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1位の「Nowhere Man」と4位の「Michelle」はアルバム「Rubber Soul」に収
録されていた曲。“引き篭もりソング(?)”「Nowhere Man」は地味な作風
が災いしたのか、チャート成績は1964年暮より続いていたアメリカにおける連
続ナンバー1ヒット記録をストップさせる結果となりましたが、そのサウンド
も、メッセージも非常に味わい深い名曲に仕上がっていました。一方
「Michelle」は英米ではシングルカットされず、デヴィッド&ジョナサンこと
ロジャー・グリーナウェイとロジャー・クックの2人(米18位/英11位)とオ
ーヴァーランダーズ(英1位)によるカバーがヒット。日本では4曲入りコンパ
クト盤(EP)からヒットが生まれた形となっています。このコンパクト盤から
はもう一曲、やはり「Rubber Soul」に収録されていた「Girl(この月のチャ
ート12位)」がヒットを記録しますが、この2曲はポール・マッカートニー
(「Michelle」)とジョン・レノン(「Girl」)が同じ題材を元に、まるでコ
ンペで曲を作り上げたような共通性を持ちながら、その肌合いは各々に違って
いて、しかも共に名曲。という非常に興味深い仕上がりになりました。
2位は元祖“J-POP”マイク真木の「バラが咲いた」。以前も書いたことがあ
りましたが、この曲は日本のオリジナル・フォーク第一弾として紹介され、大
ヒットを記録しました。が、実のところはプロ中のプロ、浜口庫之助が作曲
し、ジョニー・ティロットソンが歌う“和製ポップス(こちらのバージョンも
この月20位にランクインしています)”として企画されたものが転じた結果。
しかしこの「ティーン・ビート」誌にさえ登場しているのですから、マイク真
木のバタくさくハンサムなルックスもあって、この曲は当時の洋楽ファンも認
めるポップさがあったということなのでしょう。
3位は前年人気が爆発したベンチャーズ。65年初頭に行ったアストロノーツ
との合同ツアーが大成功に終わった彼らは、その後1年間に2回来日を果たし、
全国津々浦々をツアーして回りました。この年になると洋楽ファンの関心はイ
ンストからビートルズタイプのグループへと移りつつあり、それはやがてグル
ープサウンズブームへと繋がるのですが、そこでベンチャーズが打ち出したの
が“歌謡曲への歩み寄り”。当時ビクターからレコードが発売されていたアス
トロノーツが、同社所属の橋幸夫と「チェッチェッチェ」を競作したこともヒ
ントとなったのでしょう、東芝所属で当時新しいタイプのポップスターとして
大変な人気者になっていた加山雄三の代表曲をカバーしました。これで成功を
収めた彼らは、更に踏み込んで“ベンチャーズ歌謡”制作に邁進します。
5位はヒッピーのイメージを商業的に広めたグループ、ママス&パパスの
「California Dreaming(米4位)」。2002年になって同名のTVドラマが放映さ
れ、主題歌に使われたこの曲のリバイバルが期待されましたが、残念ながらド
ラマ自体があまり強い印象を残せなかったこともあって、新しく編纂されたベ
スト盤の売れ行きも思ったほどではなかった模様。ただ、これに便乗した形で
メンバーたちのソロアルバムの大半がCD化され、マニアは大いに潤いました。
そういった意味では(ドラマの成功はともかく)ママス&パパスの主題歌起用
を思い立った制作者の方々には感謝するばかり。そのママス&パパスと近い人
脈にあったロックスター、この月8位のジョニー・リヴァース「Secret Agent
Man(同名TVシリーズの主題歌。米3位)」も、今から数年前ドラマのテーマ曲
として突然日本語でカバーされ、ポップスファンを驚かせたものでした。余談
ですが2年ほど前、この曲を作ったP.F.スローンのデモ録音がCD化され、この
曲も収録されていたのですが、そこではスローンは「He's a danger man.」と
歌っていたのでした。サビが上手く番組タイトルにはまって、良かった良かっ
た。
6位はこの年の前半に来日したビーチボーイズの「Sloop John B(米3位)」。アルバ
ム「Pet Sounds」収録曲の中では異色なこの曲はフォークグループ、ウィーヴ
ァーズが世に紹介したもの。学生時代フォークソングを歌っていたというア
ル・ジャーディンの強い勧めで録音したのだとか。曲の題材である船の遭難
が、その後のグループの運命を暗示するようで、今思うとなんとも感慨深
い。。
7位はこの時期アイドル的な人気を誇ったロックグループ、レイダースの
「Kicks(米4位)」。60年代前半から活躍するソングライター夫婦、バリー・
マンとシンシア・ウェイルが作ったキャッチーなこの曲は、意外にも「考え直
せよ、まともな生活に戻ろうぜ。」というアンチ・ドラッグソング。彼らのレ
コードを制作する時、プロデューサーのテリー・メルチャーはその仕上がりを
「ビーチボーイズとローリング・ストーンズを足して2で割った感じ」を目指
したそうですが、そのモデルであったストーンズも「19th Nervous Breakdown
(米2位/英2位)」でこのチャート10位にランクイン。この曲もそうですが、
60年代の彼らのオリジナル曲は、常に不機嫌で、精神的に追い詰められたよう
な内容のものが多いですよね。こういった曲が当時次々と大ヒットしているの
は、ちょっと面白いかも。
最後9位はイギリスのアイドルグループ、ハーマンズ・ハーミッツの
「Listen People(米3位)」。1966年になると“イギリス出身”の看板はアメ
リカであまり通用しなくなってくるのですが、彼らはイギリスの古いエンター
テインメント、ミュージック・ホール的なノヴェルティっぽさでイギリス風味
をアピールする一方、当時の売れっ子ソングライターたちの優れたポップスを
積極的に取り上げることで延命を図りました。この曲は後に10CCのメンバーと
なるグラハム・ゴールドマンの作品。いい曲です。
(2002.7.16)Flashback Homecopyright (c) 2000-2003 by meantime, all rights reserved. |