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2位はイギリスのロック史上もっとも影響力を持つビート・バンドの一つ、キ
ンクス。前年夏に3枚目のシングル「You Really Got Me」がナンバー1を記録し
てブレイク、以降暫くこの曲で印象的に使用された3コードをフィーチャーした
曲を立続けに発表しましたが、これもその一つ。ここではテンポを落とし、作風
に変化をつけています。
ついでにこのチャートに登場しているビート系バンド4、6、8位をあわせて紹
介しておきましょう。4位はウェイン・フォンタナとマインドベンダーズの「ゲ
ーム・オブ・ラブ」。マンチェスター出身のハンサムなボーカリスト、フォンタ
ナを中心としたこのバンドはこの時代の他の多くのバンドと同様アメリカのR&B
ナンバーのカバーを盛んに発表していましたが、この曲は当時多くのR&B系ヒッ
トを生んでいたソングライター、クリント・バラードJrが提供したもの。どこと
なくキングスメンの「Louie Louie(63年米2位/英26位)」を思わせるフレーズ
が随所に登場するこの曲で、彼らはアメリカで最初で最後のナンバー1を記録し
ました。6位は「だ〜れのせいでもありゃしない〜」の訳詞でお馴染み、アニマ
ルズの「悲しき願い」。前年に発表した大ヒット「The House Of The Rising
Sun(「朝日のあたる家」米1位/英1位)」を皮切りに大ヒットを連発した彼
ら、その「朝日〜」はアメリカのトラディショナル・ソングをロック化したもの
で、著作権は発生しないはずでしたが、メンバーのアラン・プライスが演奏した
印象的なオルガンソロにより彼のみ“編曲家”として著作を登録。世界中で何百
万枚売れたか判らないこのレコードの莫大な印税は、バンド内で彼の懐のみに入
るという結果となりました。それが原因か判りませんがプライスはこの年早くも
グループを脱退。60年代末まで変貌を続けるアニマルズの遍歴が始まります。
8位はポップなスタイルのバンド、アイヴィ・リーグの「Funny How Love Can
Be」。ジョン・カーターとケン・ルイスという2人のソングライターを擁したこ
のグループは、フォー・シーズンズやビーチ・ボーイズを思わせるハーモニーを
売り物にいくつかのヒット曲を生みましたが、現在彼らが評価されているのはこ
のカーター&ルイスと、後にグループに加入したトニー・バロウズの3人が「フ
ラワー・ポット・メン」や「ファースト・クラス」など様々にグループ形態を変
え“ブリティッシュ・ソフト・ロック”といわれる諸作を70年代まで次々と発表
し続けたことによります。それらの作品は各国でCD化されていますが、何処の国
で作られようとも、おそらく日本で一番売れていることでしょう。なおアイヴ
ィ・リーグはアメリカではカメオ・レコードからシングル盤が発売され、それら
は大した成功を収めることはありませんでしたが、ソングライターとしてのカー
ター&ルイスは結構売り込みが図られたようで、ミュージック・エクスプローシ
ョンの「Little Bit O' Soul(「狂ったハート」67年米2位)」なんて大ヒット
が生まれましたし、成功はしませんでしたがサジタリアスの「My World Fell
Down(「涙の世界」67年米70位)」や、今回登場している「Funny 〜」のハーパ
ース・ビザールやスリー・ドッグ・ナイト加入前のダニー・ハットン(66年米
120位)によるカバーも録音され、現在それらは“ソフトロックの古典”とみな
されています。
順位を戻して今度は3位と5位に登場しているアメリカのアーティストをご紹
介。3位ライチャス・ブラザーズの「ふられた気持ち」は、先日逮捕されたフィ
ル・スペクターが手掛けた作品の中でも最高傑作と謳われる一つ。それまで荒々
しいR&Bを得意としていた白人デュオの二人が、壮大な“スペクター・サウン
ド”をバックに歌い上げたこのバラードは、オリジナルヒットの後もラジオでか
けられ続け、1999年には幾多の名曲を抑えて「20世紀最も電波にのった楽曲」に
認定されました。5位は前々回に続いて登場、デル・シャノンの「太陽を探
せ」。彼が63年にビートルズの「From Me To You」をカバーしたエピソードを紹
介しましたが、この年には今度は彼がビートルズの弟分的存在のピーターとゴー
ドンに「I Go To Pieces(米9位)」を提供、イギリスの音楽シーンとの関係を
密にしていったのでした。
次々と新しいロックバンドが登場するこの時代、しかし一方でポピュラーやカ
ントリーも相変わらず根強い人気を保っていました。7位に入っているヴァル・
ドゥーニカンは、アイルランド出身のポピュラーシンガー。彼はTVショーのホス
トとしても長く活躍し、激動のイギリス音楽シーンで70年代まで安定してヒット
を放ち続けました。そして9位に登場しているのはアメリカのカントリーシンガ
ー、ジム・リーブス。1950年代前半以来米カントリー界有数のヒットメーカーと
して活躍を続けた彼は、イギリスでも63年の「Welcome To My World(英6位)」
で人気を本格化。しかし彼は翌64年に飛行機事故により突然39年間の生涯を閉じ
ることになります。事故当時「I Won't Forget You(英3位)」という皮肉なタ
イトルの曲がヒットしていたイギリスでは、彼を忘れるどころか一種のブーム的
状態となり、この年のUKチャートには6曲もの彼のナンバーが登場、翌66年には
「Distant Drums」がナンバー1を記録という異常事態になりました。アメリカの
カントリーチャートでは彼の死後、80年代まで35曲ものヒット曲が生まれたそう
ですが(よくそれだけ録音が残っていたものです・・)それを考えれば現在次々
と“死後ヒット”を飛ばしている2パックなどは、まだまだ甘い、ということに
なりますね。
最後10位はウェールズから登場した新しい才能、トム・ジョーンズの「よくあ
ることサ」。伝統的なポップスに主軸を置きながら、男臭いR&B臭をプンプンさ
せていた彼がその後英米、そして日本のポピュラーシーンを席巻していくことは
皆さんご存じの通り。この「よくあることサ」もつい最近日本のTVCMでも使用さ
れるほどの、現在に通じるポップさを持っていました。
(2003.2.18)Flashback Homecopyright (c) 2000-2003 by meantime, all rights reserved. |