TOP10 HITS OF LAST CENTURY
Presented by meantime

■ 洋楽ポピュラーシングルチャート1971.3.25

1.ナオミの夢/ヘドバとダビデ(RCA)
2.マイ・スイート・ロード/ジョージ・ハリスン(Apple)
3.シーズン/アース・アンド・ファイアー(Polydor)
4.この胸のときめきを/エルヴィス・プレスリー(RCA)
5.ノックは3回/ドーン(Bell)
6.愛のワルツ;雪が降る/アダモ(Odeon)
7.ローズ・ガーデン/リン・アンダーソン(CBS Sony)
8.雨を見たかい/クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル(Liberty)
9.ブラック・マジック・ウーマン/サンタナ(CBS Sony)
10.嵐の恋/バッドフィンガー(Apple)

 歌謡曲チャートでは加藤登紀子の「知床旅情」が1位を記録していた昭和46年3 月、洋楽チャートのナンバー1はヘドバとダビデの「ナオミの夢」でした。

 これまた濃い“日本の洋楽ヒット”が登場しました。ヘドバとダビデの二人 は、イスラエルの男女デュオ。当初ヘブライ語で歌われていたこの曲は「東京国 際歌謡音楽祭(後の「世界歌謡祭」)」でグランプリを獲得し、日本語盤が吹き 込まれてヒットを記録しました。と、いっても、この「世界歌謡祭」というのが 一定の世代以下の方には何のことかさっぱりわからないかも知れませんが。「世 界歌謡祭」はおそらく“サンレモのような音楽祭を日本でも開催しよう”という 意図でこの前年スタートしたものと思われ、世界各国のアーティストが作品を持 ち寄って競い合うという高尚な(?)イベントでしたが、それがいつの間にか主 催のヤマハ音楽事務所の新人売り出しの場に変貌し、中島みゆきなどの時代はま だよかったかも知れませんが、やがて名うての“一発屋量産祭り(円広志、アラ ジン、TOM★CAT・・)”になっていくのでした。

 それはともかく。片桐和子による「ひとり見る夢は/素晴らしい君の/踊るそ の姿・・」という文法的に混乱してしまいそうな訳詞がつけられたこの曲は大ヒ ット。それまでの日本の歌謡曲にはなかったタイプの“歌謡曲”として大いに受 け入れられました。この曲の歌謡界における影響は結構あるように思われて、た とえばカラオケスタンダード“うぉんちゅっ!”の敏いとうとハッピー&ブルー 「星降る街角(1977年)」などは、この曲無しには生まれなかったことでしょ う。

 続いて2位はジョージ・ハリスンの「My Sweet Lord(米1位/英1位)」。ソロ として華々しいスタートを切り、その後とんでもないトラブルに巻き込まれるこ の曲にまつわる様々な事柄は、彼が亡くなった際に“追悼フラッシュバック”と して書いておりますので、バックナンバー(Vol.214)をご参照ください。その 後のこの曲に関する話題といえば、追悼シングルとしてリリースされた「My Sweet Lord 2000(英1位/米94位)」のヒットでしょうか。同じアーティストに よる同曲の別バージョンが31年を経てアメリカのチャートに登場するのは、これ はちょっとした記録かな、と思ったのですが、その後何ヶ月かしてエルヴィスの 「A Little Less Conversation(こちらは34年)」が出てしまったので、 ネタ としては使えないまま終わってしまいました(って今使ってるじゃん!)。3位 はアース、ウィンド&ファイアならぬアース・アンド・ファイアの 「Seasons」。R&Bグループではないこちらはオランダのロックグループで、前年 以来成功を続けていたショッキング・ブルーに続け!と日本で紹介されたアーテ ィストの一組。

  4位はエルヴィスの“うぇなせっ!!”「You Don't Have To Say You Love Me (米11位/英9位)」。イタリア産のこの曲は「サンレモ音楽祭」に出品され、 ダスティ・スプリングフィ−ルドによる英語盤が世界中でヒットを記録したこと は以前紹介済み(Vol.158)。“ラスベガス時代”に突入していたエルヴィスが 映画「エルヴィス・オン・ステージ」で披露したこの曲は日本で特に大きな人気 を博し、数十万枚の売上げを記録しました。続く5位はドーンの「Knock Three Times(米1位/英1位)」。トニー・オーランドと黒人女性2人の“トニー・オー ランドとドーン”は70年代を代表する人気グループの一つに成長しましたが、こ の時期はまだ実体のないスタジオ・プロジェクト。スタジオのベテラン、オーラ ンドはこの曲でもボーカルをとっていますが他のメンバーは流動的で、当時のシ ングルジャケットにはむさ苦しい男性グループとして正体不明の何人か(オ−ラ ンドらしき人が見当たりません。。)登場していました。

 6位にはこれまた日本で大変な人気を博したサルヴァトーレ・アダモのシング ルが。日本のファン向けに彼はここで日本語録音のシングルを発表。「愛のワル ツ」もなかなかいい曲ですが、もう片面に収録された「雪が降る(Tombe La Neige)」が圧倒的な人気を呼びました。「雪は降る/貴方は来ない/雪は降る /重い心に」という散文調の日本語詞(安井かずみ作)は強烈なインパクトを残 し、アダモはその後数十年に亘って日本に赴いてはこの曲を披露し続けました。 7位はポップ・カントリーシンガー、リン・アンダーソンの「Rose Garden(70年 米3位/英3位)」。本国でもスタンダード化している大ヒットですが、日本では 筒美京平によって生み出された我が国ポップスのスタンダード、南沙織の「17 才」の原曲としてより知名度は高いかも知れません。そういえば彼女、当時「ロ ーズ・ガーデン」のカバーも録音しているんですよね。「いい度胸してるな ー。」とは言われなかったのでしょうか?

 後半は駆け足で。8位はC.C.R.の「Have You Ever Seen The Rain(米8位/英 36位)」。歌詞に登場する「晴天から雨が降り注ぐ光景を見たことがあるか い?」というのは、ベトナムに爆弾がまき散らされる様子を歌ったものだという 話を聞いたことがあります。現在またまた戦争が始まりそうな、嫌な雰囲気の中 にありますが、今回はそんな詩的(?)な表現など思い浮かばぬほど、有無を言 わせぬ破壊力で“事務的”に事が進められそうなことをニュースが報じていま す。

 9位はサンタナのブレイク作「Black Magic Woman(米4位)」。これはピータ ー・グリーン在籍時のフリートウッド・マックのカバー(オリジナルは68年英37 位)ですが、それをサンタナ持ち前の“歌謡性”でもって日本で大ブレイクさせ ました。近々行われる何度目かの来日公演でも、この曲はじっくり堪能できるこ とでしょう。最後10位はバッドフィンガーの「No Matter What(米8位/英 5位)」。“パワー・ポップ”ですかね。


(2003.3.18)

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