son - France Gall
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シルヴィ・バルタンに続いて登場し“フレンチ・ポップ”シーンを牽引していく存在に成長した女性アイドルがフランス・ギャル。バルタン同様63年に本国の音楽シーンに登場した彼女はこの「夢みるシャンソン人形」がユーロヴィジョン・ソング・コンテストでグランプリを獲得、国際的な名声を得た。初期の彼女の主要ヒットの多くはセルジュ・ゲーンズブールが手がけており、それが単なる“ポップ”の枠をはみ出した魅力のもととなっているが、この曲の歌詞も「夢みる」という雰囲気ではなく、少女の孤独な心を人形に例えたような、深読みのできるものになっている。彼女はこの曲の日本語版も録音、フランス語に「人形」という発音はないらしく「ニンギオ」と歌っているところになんともいえない味を感じる。
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9位 Par Un Beau Matin, D'ete - Maurice Leclerc
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ジャン=ポール・ベルモンド主演映画「ある晴れた朝突然に」テーマ曲。この時期のべルモンドは八面六臂の活躍で、サントラがこの年の洋楽年間チャート上位に入っているアクション・コメディ「黄金の男」の他問題作「気狂いピエロ」など、一作毎にまったく違ったキャラクターでスクリーンに登場していた。「ある晴れた〜」はちょっとしたきっかけで富豪の娘の誘拐計画に加わったカップルが主人公で、次第に狂いはじめる計画が、やがて悲劇的な結末を呼ぶ・・というサスペンスもの。サントラを手がけたモーリス・ルクレール(作曲はミシェル・マーニュ)は60〜70年代にかけて幾つかのサントラ・レコードを残しているが、中でも抜群の知名度を誇るのがこの「ある晴れた朝突然に」。我が国における彼の代表曲である。
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