TOP10 HITS OF LAST CENTURY
Presented by meantime

■ Record Mirror 1968 Best Selling Singles

01 What A Wonderful World - Louis Armstrong (HMV)
02 I Pretend - Des O'Connor (Columbia)
03 Those Were The Days - Mary Hopkin (Apple)
04 Help Yourself - Tom Jones (Decca)
05 Young Girl - Gary Puckett and The Union Gap (CBS)
06 Delilah - Tom Jones (Decca)
07 Little Arrow - Leapy Lee (MCA)
08 Baby Comeback - The Equals (President)
09 The Good, The Bad And The Ugly - Hugo Montenegro (RCA)
10 Jesamine – The Casuals (Decca)

 昭和43年、UK年間チャートのナンバー1はなんとルイ・アームストロングの「この素晴らしき世界(英1位/米116位)」でした。

 “サッチモ”ルイ・アームストロングの経歴をここで紹介し始めると、コーナーがそれだけで終わってしまうほどのボリュームになるのでやめておきますが、1900年生まれの彼はこの時既に68歳。この年になって新たに契約した米abcレコードからの第一弾シングル(本国では67年にリリース)は、フラワー・ムーブメントの盛り上がりに呼応したピースフルな内容になりましたが、当時は殆ど評判にならずチャート成績は上記のとおり。一方大西洋を隔てたイギリスでこの曲は熱狂的に受け入れられ、4週連続1位を記録。本国で1964年に「ハロー・ドゥーリー」で記録したのと同様、イギリスでも“最年長者ナンバー1”のタイトル・ホルダーとなりました。

 アメリカではそれから20年後、アームストロングは1971年に亡くなっていますから彼の死後17年の1988年にこの曲は映画「グッドモーニング・ヴェトナム」の挿入歌に使用され、「ああ、なんて素晴らしいこの世界」という歌と対照的なヴェトナムの田園地帯に爆弾が降りそそぐ光景(映画より)が使われたプロモーションビデオが強い印象を残して再ヒット、最高32位(イギリスでは53位)を記録しました。

 続く2位「I Pretend」のデス・オコナーはコメディアンからTVタレント兼シンガーに転じ成功を収めたエンターテイナー。このところUKチャートを紹介するシリーズを続けていますが、この手のシンガーが随分頻繁に登場しますね。彼は67年〜68年に「Careless Hands(67年英6位)」、この「I Pretend(68年英1位)」、「1-2-3 O'Leary(68年英4位)」と立て続けに大ヒットを飛ばし、以降現在に至るまで英TV界で活躍を続けているそうです。

 3位にはビートルズがこの年設立した「アップル」からの新人第1号、メリー・ホプキンの「悲しき天使(英1位/米2位)」。以前日本の洋楽チャートを紹介したときにこの曲を取り上げたことがあったと思いますが、おさらいしておくとウェールズで“歌う女学生”として活躍していた彼女はTVのタレント・ショーに出演したところ、モデルのツィッギーの目にとまり彼女の友人であるポール・マッカートニーに紹介されて新設のアップル・レコードと契約。ビートルズの「ヘイ・ジュード」に続く“Apple 2”というレコード番号をもらったデビュー・シングル「悲しき天使」はロシア民謡をベースにしたという哀愁味溢れるメロディと、ホプキンの清楚なルックスがウケてなんと「ヘイ・ジュード」を蹴落としてUKチャートのナンバー1に輝くという快挙を成し遂げました。

 余談になりますが、彼女の“フォークギターを抱えた美少女”というイメージ、これは60年代半ばにフォークロックサウンドが盛んになり始めた頃から目立つようになったもので、中でもホプキンに先駆けること数年、イギリスで成功を収めたのがマリアンヌ・フェイスフルでした。UKチャートで6曲のヒットを放った彼女の活躍はレコード各社を刺激し、様々な“女の子フォークロック”が登場しましたが、先日イギリスのロックバンド、セント・エティエンヌのメンバー、ボブ・スタンリーが中心となって編纂している60年代ガールポップのCDコンピレーション「Dream Babes」第5集でこの“女の子フォークロック”が特集され「Folk Rock and Faithful」のタイトルで発売されました。その手の音楽に興味のある方は、探し出して聴いてみて下さい。

 4位と6位に入っているのはこの時期絶好調、トム・ジョーンズ。4位「ささやく瞳(英5位/米35位)」は1962年に映画「恋愛専科」の主題歌としてエミリオ・ペリコリの歌が世界中でヒットした「Al Di La(英30位/米6位)」で知られるイタリアのラバティ・カルロ・ドニーダというソングライターと、イギリスのジャック・フィッシャーマンが競作したもの。この時代この手の“汎ヨーロッパ”的な歌が随分作られていたみたいですね。一方6位の「デライラ(英2位/米15位)」では再びレス・リードとバリー・メイソンがクレジットに登場、この時期の彼を代表するダイナミックなバラードになっています。

 1曲戻って5位はアメリカのポップグループ、ゲイリー・パケットとユニオン・ギャップ。ハンサムで甘い声のボーカリスト、ゲイリー・パケットを中心としたこのグループはミリタリー・ルックに身を固め、バブルガム・ポップとMORの中間のようなサウンドを聴かせる如何にもこの時期といった感じのポップスで約2年間ヒット曲を連発しました。この「ヤング・ガール(英1位/米2位)」は彼らのプロデューサーであるジェリー・フラーの作品。パケットの声を活かした朗々と歌い上げるタイプの曲です。7位のリーピー・リーことリー・グラハムはイギリスのエンターテイナーで、小さい頃からそこら中を跳ね回っているような子供だったことから“Leapy”というニックネームが付けられたそうです。彼にとって実質一発ヒットである「リトル・アローズ(英2位/米16位)」はカントリーっぽいサウンドと唐突に登場する裏声の歌が耳に残るポップスで、この数年後「カリフォルニアの青い空(1972年米5位)」を大ヒットさせるアルバート・ハモンドとマイク・ヘイズルウッドの2人による作品でした。

 8位「ベイビー・カムバック(英1位/米32位)」のイコールズは在英ジャマイカ人を中心に結成されたバンド。この時期イギリスのライブシーンでは多くの人種混成グループが活躍し始めていて、その中のいくつかは彼らのようにヒットチャートにも登場しました。イコールズが結成されたのは1965年のことで、「ベイビー・カムバック」は早くも翌66年にシングルB面曲として発表されましたが当時は評判にならず。ヨーロッパ各地をツアーし、人気を高めていった彼らは67年にドイツでこの曲をリリース、大ヒットとなったことから逆輸入という形でイギリスで再発売され、ナンバー1ヒットとなりました。なおイコールズのレパートリーの殆どを作曲し、1972年にグループから独立したエディ・グラントは80年代に入って英米のチャートで大成功を収めることになります。

 9位はクリント・イーストウッド主演のマカロニ・ウェスタン「続・荒野のガンマン(公開は66年)」のテーマ曲として作られたエンニオ・モリコーネのメロディを、ウーゴ・モンテネグロ楽団が演奏したもの(英1位/米2位)。「続」というからには勿論ただの「夕陽のガンマン」も存在する訳で、こちらは1965年の公開。モリコーネ版のテーマ曲は日本のラジオではよくかけられたそうですが、カバーが作られなかったせいか英米のヒットチャートには登場しませんでした。最後10位はポップグループ、カジュアルズの「ジェサミン(英2位)」。メリー・ホプキンが世に出るきっかけとなったタレント・ショーで勝ち抜いた経歴を持つという彼らは、本国よりもイタリアで人気があったそうですが、この「ジェサミン」だけは話は別。元々は近年英キャッスル・レコードから出されている「Ripples」というCDシリーズを通してソフトロックファンに名前を知られるようになったグループ、バイスタンダーズが録音した「When Jezamine Goes(ジェザミン?)」がオリジナルだそうですが、彼らはこれをよりキャッチ−なハーモニー・ポップに料理して大ヒットを記録。ほんの一瞬ではありましたが故国に錦を飾ることができました。


(2003.12.30)

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