TOP10 HITS OF LAST CENTURY
Presented by meantime

■ Billboard HOT100 February 5, 1966

01 My Love / Petula Clark (Warner)
02 Barbara Ann / The Beach Boys (Capitol)
03 No Matter What You (Your Stomach's In) / The T-Bones (Liberty)
04 We Can Work It Out / The Beatles (Capitol)
05 Lightnin' Strikes / Lou Christie (MGM)
06 The Men In My Little Girl's Life / Mike Douglas (Epic)
07 She's Just My Style / Gary Lewis & The Playboys (Liberty)
08 Five O'Clock World / The Vogues (Co & Ce)
09 A Must To Avoid / Herman's Hermits (MGM)
10 Crying Time / Ray Charles (ABC-Paramount)

 昭和41年2月第1週のヒットチャートは、前回同様ペトゥラ・クラークが「マ イ・ラブ」でナンバー1を記録していました。

 前回紹介したチャートはイギリス勢に押されっぱなしだった1964年が明け、 アメリカ人アーティストがそろそろ反撃態勢に入る時期のものでしたが、それ から一年たったこのチャートは・・・あまりそれと印象が変わらない気がしま すね。しかし、注意深く一曲々々を見てみると、それなりに状況が変わってい ることに気づきます。

 まず1位のペトゥラ・クラーク。この曲は前回の「Downtown」同様、トニ ー・ハッチの作/プロデュース作品ですが、ここでは初めてのアメリカ録音を 敢行、よりアメリカ市場向けのアプローチを開始しています。彼女はその後ハ ッチの下を離れアメリカ録音を継続、また映画への出演のオファーも舞い込 み、次第に“イギリス代表”から“アメリカ芸能界の顔”的存在へと、60年代 末までの活動をシフトしていくこととなります。

 相変わらず活躍を続けるその他のイギリス勢も併せてご紹介。1966年にもな るとさすがに「イギリス出身」という看板だけではヒットチャートに登場する ことは出来ず、各々様々な試行錯誤が始まることとなります。そういったシー ンのトップを突っ走っていたのがいわずと知れたビートルズ。この週4位の 「恋を抱きしめよう」は、路線的には64年の「I Should Have Known Better (米53位)」の延長線上にある作品ですが、彼らが同時代に活躍する様々なア ーティストたちに触発されながら傑作「Rubber Soul」を作り上げたこの時期 の高揚感が感じられる佳曲です。

 もう一組、9位のハーマンズ・ハーミッツはマンチェスター出身のポップグ ループ。ロックでない、ということで彼らを嫌う音楽ファンもいるようです が、この時代、非常に優れたポップスを数多く生み出したグループでありまし た。この曲ではこの頃タートルズやバリー・マクガイアを成功させていたソン グライターチーム、スティーブ・バリとP.F.スローンを起用してフォーク・ロ ックサウンドに挑戦。このフットワークの軽さが身の上の彼らは、徐々と姿を 消していく同郷のグループを横目に、60年代後半までヒット曲を連発していき ます。

 残るアメリカ勢を順に紹介していきましょう。2位はビートルズの“ライバ ル”ビーチ・ボーイズ。グループのリーダー、ブライアン・ウィルソンはこの 時期既にバンドと行動を共にせず、スタジオに篭ってひたすらレコーディング に明け暮れる“ペット・サウンズ時代”に突入していましたが、年に3〜4枚と いうとんでもない数のアルバムリリースをグループに課していたレコード会社 は、営業方針上長引くレコーディングを待っている訳にはいかない。折衷案と して企画されたのがスタジオでの疑似ライブアルバム「Party」。

 収録曲の殆どがカバーで占められるこのアルバムは、商売敵であるはずのビ ートルズの作品まで入っているという、ポリシーがあるんだかないんだかよく 分からない内容になっていましたが、アルバムの最後に収録されていたリージ ェンツ1961年のヒット(米13位)のカバー「Barbara-Ann」は好評で見事大ヒ ットを記録。しかし実はこの録音のリードボーカルを務めていたのは、たまた まスタジオに遊びに来ていたジャン&ディーンのディーン・トレンスだった、 なんてことが後に発覚したりして、いい意味でも悪い意味でも大雑把なこのグ ループをよく現したヒット曲になりました。

 続いて3位はサーフ・インストバンド、Tボーンズの「ビートでOK」。彼らは 先々週に紹介したマーケッツ同様、プロデューサーのジョー・サラセノがスタ ジオミュージシャンを集めたグループで、この曲は胃薬「アルカ・セルツァ ー」のCMテーマを元に作られたもの。彼らはまたナビスコのCMテーマ 「Sippin' 'N Chippin'(米62位)」も録音、こちらは「真赤な太陽」のタイ トルで日本で人気を博しました。

 なおこの録音に参加していた3人のミュージシャン、ダニー・ロバート・ハ ミルトン、ジョー・フランク・カローロ、トミー・クラーク・レイノルズは、 後にハミルトン、ジョー・フランク&レイノルズとしてヒットチャートの常連 的存在となります。

 5位は以前このコーナーでも紹介したことがあったかも知れません、ルー・ クリスティーの「恋のひらめき」。60年代前半から活躍する彼は、この時期に 持ち前のファルセット・ボイスをビートの効いたサウンドにのせたこの曲でナ ンバー1を記録。日本でも70年に「魔法」が大ヒットした、という話は、バッ クナンバーを御参照下さい。6位は当時の音楽的流行とは全然関係ない存在の マイク・ダグラス。彼は当時もっとも人気があったお昼のTVショーの司会者 で、いわば歌うみのもんたとか、峰竜太といった感じでしょうか?多分、当時 このムードある語りと甘い歌声のこの曲を聴いた人は「あら、この人案外歌う まいじゃない。」と思ったでしょうが、それもそのはず、彼は元々シンガー で、1946年にはビッグバンド、ケイ・カイザー楽団のナンバー1ヒット「Ole Buttermilk Sky」のボーカルも務めていたのだとか。この手のヒットは、どんな時 代にも生まれ得るものです。

 続いて7位は前回に続いて登場、ゲイリー・ルイスとプレイボーイズの「あ の娘のスタイル」。彼らは前回の「恋のダイアモンドリング」以降7曲連続 TOP10ヒットを記録している最中で人気絶頂。この曲も非常に陽気なポップソ ングに仕上がっていました。前回も書きましたが、彼らとか、あとハーマン ズ・ハーミッツもそうですが、バブルガムとか、ソフトロックとか言われる音 楽のルーツ的見地から聴いてみると、これが非常に楽しめるので是非多くの人 に聴いてみていただきたいところ。CDも色々出ているし。

 8位のヴォーグスは、先週ちょっと触れましたがペトゥラ・クラークのカバ ー「You're The One(65年米4位)」でヒットチャートに登場したボーカルグ ループ。この曲も見事大ヒットとなり人気グループの仲間入りを果たします。 全然関係ありませんがこの「Five O'Clock World」、80年代にイギリスのジュ リアン・コープがカバーしていて、先日その話で会社の同僚の女性と音楽話が 盛り上がってしまいました(本当に関係なかった・・)。彼らはその後レター メンタイプのコーラスグループにスタイルが変わっていきますが、その時期の アルバムが先日まとめてCD化されました。興味のある方はこちらのホームページをご覧下さい。

 最後10位はレイ・チャールズ。この曲はバック・オウエンス作のカントリー ナンバーですが、彼の南部魂がひしひしと伝わってくる名唱に仕上がっていま す。別格的存在ですね。

(2002.2.5)

Flashback Home 


copyright (c) 2000-2003 by meantime, all rights reserved.