TOP10 HITS OF LAST CENTURY
Presented by meantime

■ 洋楽ラジオ・チャート1966年間(その2)

11.ペーパーバック・ライター/ビートルズ
12.花のささやき/ウィルマ・ゴイク
13.バン・バン/シェール
14.マリソルの初恋/マリソル
15.にくい貴方/ナンシー・シナトラ
16.リオの嵐/サウンド・トラック(ミシェル・マーニュ)
17.バラが咲いた/マイク真木
18.恋を抱きしめよう/ビートルズ
19.ララのテーマ/レイ・コニフ・シンガーズ
20.貴方にひざまづいて/ジャンニ・モランディー

11位 Paperback Writer- The Beatles('66米1位/英1位)
 活動期間の“中期”に突入したビートルズは、シングルをリリースする度に新しいサウンドの世界を開拓していったが、ここでは超複雑なコーラス・アレンジに挑戦。ポール・マッカートニーが作曲し、印象的なフレーズを奏でるベースは勿論リード・ギターまでも彼が担当したというこの曲では10時間以上に亘ってスタジオでボーカル録音の試行錯誤が繰り返され、結果このような不思議な効果を得たという。対するジョン・レノンはこのシングルのカップリングに「Rain(米23位)」を提供、こちらはノイジーなサウンドの洪水にギターの開放弦の響きや逆回転で再生した声などを装飾的にちりばめた、ごく初期の“サイケデリック・ロック”になっており、後続のアーティストたちに多大なるヒントをもたらすこととなった。
12位 In Un Fiore - Wilma Goich
 「サンレモ音楽祭」全盛期に生まれた名曲の一つ。1945年北イタリア生まれのウィルマ・ゴイクは63年に発表した「愛のめざめ」で日本に紹介され、65年には「Le Colline Sono In Fiore(花咲く丘に涙して)」が「サンレモ音楽祭」で入賞を果たして我が国でもブレイク(このチャートでは'65年間140位と振るわなかったが)。翌年“花(Fiore)シリーズ”の続編として同音楽祭に出品したこの曲も見事賞を獲得し、彼女の人気を確かなものにした。タイトル通り可憐に囁くように歌われる冒頭部分から、ドラマチックに歌い上げるサビへと至る展開が非常に印象的な点が評価されてか、この曲は現在に至るまで何度となくTVCMに使用され続けており、若い世代の洋楽ファンにも知名度の高い一曲となっている。
13位 Bang Bang (My Baby Shot Me Down) - Cher('66米2位/英3位)
 キャリア40周年を迎え、10、20、30、40、50代いずれでもヒットを持つというポピュラー史上類い稀な成功を収めた本名シェリリン・シャキシアン・ラピエール初期の代表曲。ヒッピー夫婦デュオ「ソニーとシェール」の活動の傍らリリースしたこの曲は幼い頃玩具のピストルで撃ち合って遊んでいたカップルが成人後悲劇を迎える・・という内容で、ドラマチックな曲展開には夫君ソニー・ボノの才能が如何なく発揮されている。この曲はシナトラ親娘のお気に入りでもあるようで、娘ナンシーのバージョンは2003年の映画「キル・ビル」の冒頭で効果的に使用されていたし、父フランクが録音したバージョンは1981年発表のアルバム「She Shot Me Down」のタイトルに詞の一節を引用、という形でフィーチャーされている。
14位 Me Conformo - Marisol
 60年代の数年間を紹介しただけでも、この洋楽チャートには世界各国のアイドル歌手兼女優が登場していることがわかるが、そんな中スペインから登場し、短期間ながら人気を集めたのがマリソル。1948年生まれの彼女は1950年代末から映画に出演するようになり、64年に制作された「La Nueva Cenicienta(“新しいシンデレラ”の意)」が日本でもヒットした。映画の中でも歌とダンスの才能を見い出される天才少女として登場する彼女が歌ったこの曲は、最初しっとりとオーケストラで始まり、その後徐々にテンポが変化していくなかなか難易度の高いナンバー。我が国における人気は短期間で終わったが、本国では80年代まで活躍を続けたそうで作品によっては“妖艶女優”に成長した彼女の姿を観ることができるらしい。
15位 These Boots Are Made For Walkin' - Nancy Sinatra('66米1位/英1位)
 1960年代前半に鳴り物入りでデビューしながら、日本とヨーロッパの一部でしか人気を得ることが出来なかったナンシー・シナトラは、65年にリー・ヘイズルウッド(日本ではアストロノウツの「太陽の彼方に」で有名)をプロデューサーに迎え「So Long Babe(米86位)」で大幅にイメージ・チェンジ。続く「にくい貴方」が大ブレイクを果たし、彼女は一躍時代の寵児となった。“ブーツを履いて男のもとから去っていく”というメッセージが“ウーマン・リブ”からある種のフェチなマニアまでの支持を得ただけでなく、ウッド・ベースをフィーチャーしたユニークなサウンドも人気が高く現在まで何度もリメイクが繰り返されており、2005年にはジェシカ・シンプソンによるバージョンがTOP40ヒットを記録している。
16位 Furia A Bahia Main Theme - Original Soundtrack
 大変な人気シリーズとなった「007」に対抗してフランスで制作されたのが「OSS177」シリーズ。実はこの最初の作品「OSSと呼ばれた男」が作られたのは1956年だったそうで、順番からいえばこちらが先ということになるが、「007」人気の影響で続編が作られることになったは間違いないところだろう。このシリーズで「007」におけるジョン・バリーの役割を果たした音楽家がミシェル・マーニュで、彼は合計4作のサウンドトラックを担当。テーマ曲の人気に反して映画の評判はあまりよくなかったようで、この続編「東京の切り札」は「007」シリーズに先駆けて日本ロケを行った意欲作だったが何故か当時日本では未公開。その後60年代いっぱい続いたシリーズ作品のいずれも、リアルタイムでは日本で配給はされなかった。
17位 Bara Ga Saita - Mike Maki
 洋楽チャートに邦楽が登場。そもそもこの曲が企画されたのはジョニー・ティロットソンで日本独自のヒット曲を作ろう、という発案だったのだそうで、そこでは浜口庫之助が用意した「バラが咲いた」は却下され、替わりに「涙くんさよなら」がレコーディングされた。残されたこの曲を“国産フォーク第一号”として売り出そうと白羽の矢が立てられたのが学生グループ、モダン・フォーク・クァルテットにいたマイク真木で、最初はテスト録音的な意味合いでラフに吹込まれた(ファースト・プレスはコード進行を間違えて録音されている)この曲がレコード化されると忽ち大ヒット。発売元が洋楽レーベルだったため従来の邦楽販売システムに馴染まず、洋楽扱いで売り出された後の「J-POP」元祖的存在となった。
18位 We Can Work It Out - The Beatles('66米1位/英1位)
 世界中を巻き込む一大ブームを引き起こした64〜65年のビートルズ。それに続く2年(66〜67年)の彼らの展開は更に加速度のついたものとなった。彼らの新フェーズの幕開けを宣言したアルバム「ラバーソウル」とほぼ同時に本国でリリースされた「恋を抱きしめよう」は主旋律をマッカートニーが、サビの部分をレノンが考え出した彼ら流のフォーク・ロックで、歌詞の内容も「僕らだったらできるよ。」とポジティブなマッカートニーと「人生は短く、時間は限られている」とシニカルなレノンの両方の特性が現れている。このシングルのカップリングにはレノン作の「Day Tripper(米5位)」が収録されていたが、この世界を二人がそれぞれ発展させたのが次のシングル「Paperback Writer」と「Rain」となる。
19位 Somewhere, My Love - Ray Conniff & The Singers('66米9位)
 「戦場にかける橋('57)」「アラビアのロレンス('62)」と映画史上に残る大作映画を手がけたデヴィッド・リーン監督がこの年制作したのが、ロシア革命前後の激流の中を生き抜く人々を描いたこちらも3時間以上の大作「ドクトル・ジバゴ」。「〜ロレンス」で族長役を演じたオマー・シャリフを主役に、サントラを手がけていたモーリス・ジャールを音楽監督に迎えたこの作品から生まれたヒットには、劇中登場する2人のヒロインの1人ララ(ラーラ)の名前が冠されていた。演奏するレイ・コニフはミッチ・ミラー、パーシー・フェイスに続いてコロンビア・レコードのイージー・リスニング路線を支えたバンド・リーダーで、50年代後半〜70年代前半にかけて数多くのヒット・アルバムをチャートに送り込んでいる。
20位 In Ginocchio Da Te - Gianni Morandi
 イタリアの俳優兼歌手ジャンニ・モランディが63年に続いて登場。これは64年にボビー・ソロのヒット「ほほにかかる涙」に乗じて制作された同名映画とほぼ同じ制作陣・共演者で作られた、いってみれば“イタリアのエルヴィス映画”的な作品の中で歌われたもので、モランディは歌自慢の新兵として登場(もちろん主演)。新しい恋も、その恋人との諍いも、すべて自慢ののどで解決してしまうという非常に「伝統的な」アイドル映画になっている。3年前の「サンライト・ツイスト」では若さにまかせて強烈なシャウトを聞かせていた彼が、(実際には1年ほどしか違わないようだが)ここでは感動的なバラードを、情熱をもって歌い上げている。イタリア音楽史上有数のヒットメーカーであるモランディの、キャリアを代表するヒット。


(2005.12.13)

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