TOP10 HITS OF LAST CENTURY
Presented by meantime

■ Billboard HOT100 March 14, 1970

01 Bridge Over Troubled Water / Simon & Garfunkel (Columbia) (3)
02 Travelin’ Band/Who’ll Stop The Rain / Creedence Clearwater Revival (Fantasy)
03 The Rapper / The Jaggerz (Kama Sutra)
04 Rainy Night In Georgia / Brook Benton (Cotillion)
05 Ma Belle Amie / The Tee Set (Colossus)
06 Give Me Just A Little More Time / Chairmen Of The Board (Invictus)
07 Thank You (Falettinme Be Mice Elf Again)/Everybody Is A Star / Sly & The Family Stone (Epic)
08 Hey There Lonely Girl / Eddie Holman (ABC)
09 He Ain’t Heavy, He’s My Brother / Hollies (Epic)
10 Evil Ways / Santana (Columbia)

 曲目、アーティスト名の後ろに書いてあるのは、そのシングルがリリースされたレーベル名です。この翌週からジョン・レノンの「インスタント・カーマ」とビートルズの「レット・イット・ビー」が同時にTOP10内に登場し、熾烈なトップ争いを開始する直前の3/14付、第1位はサイモンとガーファンクルの歴史的な大ヒット「明日に架ける橋」でした。この曲をタイトルとしたアルバムを最後にパーマネントなユニットとしてはコンビを解消した二人を、当時コロンビア・レコード社長だったクライブ・デイビス(今度アリスタを辞めるあの人です)が自伝で「グループ解散は間違いだったと言わざるを得ない。その後二人が成功したといってもその売上はせいぜい100万枚ずつくらい、コンビでやればその何倍もレコードが売れたのに」と非常にビジネスマン的な視点で書いていたのが思い起こされます。

 続いて2位はジョン・フォガティ率いるC.C.R.(本国ではこの表記は通用しないそうですが)の「トラヴェリン・バンド」。彼らはハードな曲とアコースティックな曲をカップリングしてリリースすることが多く、その戦略が功を奏して多くの両面ヒットを生みました。ただ、そのどちらも人気を呼んでしまったがためにラジオのエアプレイが集中せず、その多くがナンバー1を獲れずに2位に甘んじてしまったのですが。。

 3位はピッツバーグ出身のブルーアイド・ソウルバンド、ジャガーズの「ラッパー」。この曲を含む彼らのファーストアルバムはファンク・フィーリング溢れる好盤で、現在の耳でも楽しめること請け合い。ジョー・コッカー版を“完コピ”した「With A Little Help From My Friends」には大笑いしてしまいますが。なおこのバンドのリードシンガー、ドニー・アイリスは70年代後半に「Play That Funky Music(この週7位にランクインしている「Thank You」のフレーズを引用)」をヒットさせたワイルド・チェリーに中途加入後、80年代に入って「Ah! Leah!」のソロヒットを放ちました。

 続いて4位は60年代を代表する黒人バラディアー、ブルック・ベントン起死回生の復活打「雨のジョージア」。残念ながら彼はその後この曲に匹敵するヒットを生むことなく80年代に亡くなりましたが、「雨のジョージア」は今もなお多くの人々のフェイバリット・レイン・ソングとしてレコードコレクションに加えられています。5位はオランダのグループ、ティー・セットの「マ・ベラミ」。ポップ界の錬金術師/プロデューサー、ジェリー・ロスが70年代初頭にオランダから買いつけ、彼のレーベル、コロッサスを通じてアメリカ市場に紹介したポップソングの中には、ショッキング・ブルーの「ヴィーナス」やジョージ・ベイカー・セレクションの「リトル・グリーン・バッグ」など、現在日本でも生命力を保ちつづけているものがあります。残念ながらこの曲を耳にする機会はなかなかありませんが、なかなか親しみやすいメロディを持った小品。

 6位はモータウンをスピン・オフしたプロデューサーチーム、ホランド=ドジャー=ホランド(HDH)の3人が設立したレーベル、インヴィクタスから登場したチェアメン・オブ・ザ・ボード。フォー・トップスのリーヴァイ・スタッブスを彷彿させるジェネラル・ジョンソンのボーカルは、HDHの生み出すサウンドに非常にマッチし、数々の名曲を生みました。グループ解散後彼は南北キャロライナ州で根強い人気を誇る、軽快なR&Bビートに乗って踊る“ビーチ・ミュージック”シーンの王様的存在となり、数年前もラモーンズのメンバーとともに非常にのーんびりとした「Rockaway Beach(駄洒落だ!)」のカバーバージョンを録音しています。

 7位はワイルド・チェリーの元ネタ、というよりジャネット・ジャクソンの「Rhythm Nation」の元ネタと言った方が通りがいいかもしれないスライ&ファミリー・ストーンの「Thank You」。この曲あたりから彼の作風には徐々に影の部分が大きくなり、歴史的名盤と呼ばれるアルバムを残す反面、私生活はボロボロという局面に突入していきます。結局彼は現在に至るまで満足なカムバックを果たしていないわけですから、シニカルな言い方をすれば我々音楽ファンは如何に多くの破綻した人生に恩恵を被りながら(?)名盤を楽しんでいるか・・ということになりますね。

 あとはやや駆け足気味にいきましょう。8位のエディ・ホルマンはファルセット・ボイスが美しいフィラデルフィアの男性R&Bシンガー・ソングライター。元々ルビー&ロマンティックスが「Hey There Lonely Boy(こちらも名唱)」として発表した曲のリメイクであるこの作品、この時代のR&Bクラシックの一つとして現在でも頻繁に耳にすることがあります。9位はグラハム・ナッシュ脱退後のホリーズ「兄弟の誓い」。この曲はニール・ダイアモンドもカバーしましたし、80年代に入ってイギリスでリバイバルヒットしたりと曲の知名度の方が彼らを上回っている感もあります。

 で、10位がようやくたどり着いたサンタナ。彼はこの翌年に「Black Magic Woman」を再びTOP10入りさせた後も人気アーティストとして80年代に至るまでその地位を守り続けますが、3曲目のTOP10ヒット、そして初めてのナンバー1ヒットである「Smooth」が生まれるまでにはこれからあと30年も待たなければいけないとは、当時の誰も思わなかったでしょう。サンタナ本人も21世紀になろうという現在までトップアーティストとしてギターを弾き続けているなんて微塵も思わなかったでしょうし。


(2000.7.5)

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