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で、そのエルヴィスもチャートに登場しているのであわせて紹介。この週8位の「バーニング・ラヴ」は彼にとって最後の大ヒットといってもよい作品(キャッシュボックス誌では1位を獲得)。同誌でいえば115作品目のTOP100エントリーとなるこの曲には、プリシラ・プレスリーと別れ、当時ミス・テネシーとつきあっていたという彼の心情が色濃く反映されているそうです。なおこの曲、イギリスでも1位を記録しているので“2002年の”来週一体何位にニューエントリーしてくるのか楽しみな彼のベスト盤「ELVIS 30 #1 HITS(「A Little Less 〜」がボーナスで収録されているので、正確には“31 #1 HITS”)」にもしっかり収録されています。
2位に入っているのはスリー・ドッグ・ナイトが人種融合を歌った「ブラック・アンド・ホワイト」1950年代に生まれたこの曲は1971年にイギリスでジャマイカのグループ、グレイハウンドのバージョンがヒットしており(英6位)、それを耳にした彼らはカバーすることを決心したそうです。このグレイハウンドの作品を含め、当時イギリスのヒットチャートにはジャマイカのトロージャン・レコードから数多くの作品が送り込まれましたが、今年に入って同社からUKチャートを賑わせた(またはそのカバーがヒットした)50曲を集めた 「TROJAN UK HITS BOX SET」という3枚組が発売されています。結構安価で入手できるはずなので、興味のある方は是非輸入レコード店または通販サイトを探してみて下さい。
3位はポップなR&Bトリオ、メイン・イングレデイエント。60年代に“ポエツ”としてキャリアをスタートし「She Blew A Good Thing(66年38位)」というヒットを持つ彼らは70年代を迎えるにあたって改名、以降順調にR&Bヒットを積み重ねていましたが、71年にリードボーカルのドナルド・マクファーソンを白血病で失います。で、新たに加入したのがキューバ・グッディングで、彼をメインに最大のヒットであるこの曲が生まれました。
音楽性は非常にポップながら、この時代のボーカルグループが持つスイートさやディープさもしっかり堪能できる彼ら。こういうグループがいっぱいいるからR&Bファンはやめられません。なおキューバ・グッディングは映画「ザ・エージェント」などでお馴染みの俳優キューバ・グッディング・ジュニアの父親。息子の七光りという訳ではないでしょうが、近年彼はステージに上がる際キューバ・グッディング“シニア”を名乗っている様です。
続いて4位は異色“R&Rの神様”チャック・ベリーが登場。1950年代にR&Rの一大ムーブメントが起こり、ヒットチャートで大活躍した彼でしたが、60年代に入ると個人的な問題もあり暫し低迷。しかしビートルズやストーンズの登場により再びその存在がクローズアップされた1964年にTOP40に復活し、それから8年。60年代後半には再度50年代のR&Rが見直される風潮が起こって多忙な巡業生活を送っていた彼の「マイ・ディンガリン」はイギリスでのライブ録音。内容はなんといったらいいんでしょう、日本にも“♪父ちゃんこのイモなんのイモ〜”という甚だ品のよろしくない唄がありますが、これはその英語版といっていいんでしょうか(こちらでは“Silver Bells”と非常に詩的な表現になっています)。1950年代にニューオリンズで作られたこの“R&B小唄”を、観客の男女パート分けされたコーラスを伴ってチャック翁が一節うなる、といった趣。
5位は美形ロックバンド、ラズベリーズ。彼ら最大のヒットである「ゴー・オール・ザ・ウェイ」はブリティッシュロックの影響が色濃く表れているイントロ(カッコいい!)とシャウトに続いて、エリック・カルメンによるロイ・オービソンばりの甘い歌声が響き渡るというなかなか味わい深いポップロック。カルメンがその後ソロとしても成功したのは皆さん御存じの通り。6位はシカゴがその後よりポップなアプローチを強めていく分岐点となった「サタデイ・イン・ザ・パーク」。何週間か前、東京のローカルTV番組でこの曲のドキュメンタリーをやっていたのですが、この曲の舞台となっているのはメンバーのロバート・ラムがツアー中に立ち寄った独立記念日のセントラル・パーク、そしてもっと以前、幼少期を過ごしたブルックリンの公園も強くイメージされているのだとか。番組の内容はホームページにアップされているので、御覧になってみて下さい。
毎度のことながら後半は駆け足で参ります。7位はマイケル・ジャクソンのソロ「ベンのテーマ」。曲調は非常にほのぼのしていますが、映画「ベン」の方は殺人ネズミと病弱な少年の心の交流を描いたというホラー映画(??)。マイケルは小さい頃からこういったものが好きだったんですね。9位ビル・ウィザースの「ユーズ・ミー」はナンバー1ヒット「リーン・オン・ミー(私を頼りに)」を生んだ彼最大のヒットアルバム「スティル・ビル」からのカット。アコースティック・ギターとファンキーなバンドサウンドの絡みが非常にカッコいい“オリジナル・クラシック・ソウル”です。
最後10位は“帝王”ジェイムス・ブラウンの「グッド・フット」。60年代末から70年代初頭にかけて絶頂期にあった“JBファンク”でしたが、不思議なことにビルボードのポップチャートではそれらの作品はTOP10入りをことごとく逃します。同誌での最後のTOP10ヒットは「Say It Loud - I'm Black And I'm Proud(68年)」で、そのようなメッセージ色を強い作品を作ったがために、メディアの白人に嫌われた結果だとブラウン氏は語っていますが、真相はどうなんでしょう?キャッシュボックスの方では、ややマシな成績が残っている様ですが。
(2002.10.2)Flashback Homecopyright (c) 2000-2003 by meantime, all rights reserved. |