TOP10 HITS OF LAST CENTURY
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■ ティーンビート・ベスト50 1966年7月

1.ひとりぼっちのあいつ/ビートルズ(オデオン)
2.バラが咲いた/マイク真木(フィリップス)
3.君といつまでも/ベンチャーズ(リバティー)
4.ミッシェル/ビートルズ(オデオン)
5.夢のカリフォルニア/ママス・アンド・パパス(ビクター)
6.スループ・ジョンB/ビーチ・ボーイズ(キャピトル)
7.キックス/ポール・リヴィアとレイダーズ(コロムビア)
8.秘密諜報員/ジョニー・リヴァース(イムペリアル)
9.リッスン・ピープル/ハーマンズ・ハーミッツ(オデオン)
10.19回目の神経衰弱/ローリング・ストーンズ(ロンドン)

 昭和41年7月、洋楽チャートのナンバー1を記録していたのは、ビートルズの 「Nowhere Man(米3位)」でした。

 昭和41年といえば、ビートルズ来日の年。彼らはこの年の6月末から7月初旬 (ちょうどこのチャートが掲載されている「ティーン・ビート」7月号が店頭 に並んでいた頃)にかけて日本を訪れ、来日公演を行ったのでした。で、チャ ートの方はビートルズ一色なのか?というとそういう訳ではなく、次々と歴史 的名曲が生まれたこの時期らしくバラエティに富んだ顔触れとなっています。

 1位の「Nowhere Man」と4位の「Michelle」はアルバム「Rubber Soul」に収 録されていた曲。“引き篭もりソング(?)”「Nowhere Man」は地味な作風 が災いしたのか、チャート成績は1964年暮より続いていたアメリカにおける連 続ナンバー1ヒット記録をストップさせる結果となりましたが、そのサウンド も、メッセージも非常に味わい深い名曲に仕上がっていました。一方 「Michelle」は英米ではシングルカットされず、デヴィッド&ジョナサンこと ロジャー・グリーナウェイとロジャー・クックの2人(米18位/英11位)とオ ーヴァーランダーズ(英1位)によるカバーがヒット。日本では4曲入りコンパ クト盤(EP)からヒットが生まれた形となっています。このコンパクト盤から はもう一曲、やはり「Rubber Soul」に収録されていた「Girl(この月のチャ ート12位)」がヒットを記録しますが、この2曲はポール・マッカートニー (「Michelle」)とジョン・レノン(「Girl」)が同じ題材を元に、まるでコ ンペで曲を作り上げたような共通性を持ちながら、その肌合いは各々に違って いて、しかも共に名曲。という非常に興味深い仕上がりになりました。

 2位は元祖“J-POP”マイク真木の「バラが咲いた」。以前も書いたことがあ りましたが、この曲は日本のオリジナル・フォーク第一弾として紹介され、大 ヒットを記録しました。が、実のところはプロ中のプロ、浜口庫之助が作曲 し、ジョニー・ティロットソンが歌う“和製ポップス(こちらのバージョンも この月20位にランクインしています)”として企画されたものが転じた結果。 しかしこの「ティーン・ビート」誌にさえ登場しているのですから、マイク真 木のバタくさくハンサムなルックスもあって、この曲は当時の洋楽ファンも認 めるポップさがあったということなのでしょう。

 3位は前年人気が爆発したベンチャーズ。65年初頭に行ったアストロノーツ との合同ツアーが大成功に終わった彼らは、その後1年間に2回来日を果たし、 全国津々浦々をツアーして回りました。この年になると洋楽ファンの関心はイ ンストからビートルズタイプのグループへと移りつつあり、それはやがてグル ープサウンズブームへと繋がるのですが、そこでベンチャーズが打ち出したの が“歌謡曲への歩み寄り”。当時ビクターからレコードが発売されていたアス トロノーツが、同社所属の橋幸夫と「チェッチェッチェ」を競作したこともヒ ントとなったのでしょう、東芝所属で当時新しいタイプのポップスターとして 大変な人気者になっていた加山雄三の代表曲をカバーしました。これで成功を 収めた彼らは、更に踏み込んで“ベンチャーズ歌謡”制作に邁進します。

 5位はヒッピーのイメージを商業的に広めたグループ、ママス&パパスの 「California Dreaming(米4位)」。2002年になって同名のTVドラマが放映さ れ、主題歌に使われたこの曲のリバイバルが期待されましたが、残念ながらド ラマ自体があまり強い印象を残せなかったこともあって、新しく編纂されたベ スト盤の売れ行きも思ったほどではなかった模様。ただ、これに便乗した形で メンバーたちのソロアルバムの大半がCD化され、マニアは大いに潤いました。 そういった意味では(ドラマの成功はともかく)ママス&パパスの主題歌起用 を思い立った制作者の方々には感謝するばかり。そのママス&パパスと近い人 脈にあったロックスター、この月8位のジョニー・リヴァース「Secret Agent Man(同名TVシリーズの主題歌。米3位)」も、今から数年前ドラマのテーマ曲 として突然日本語でカバーされ、ポップスファンを驚かせたものでした。余談 ですが2年ほど前、この曲を作ったP.F.スローンのデモ録音がCD化され、この 曲も収録されていたのですが、そこではスローンは「He's a danger man.」と 歌っていたのでした。サビが上手く番組タイトルにはまって、良かった良かっ た。

 6位はこの年の前半に来日したビーチボーイズの「Sloop John B(米3位)」。アルバ ム「Pet Sounds」収録曲の中では異色なこの曲はフォークグループ、ウィーヴ ァーズが世に紹介したもの。学生時代フォークソングを歌っていたというア ル・ジャーディンの強い勧めで録音したのだとか。曲の題材である船の遭難 が、その後のグループの運命を暗示するようで、今思うとなんとも感慨深 い。。

 7位はこの時期アイドル的な人気を誇ったロックグループ、レイダースの 「Kicks(米4位)」。60年代前半から活躍するソングライター夫婦、バリー・ マンとシンシア・ウェイルが作ったキャッチーなこの曲は、意外にも「考え直 せよ、まともな生活に戻ろうぜ。」というアンチ・ドラッグソング。彼らのレ コードを制作する時、プロデューサーのテリー・メルチャーはその仕上がりを 「ビーチボーイズとローリング・ストーンズを足して2で割った感じ」を目指 したそうですが、そのモデルであったストーンズも「19th Nervous Breakdown (米2位/英2位)」でこのチャート10位にランクイン。この曲もそうですが、 60年代の彼らのオリジナル曲は、常に不機嫌で、精神的に追い詰められたよう な内容のものが多いですよね。こういった曲が当時次々と大ヒットしているの は、ちょっと面白いかも。

 最後9位はイギリスのアイドルグループ、ハーマンズ・ハーミッツの 「Listen People(米3位)」。1966年になると“イギリス出身”の看板はアメ リカであまり通用しなくなってくるのですが、彼らはイギリスの古いエンター テインメント、ミュージック・ホール的なノヴェルティっぽさでイギリス風味 をアピールする一方、当時の売れっ子ソングライターたちの優れたポップスを 積極的に取り上げることで延命を図りました。この曲は後に10CCのメンバーと なるグラハム・ゴールドマンの作品。いい曲です。


(2002.7.16)

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