TOP10 HITS OF LAST CENTURY
Presented by meantime

■ 洋楽ラジオ・チャート1967年間(その2)

11.リトル・マン/ソニーとシェール
12.太陽をつかもう/クリフ・リチャード
13.愛こそはすべて/ビートルズ
14.ロック天国/ピーター、ポール&マリー
15.孤独の太陽/ウォーカー・ブラザーズ
16.恋はリズムにのせて/アンディ・ウィリアムス
17.ウィンチェスターの鐘/ニュー・ボードビル・バンド
18.さらばベルリンの灯/ジョン・バリー楽団
19.サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド/ビートルズ
20.グルーヴィン/ヤング・ラスカルズ

11位 Little Man - Sonny & Cher('66米21位/英4位)
 前年日本でも大ヒットした「Bang Bang(シェールのソロ名義)」に続き、ソニーとシェールが放った“ヨーロピアン路線”ヒット。フラメンコ風のギターや哀愁漂うバイオリンの音色が印象的だった「Bang Bang」に対し、こちらは更にエスニックな楽器を多用し地中海〜トルコあたりまで足を伸ばしたような“汎ヨーロッパ”サウンドになっており、サビで聴かれる二人のやや強引なハモりが微笑ましい。66年から67年にかけての彼らはデュオ/ソロ名義で合わせて14枚ものシングルをヒットチャートに登場させ、初の主演映画「Good Times」にも出演。その後60年代末に人気は一時低迷するが70年代初頭には見事復活し米ショービズ界きっての名物夫婦に伸し上がることとなる二人の、成功の礎を築いた時期であった。
12位 Finders Keepers - Cliff Richard
 米軍機がスペイン近海にうっかり落とした新型爆弾を巡り、それを必死に探し回る軍隊と、爆弾騒ぎのとばっちりで観光収入を断たれた地元住民、そこに巡業でやって来たクリフとシャドウズたちが入り乱れてのお気楽な騒動を描いた1966年の同名映画主題歌で、イギリスでは「In The Country('66英6位、洋楽年間チャート23位)」のシングルB面に収録されていた。不動のパートナーシップを誇った盟友シャドウズのメンバーたちによって書かれたこの曲は変動の時期を迎えていた60年代後半の音楽シーンの空気を取り入れた作風になっており、「〜 Country」同様ユニークなコーラスがあしらわれている。この年に待望の初来日を果たしたクリフは洋楽チャートで絶好調、年間TOP40に3曲を送り込んでいる(あと1曲は「マリーは恋人(40位)」)。
13位 All You Need Is Love - The Beatles('67米1位/英1位)
 「サージェント・ペパーズ」が英米の音楽シーンを席巻していた1967年6月、この年に本格稼動した衛星中継を利用し制作された全世界同時放送番組「Our World」にイギリス代表としてブラウン管に登場したのがビートルズで、彼らはこの時まだ未発表だった「愛こそはすべて」を全世界へのメッセージとして約6分に亘って披露。当初レコード化予定のなかったこの曲はその後ボーカルが録り直され、4分弱に編集されたバージョンが7月にリリースされ、瞬く間に世界中のヒットチャートのトップに駆け上った。楽曲は所々に変拍子が登場する複雑な構成、エンディングで聴かれる世界各国の音楽の引用などアイディアに満ち溢れており、彼らの創造性とポピュラリティがピークに達した瞬間を記録した作品であるといえる。
14位 I Dig Rock and Roll Music - Peter, Paul & Mary('67米9位)
 ボブ・ディランは1965年にエレクトリックな音楽への転向を宣言し“純粋フォーク主義者”から総スカンを喰ったが、その“純粋派”の心の拠り所であったはずのPP&Mでさえも、その2年後には「R&Rが大好き!」というこのシングルを出さざるを得ないほど音楽シーンの移り変りは激しかった。この曲はフォーク・ロックブームを茶化したようなノヴェルティっぽい内容で、彼らによるビートルズやディラン、ドノヴァンやママス&パパスなどのモノマネが聴ける楽しいもの。彼らにとって久々の全米TOP10ヒットとなっている。なお彼らのヒットには「素敵なロックン・ロール('68洋楽年間チャート128位)」という曲もあり紛らわしいのだが、こちらはディラン作の「Too Much Of Nothing('67米35位)」のことである。
15位 In My Room - The Walker Brothers
 50年代後半より各々活動していた元ティーン・アイドルの3人(スコット、ジョン、ゲイリー)が、揃ってウォーカー姓を名乗り結成したのがウォーカー・ブラザーズ。65年にデビューした彼らは本国アメリカでも何曲かのヒットを飛ばしたが、イギリスにおけるアイドル人気はその比ではなく、一時はどのUKバンドも適わないほどの一大ブームを巻き起した。英米に遅れること約1年、この年ようやく日本で人気に火がついた「孤独の太陽」はカンツォーネが元曲の壮大なバラードだが、海外でのシングル・カット記録はなし。この曲や「ダンス天国」など我が国独自のヒットにより翌68年にかけてヒステリックに盛り上がった彼らの人気だったが、その頃には既に彼らは解散していたという(67年5月解散)ファンにとって悲劇的な事態を招いた。
16位 Music To Watch Girls By - Andy Williams('67米34位/英33位)
 フォー・シーズンズのプロデューサーとして知られるボブ・クリューは、65年にレコード・レーベル「ダイノヴォイス」を自ら設立。元々は「ダイエット・ペプシ」のTVCMのために作られたというインスト・ナンバーをスタジオ・グループ「ボブ・クリュー・ジェネレーション」名義で発表しヒット('67米15位)させたのが「恋はリズムにのせて」の誕生であった。これをボーカル・バージョンでカバーしたのがアンディ・ウィリアムスで、シングルは日本でも一時邦楽各曲を抑えて売上ナンバー1に輝くほどのヒットを記録したという。この曲は現在も“ラウンジ・クラシック”として世界中で親しまれており、特にイギリスでは99年にTVCMに使用されたことをきっかけに再ヒット、最高9位とオリジナルを凌ぐ成績を残している。
17位 Winchester Cathedral - The New Vaudeville Band('66米1位/英4位)
 サイケデリック・ムーブメントが盛り上がりを見せていた1966年、1930年代風のノスタルジックで何処かとぼけたサウンドを持つ「ウィンチェスターの鐘」は並みいる最新型のロックをかき分け、全米チャートのトップに立ってしまった。このプロジェクトを立ち上げたのはイギリスのソングライター、ジェフ・スティーブンスで、拡声器を通したような声色のボーカルも彼が担当。この曲はビーチ・ボーイズの歴史的名曲「Good Vibrations」を抑えてその年のグラミー最優秀楽曲賞を受賞したが、この快挙はブライアン・ウィルソンに心酔し、イギリス産のソフト・ロックを量産した(サジタリアスが取り上げたソフト・ロックの古典「My World Fell Down」は彼の作品である)スティーブンスには皮肉な出来事であった。
18位 Wednesday's Child - John Barry Orchestra
 「007」シリーズで世界中の音楽ファンにその名を知られることとなったジョン・バリーは60年代半ばから後半にかけて「ナック」「野生のエルザ」(共に65年)、「冬のライオン(68年)」「真夜中のカウボーイ(69年)」など立て続けに名作サウンドトラックをものにしたが、この「さらばベルリンの灯(The Quiller Memorandum)」もその一つ。「007」同様スパイ映画だがそのテーマは重く、ドイツで勢力を拡大し始めたネオ・ナチをせん滅するためジョージ・シーガル扮するイギリス諜報部員が単身組織に乗り込むサスペンス・アクション。メインテーマである「Wednesday's Child」のボーカル・バージョンは「ロシアより愛をこめて」に続いてマット・モンローが担当、やや哀愁味を帯びたメロディで「ロシア〜」同様日本で高い人気を呼んだ。
19位 Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band - The Beatles
 作品単体の質は議論の余地があるが、世界中に巻き起した現象や影響力にかけてはロック史上空前絶後のアルバムである「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」は、ロックアルバムとしては異例のシングルカット曲を含まない“トータル作品”であった(実際にシングルカットされてナンバー1ヒットを記録するだけの曲があったかは疑問)。とはいえラジオがこの話題作を取り上げない訳にはいかず、アルバムのテーマ曲が繰り返し流されてこれは当時としては珍しい“アルバム・カット”ヒットとなっている。なおこの曲がシングルになったのは70年代に入ってから(アルバムどおり「With A Little Help From My Friends」とのメドレー)で、78年にアメリカで最高71位、イギリスでは63位を記録した。
20位 Groovin' - The Young Rascals('67米1位/英8位)
 「Peppermint Twist('62米1位/英33位)」のヒットを放ったジョーイ・ディーのバックバンドである「スターライターズ」出身のメンバーを中心に結成されたニューヨーク出身のロックバンド、ヤング・ラスカルズはこの時代を代表する“ブルー・アイド・ソウル”グループ。フェリックス・キャヴァリエのソウルフルなボーカルをメインに、R&Bとニューロックを融合させた彼ら独特の音楽スタイルが完成したのが3枚目のアルバム「Groovin'」で、この曲はポップチャートで全米ナンバー1を記録したばかりでなくR&Bチャートでも最高3位と、立派な“R&Bヒット”を記録している。本国の人気に比べ日本におけるヒットはあまり多くないが、その後の再評価により現在は60年代後半の最重要バンドの一つと見なされている。


(2006.1.17)

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