TOP10 HITS OF LAST CENTURY
Presented by meantime

■ 洋楽ラジオ・チャート1965年間(その2)

11.ダイナマイト/クリフ・リチャード
12.ロック・アンド・ロール・ミュージック/ビートルズ
13.黄金の男/サウンド・トラック
14.わたしを愛して/シルヴィ・バルタン
15.オン・ザ・ビーチ/クリフ・リチャード
16.ふるえて眠れ/パティ・ペイジ
16.イエスタデイ/ビートルズ
18.霧のカレリア/スプートニクス
19.太陽のスイム!/リズ・オルトラーニ楽団
20.アイ・フィール・ファイン/ビートルズ

11位 Dynamite - Cliff Richard('59英16位)
 クリフ・リチャードがイギリスの音楽シーンに登場したのは1958年のこと。ギターバンド「ドリフターズ」を従えてデビューを飾った彼はエルヴィスを模したセクシーなステージ・アクションが話題となり一躍スターとなったが、翌年以降は独自のポップ路線を確立しヒットチャートの常連に。「ドリフターズ」はアメリカの有名なR&Bグループと混同されることを避け「シャドウズ」と改名したが、その新名義でリリースされた最初のシングルが「Travellin' Light('59英1位)」とこの「ダイナマイト」のカップリング。彼にとって初の全英ナンバー1「Living Doll」同様イージー・ゴーイングな「Travellin' 〜」に対し、こちらはストレートなR&Rで、この時期日本発売されたのは当時のファンクラブの会長がこの曲を好きだったから、なのだそうだ。
12位 Rock And Roll Music - The Beatles
 アメリカでの大ブレイク後、大西洋の両岸を行ったり来たりしながらツアーとレコーディングの毎日に明け暮れたビートルズが、その“嵐の64年”の締めくくりとして12月に本国でリリースした通算4枚目のアルバムが「Beatles For Sale」。オリジナル曲を用意する時間的余裕がなかった彼らはアルバムの約半分をレコード・デビュー以前にステージで披露していたカバー曲で埋め合わせることになったが、その中から日本独自にシングルカットされたのが「ロック・アンド・ロール・ミュージック」で、ジョン・レノンのシャウトが冴えるナンバー。このアルバムにはポールが歌う「Kansas City/Hey, Hey, Hey, Hey」も収録されており“チャック・ベリー派のジョン、リトル・リチャード派のポール”というイメージを強く印象づけた。
13位 Echappement Libre - Original Soundtrack
 ジャン=ポール・ベルモンドが主演したフランスのアクション映画テーマ曲。これは彼の出世作となったジャン=リュック・ゴダール監督のヌーベルバーグ傑作「勝手にしやがれ('59)」以来久々にジーン・セバーグと共演した作品だったが、こちらはコメディ・タッチの娯楽作となっている。サウンドトラックを手がけたマーシャル・ソラールはジャズ畑のミュージシャン(ピアニスト)で、こちらも「勝手にしやがれ」に続く起用。ソラールはパリをベースに1940年代末以来息長く活動を続けており、手がけたサウンドトラックの数は多くないがシドニー・ベシェ、ジャンゴ・ラインハルトといった伝説的なミュージシャンを含め数多くの共作ジャズ・アルバムを残し“ヨーロピアン・ジャズ史上最も偉大なピアニスト”の評価を得ている。
14位 Car Tu T'en Vas (Since You Don't Care) - Sylvie Vartan
 「アイドルを探せ」で我が国の洋楽シーンに登場し、それまでの「シャンソン」から新時代「フレンチ・ポップ」の扉を開いたシルヴィ・バルタンの第2弾ヒットはアメリカで作られたカントリー・ナンバー「Since You Don't Care」のフランス語カバーで、彼女のとつとつと歌うフレンチ・ボーカルで元の泥臭さが一掃された(恐らく当時のリスナーは、これがカントリーだとは思わなかっただろう)出来になっている。英語圏のヒット曲をフランス語でカバーし、それをステージの重要なレパートリーとしている彼女はこの年に早くも来日、日本語で吹込んだレナウンのTVCM「ワンサカ娘」という珍品も残されたが、今年の3月に久々に実現した彼女の来日公演ではこの「ワンサカ娘」がサプライズで披露され、団塊世代を中心とする観客の大喝采を浴びた。
15位 On The Beach - Cliff Richard('64英7位)
 “イギリスのエルヴィス”と称されるクリフ・リチャードは、エルヴィス同様多くの主演映画を残しているが、そんな彼が64年に出演したのが「Wonderful Life」。相変わらずのお気楽青春映画だが、シャドウズとともに海辺でこの曲を演奏するシーンは「MTV」的にも見どころのある楽しいものであった。ビートルズをはじめとする新世代のビート・バンドの台頭にもその地位が揺るぐことがなかった彼は64〜65年にかけて全英チャートで7曲のTOP10ヒット(うち「The Minute You're Gone」はナンバー1)を放ち、59年の「Living Doll(米30位/英1位)」以来ご無沙汰だったアメリカのTOP40にも“ブリティッシュ・ブーム”に乗じて「It's All In The Game(米30位/英2位)」で復帰と、あらゆる流れを味方につけて活躍していた。
16位 Hush, Hush, Sweet Charlotte - Patti Page('65米8位)
 1940〜50年代にマーキュリー・レコードで数えきれないほどのヒットを放ち、我が国でも「テネシー・ワルツ」「泪のワルツ」「ワンワン・ワルツ」といったナンバーが多くの人々に親しまれた“ワルツの女王”パティ・ペイジは、60年代に入ってコロンビアに移籍。イージー・リスニングチャートを中心に活躍を続けていた。この曲は58年の「Left Right Out Of Your Heart (Hi Lee Hi Lo Hi Lup Up Up)(米9位)」以来久々に全米チャートのTOP10入りを果たした作品で、ベティ・デイヴィスが主演し、この年のアカデミー賞を賑わせた同名のサスペンス映画主題歌でもある。ペイジはその後もポップ・カントリー路線で多くのヒットを生み、80年代初頭まで様々なチャートに登場し続けるという驚異的なヒットチャート歴を誇った。
16位 Yesterday - The Beatles('65米1位)
 ビートルズ第2作目の主演映画「HELP!四人はアイドル」サントラから(映画には使用されていない)。ポール・マッカートニーのギターと弦楽四重奏のみで録音された、当時のロック・アーティストとしては斬新な作品で、それまで“イェイェ”一辺倒だった彼らの一般的なイメージを変えた曲でもある。そのシンプルながらも美しいメロディはその後多くのカバー作品を生み、その録音回数の多さはギネス・ブックにも認定されているほど。なおこの曲は当時イギリスではシングル・カットされておらず代わりにマット・モンローが歌ったバージョンがヒット('65英8位、この曲世界初のカバー・ヒット!)。それから約10年後の76年にアップルがビートルズ版を発売した際に初めて全英チャートに登場し、最高8位を記録している。
18位 Karelia - The Spotnicks
 ベンチャーズのダイナミックなエレキ・サウンドが日本中を席巻したこの年、洋楽チャートに登場しその後も根強い人気を誇ったのが“哀愁の”北欧インスト。高音のトーン中心で、か細い音色を奏でた一連のバンドの代表格だったのがスウェーデンのスプートニクスで、派手ではなかったが幾つかのヒットを残している。このジャンルを代表する大ヒット「カレリア」は途中ロシア民謡「カチューシャ」が登場する哀愁味溢れるメロディで、独特なエコー感が味わい深い。なおこの曲はフィンランドのグループ、ザ・フィーネーズも「哀愁のカレリア(オリジナル・タイトルは何故か違って“Ajomes”)」として発表しており、後年の洋楽ファンの混乱を招く一因となっている。出来の善し悪しの方は、聴き手の判断に任せたい。
19位 Go Swim - Original Soundtrack
 60年代前半のビクター・レコードは毎年夏になると“ニュー・リズム”を売り出していたようで、この前年の「サーフィン」はアストロノウツの「太陽の彼方に」が大ヒット、他社ではあるがベンチャーズの“エレキ・ブーム”の起爆剤となる実績を残したが、続いて対象となったのが「スイム」。同社では邦楽部門のドル箱、橋幸夫(「あの娘と僕」)まで担ぎ出しての一大キャンペーンを張った。これに便乗した形でヒットを記録したのが「太陽のスイム!」で、こちらはキング・レコードからの発売。リズ・オルトラーニは“モンド・ムービー”の名称の元となった「世界残酷物語(Mondo Cane)」のテーマ「More」で知られる人で、これは映画「地中海の休日」で使用されたもの。この時期この国でだけ大流行したヒットだった。
20位 I Feel Fine - The Beatles('64米1位/英1位)
 アメリカにおけるシングル乱発状態がようやく落ち着きを見せ、エアプレイが一曲に集中するようになったことから、シングルが発売される度にその曲が指定席のように英米のチャートのトップに収まる、というグループ解散まで続く基本パターンがここら辺あたりから始まっている。アルバム「For Sale」と同時期に録音されたこの曲では初期の彼らのボーカルで聴かれた甲高さが抑えられて落ち着きが増し、グループがそろそろ次のフェーズに移ろうとしていることを示している。またこの曲はギターとスピーカーが共鳴する「フィードバック」を意識的に取り入れた(曲の冒頭で聴ける)最初の曲でもあり、ベンチャーズはこの年に発表したクリスマス・アルバムの「赤鼻のトナカイ」で早速この“効果”を取り入れ披露している。


(2005.11.22)

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