TOP10 HITS OF LAST CENTURY
Presented by meantime

■ Record Mirror Singles Chart March 3, 1973

01 Cum On Feel The Noize - Slade (Polydor)
02 Part Of The Union - The Strawbs (A&M)
03 Blockbuster - The Sweet (RCA)
04 Sylvia - Focus (Polydor)
05 Cindy Incidentally - The Faces (Warner Bros.)
06 Do You Wanna Touch Me - Gary Glitter (Bell)
07 Whiskey In The Jar - Thin Lizzy (Decca)
08 Baby I Love You - Dave Edmunds (Rockfield)
09 Lookin' Through The Eyes Of Love - The Partridge Family (Bell)
10 Feel The Need In Me - Detroit Emeralds (Janus)

 昭和48年3月第1週、UKチャートの1位はスレイドの「カモン!!(米98位)」でした。

 相当UKロック色の強いチャートになってきましたね。前回も登場したスレイドは71年以降驚異的な連続ヒットを飛ばしていた時期。前回から今回にかけてのヒットをリストにしてみますと(括弧内は最高位)

1971年10月 Coz I Luv You (#1)
1972年2月  Look Wot You Dun (#4)
1972年6月  Take Me Bak 'Ome (#1)
1972年9月  Mama Weer All Crazee Now (#1)
1972年11月 Gudbuy T' Jane (#2)
1973年3月  Cum On Feel The Noize (#1)

 という凄まじさ。リリース毎にタイトルの綴りがどんどんいい加減になっていく感じもなんか面白いですが、この「カモン!!」は中でも狂躁的なハードポップで、メルマガ読者の中には80年代のクワイエット・ライオットによるカバー(83年米5位/英45位)を懐かしく思い出す方もいらっしゃるかも知れません。彼らはこの調子で更に2年ヒットを飛ばし続け、70年代イギリスでもっとも人気のあったバンドとして、そしてグループのヒット曲を次々と生み出したヴォーカルのノディ・ホルダーとべースのジミー・リーは70年代を代表するヒットメーカーとしてUKチャートに君臨しました。

 グラム・ロックブームの渦中にあったこの時期のチャートには、スレイドをは じめとして様々な“グリッター・ロック”バンドが登場していますのでそちらを併せて紹介しましょう。3位「ブロックバスター(米73位)」のスイートは60年代後半に結成されたポップ/ロックバンド。当初は典型的なバブルガム・ポップを“歌わされて”いましたが、グラム・ロックブームの到来に合わせてプロデューサーのニッキー・チンとマイク・チャップマンは彼ら本来の持ち味に近い“ハード・ポップ”路線の作品を提供。「ブロックバスター」は彼らにとって唯一のUKナンバー1ヒットでしたが、その他に“ナンバー2ヒット”を5曲放ち、更に他のUKグラム・ロックバンドが果たせなかった(せいぜい一発屋どまりだった)「アメリカでのブレイク」を成し遂げてスレイドに匹敵するビッググループとなりました。

 そして6位に入っているのが“グリッター・ロック”の代名詞的存在、ゲイリー・グリッター。彼の金ぴか(グリッター)ファッションとロンドン・ブーツ(イギリスでもこう呼ぶのか?)、そして単調ながらも迫力のあるR&Rサウンドはこの時代の聴衆の心を掴み、72年の「Rock And Roll (Part 2)(英2位/米7位)」は英米で大ヒットを記録して彼はたちまちスターになりました。「Do You Wanna Touch Me」も殆ど「ロックン・ロール・パート2」と同系統のサウンドで、これも大ヒット。その後「ロックン・ロール・パート2」はアメリカで“スポーツ・アンセム”となり、全米のあらゆるスポーツ会場で何万回も繰り返し流されるようになります。

 現在我が国ではアイスホッケーを題材にしたドラマが流行っており、そのBGMとしてやはり“スポーツ・アンセム”であるクイーンの「We Will Rock You」が盛んにかけられたこともあって(勿論主題歌の「I Was Born To Love You」効果が大なのは承知ですが)彼らのベスト盤がオリコンでナンバー1を記録する程のヒットになっていますが、あのドラマで使われたのがもし「ロックン・ロール・パート2」だったら・・なんてことは妄想するだけ時間の無駄ですけれども、その後色々あってイギリスには居辛くなってしまった彼が、21世紀に入って何故か日本で大ブレイク、なんてことがあったらそれはそれで面白かったんですが。

 さて。グラム・ロックもので随分スペースをとってしまったので、残りはサク サクいきましょう。UKロックものはまだまだ続きます。2位はイギリスのトラディショナルな音楽をルーツに持つロックバンド、ストローブスの「パート・オブ・ザ・ユニオン(米111位)」。元はブルーグラス・バンド“ストロベリー・ヒル・ボーイズ”として活動していたという彼らは70年代に入ってロックサウンドを取り入れ、このアコースティックなロックが大ヒットを記録。その後ヒット曲にはあまり恵まれないバンドでしたがメンバーの出入りを繰り返しながらバンドは20年近く存続、多くのアルバムを残して熱心なUKロックファンに聴き続けられているようです。4位「シルヴィア(米89位)」のフォーカスはオランダのロックバンド。ストローブスもフォーカスも“プログレ”のカテゴリーに入れられ ることがあるようですが、この2曲を聴いてみると両者のスタンスには相当な違いがありますね。フォーカスはインストを得意とするバンドで、それが英語圏にも受け入れられ易かったようです。「シルヴィア」のサウンドは後のAORや産業ロックに通じる雰囲気を持っていて、日本のポップスにも少なからぬ影響を与えているかな、という印象。

 そして5位はフェイセスの「いとしのシンディ(米48位)」。以前このシリーズで紹介したスモール・フェイセズからボーカルのスティーヴ・マリオットが抜け、後釜としてロッド・スチュアートとギターのロン・ウッドを加えて再出発した彼ら、しかしロッドは並行してソロ活動も行っており、71年には「マギー・メ イ」が英米でナンバー1ヒット。どうしても“ロッドのバンド”というイメージで当時はフェイセスのヒット曲も聴かれていたようです。とりあえず初期は、ソロはアコ−スティック路線、バンドは「〜シンディ」も含め強力なR&Rと、作風の違いを打ち出していたようですが。どちらも魅力的ではあります。7位はアイルランドのハードロックバンド、シン・リジーの「ウイスキー・イン・ザ・ジャー」。ヴォーカル/ベースのフィル・リノットを中心としたこのバンドにとって初めてのヒット(この曲)は、アイルランドの酒飲みソング(?)をロック化したものでした。シン・リジーが本格的にブレイクするのは1976年以降で、ギター にブライアン・ロバートソンと、彼以前に短期間バンドに在籍していたゲイリー・ムーアがほぼ交互に参加するような形で多くのヒットを放っていきます。

 8位もUK、でも毛色は相当違うデイヴ・エドモンズの「ベイビー・アイ・ラヴ・ユー」。これはロネッツ1963年のヒット(米24位)のカバーで、スペクター・サウンドを相当意識した感じ。エドモンズはソロとして、そしてプロデューサーとしてもかつてのR&Rサウンドを蘇らせる名人で、オールディーズの世界に入ったのは彼がきっかけ、という人も少なくありません。オールディーズファンにとって恩人の一人であります。

 最後が見えてきました、9位はパートリッジ・ファミリーの「涙の片想い(米 39位)」。この時期はもうパートリッジ一家の人気は下火になっており、アメリカではこれが彼ら最後のTOP40ヒットとなりましたが、イギリスで非常に根強い人気を保ったジーン・ピトニーのカバーであることとと、グループの中心デヴィッド・キャシディが大変な人気を博していたことから、これだけのヒットを記録。その後デヴィッドは本国より2年程長くヒットを出し続けることが出来ました。10位は渋い!アーカンサス出身だけど“デトロイト・エメラルズ”。R&Bグループです。この曲は特にイギリスで人気が高かったようで、1977年には再録音盤がチャートインし、最高12位を記録しています。


(2004.3.2)

Flashback Home 


copyright (c) 2000-2004 by meantime, all rights reserved.