TOP10 HITS OF LAST CENTURY
Presented by meantime

■ Record Mirror Singles Chart January 17, 1970

01 Two Little Boys - Rolf Harris (Columbia)
02 Suspicious Minds - Elvis Presley (RCA)
03 All I Have To Do Is Dream - Bobby Gentry and Glen Campbell (Capitol)
04 Ruby Don't Take Your Love To Town - Kenny Rogers and The First Edition (Reprise)
05 Tracy - Cuff Links (MCA)
06 Sugar Sugar - The Archies (RCA)
07 Melting Pot - Blue Mink (Philips)
08 Good Old Rock 'N' Roll - The Dave Clark Five (Columbia)
09 Reflections Of My Life - The Marmalade (Decca)
10 Come And Get It - Badfinger (Apple)

 昭和45年1月第3週、UKチャートのナンバー1はロルフ・ハリスの「トゥ・リトル・ボーイズ(米119位)」でした。

 いきなり馴染みの薄い曲に当たってしまいました。ロルフ・ハリスはオーストラリア出身のアーティスト。彼が世界にその名を知られたのは「Tie Me Kangaroo Down Sport(『悲しきカンガルー』60年英9位/63年米3位)」の大ヒットによってで、曲中で聞かれる「絶縁ボード」のホワン、ホワンというサウンド(プラスチックの下敷きを曲げて出す音を想像して下さい)が耳に残るこの曲は、世界中の人々が「オーストラリアの歌」といえばまっ先に口ずさむ程の浸透度を見せたことから、その後「オーストラリア第二の国歌」と言われるまでになりました。

 アメリカや日本ではほぼこの曲「一発屋」という存在の彼ですが、イギリスや本国オーストラリアでは継続して活躍。68年にはイギリスで「ナイト」の称号を貰っているそうですから、ヒットチャートには現れない分野で忙しくやっていたようですね。で、その彼が60年代末にオーストラリアで耳にしたのが、1860年代のアメリカ南北戦争を題材に1903年に作られた「Two Little Boys」という曲。幼少期に木馬で遊んだ2人の少年(日本でいうところの“竹馬の友”?)が成長して戦場に赴き、一人が窮地に陥ったところを幼なじみが軍馬で救い出すという物語、ベトナム戦争という世相背景も影響したのかイギリスに戻ったハリスがTV ショーで披露したところ大反響を呼び、1960年代と70年代をまたぐ6週間にわたってUKチャートのトップを独走しました。

 タレントであり、脚本家であり、イラストレーターでありと、多岐にわたる活動をしているロルフ・ハリスがこの次にUKチャートのTOP10に登場するのはそれから20年以上たった1993年、あの「天国への階段」をポルカっぽく(?)アレンジしたものによってでした(最高7位)。

 続く2位からしばらくは「これがUKチャート?」という顔ぶれになっています。まず2位はエルヴィスの「サスピシャス・マインド(米位)」。“暗黒の60年代”を抜け、68年暮の通称「カムバック・スペシャル」の成功で音楽シーンの第一線に返り咲いた彼は翌69年に当時最先端のポップ・サウンドを生み出していた故郷メンフィスに“カムバック”、レコーディング・セッションから生まれた 曲は次々とヒットチャートの上位に登場しました。また彼はこの年の夏、その後の彼のイメージを決定つける“ラスヴェガスでジャンプスーツ”のショーに明け暮れる日々をスタート、象徴的なタイトルがつけられたアルバム「From Memphis To Vegas/From Vegas To Memphis」に収録された「サスピシャス〜」は彼にとって7年ぶりの全米ナンバー1となりました。

 そして3位はポップカントリーの男女デュエット、グレン・キャンベルとボビー・ジェントリーの「夢を見るだけさ(米27位)」。ポップカントリーが安定して人気のあった当時のイギリスでキャンベルは69年の「Wichita Lineman(米3位/英7位)」でブレイク、2年間に4曲のTOP10ヒットを放つ活躍を見せました。一方ジェントリーの方は「Ode To Billy Joe(67年米1位/英13位)」が成功した後、69年にイギリスのみでシングルカットされたバート・バカラック作の「I'll Never Fall In Love Again」が全英ナンバー1を記録。人気者同士のデュエットということでこのシングルも大ヒットしました。この曲はR&R兄弟デュオ、エヴァリー・ブラザーズの大ヒット(58年米1位/英1位)のカバーでしたが、2人はこれ以前にエヴァリ−兄弟の「Let It Be Me(60年米7位/英13位)」もカバー(こちらは69年米36位)。話は変わりますが、昨年末に発売された竹内まりやの「Long Time Favorites」にはやはりエヴァリ−兄弟のカバー「Walk Right Back」が山下達郎とのデュエット版で収録されておりまして。これはキャンベルとジェントリーが録音したバージョン(「夢を見るだけさ」のシングルB面に収録)を参考にしたものなのだそうです。

 余談続きで恐縮ですが「夢を見るだけさ」のB面に「Walk Right Back」が収録されているシングルが発売されたのは日本とヨーロッパのみだったようで(アメリカ盤にはキャンベルのソロ「Less Of Me」が入っています)もし当時、達郎少年が手に入れたシングルが日本盤でなくアメリカ盤だったら、「Longtime Favorites」の「Walk Right Back」は全然違った感じのものになったかも知れません。。次の4位もカントリー、しかしこの当時はまだヒッピー代表のようだったケニー・ロジャース率いるファースト・エディションの「町へ行かないで(米6位)」。この曲は彼が初めて米カントリーチャート入りを果たす記念すべき曲となりました(最高39位)。

 5位と6位は当時アメリカのヒットチャートを席巻していた“バブルガム・ポッ プ”。5位「トレイシー(米9位)」のカフ・リンクスも、6位「シュガー・シュガー(米1位)」のアーチーズも、実体のないスタジオ・プロジェクトで、しかも呆れたことにどちらもスタジオシンガー、ロン・ダンテが歌ったものでした。当時のリスナーは気づかなかったんでしょうかね?アーチーズはプロデューサーのドン・カーシュナーが、自分の言うことを聞かなくなったモンキーズの替わりに(?)手がけたアニメのキャラクターで、文句を言わない(当たり前だ)アーチーズはモンキーズとまったく同じ手法によってヒットチャートで成功を収めました。

 7位は今度はイギリス産バブルガム。ソングライターチーム、ロジャー・クックとロジャー・グリーナウェイにニュージャージー出身の黒人女性シンー、マデリン・ベルが加わったこのプロジェクト(ステージ上ではクックとベルのデュエット形式)は恐らく当初ワン・ショットで企画されたものと思われますが、ヒットが続いてしまったため活動を継続。70年代前半を通じてR&B色の強いポップスをヒットチャートに送り込むことになります。そして8位にはまだいた、デイヴ・クラーク・ファイヴの「ロカビリー!」。R&Rリバイバルの風潮にのっかったこの曲は「Sweet Little Sixteen」「Long Tall Sally」「Chantilly Lace」「Whole Lotta Shakin' Goin' On」「Blue Suade Shoes」といったR&Rスタンダードのメドレー。このヒットに気をよくした彼らはこの年の後半に「More Good Old Rock 'n' Roll」を発表、最高34位を記録しています。70年代イギリスには多くのR&Rリバイバル・アーティストが登場しますから、そのハシリと言えなくもないですね。

 残る2曲を手短に。9位は前回も紹介したマーマレードの「リフレクション・オ ブ・マイ・ライフ(万華鏡)(米10位)」イギリスでは10曲以上のヒットを放った人気バンドでしたが、アメリカではビージーズそっくりのこの曲のみの一発屋に終わりました。他にもいい曲あるんですけどね(前回と同じこと書いているかも知れない)。私はこの次に出た「Rainbow(米51位/英3位)」のしみじみした感じが好きです。最後10位はバッドフィンガーの「マジック・クリスチャン(米7位)」。アイヴィーズとしてビートルズのアップル・レコードと契約しながら一度挫折し、改名してポール・マッカートニー作/プロデュースのこの曲を与えられ、リング・スタ−主演映画の主題歌に起用されるという万全の体制で再デビ ューを果たし、見事ヒットを記録しました。


(2004.1.20)

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