TOP10 HITS OF LAST CENTURY
Presented by meantime

■ 洋楽ラジオ・チャート1977年間(その1)

01 ハード・ラック・ウーマン/キッス
02 ダンシング・クイーン/アバ
03 ふたりのラヴ・ソング/カーペンターズ
04 テレフォン・ライン/エレクトリック・ライト・オーケストラ
05 クリスティーン・シックスティーン/キッス
06 夢の中の恋/ベイ・シティ・ローラーズ
07 イエスタデイズ・ヒーロー/ロックン・ローラー/ベイ・シティ・ローラーズ
08 ウォーク・ディス・ウェイ/エアロスミス
09 ホテル・カリフォルニア/イーグルス
10 星空のふたり/マリリン・マックー&ビリー・デイビスJr.

1位 Hard Luck Woman - Kiss('76米15位)
 ドナ・サマーをはじめとするディスコ作品で大いに当てたカサブランカ・レコードの、もう一つの大ヒット商品が、猟奇的なメイクを施しエンターテインメント性の高いステージを披露したハード・ロックバンド、キッス。アメリカでは75年に発表されたライブアルバム「Alive!(地獄の狂獣)」でヒットメーカーの認知を得たが、我が国でもその翌年人気に火がつき新しいタイプの“洋楽アイドル”としてチャートを席巻した。この曲はハード・ロックではなくアコースティック・ギターにのせたロッド・スチュアート調(もう少し控えめに言えばブライアン・アダムス調?)のアメリカン・ロックで、その毒々しいイメージに“ひいた”音楽ファンも「これなら聴けるじゃん。」と取込みに成功したことが大ヒットの要因だろう。
2位 Dancing Queen - ABBA('76米1位/英1位)
 70年代前半に日本でも「木枯らしの少女」がヒットしたスウェーデンのソングライター・コンビ、ビョルンとベニーは、当初より活動を共にしていた女性シンガー2人(各々の妻でもあった)を正式メンバーに「ABBA」として活動を開始、74年に発表した「Waterloo(『恋のウォータールー』米6位/英1位)」がユーロビジョン・ソング・コンテストのグランプリを獲得し、世界的にその名を知られるようになった。その後10年近くにわたって別格的な人気を誇ったイギリスと比較すると、アメリカの市場は彼らに冷淡(?)だったが、ディスコ・ブームに呼応したような(但しディスコ・チャートにはランクインしなかった)この曲で念願の全米ナンバー1を獲得。彼らは「世界の恋人」のキャッチフレーズを得るに至る。
3位 All You Get From Love Is A Love Song - The Carpenters('77米35位)
 カーペンターズがこの年にリリースしたアルバム「パッセージ」からのファースト・シングル。この曲は元々作曲者のスティーヴィ・イートンが1974年に彼のファーストアルバム「Hey Mr. Dreamer」で発表していたもので、曲のタイトルもなかなか意味深長な(ちょっと哀しい?少なくとも“ふたりの”ではない)ものがあるが、サビの一節「最高のラヴ・ソングは失恋した時の気持ちから生まれるのさ」というのも、いずれ何処かで引用したくなるような名フレーズである。サウンドは時代なりにかなり洗練された感じで、後に“AOR”と呼ばれるものにかなり近くなっている。かつての「A&Mサウンド」に親しみを覚えていたリスナーにとっては、彼らの変化は少々淋しいものがあったのかも知れないが。
4位 Telephone Line - Electric Light Orchestra('77米7位/英8位)
 60年代後半にイギリスで人気を博したグループ、ムーヴが発展する形で誕生したのがエレクトリック・ライト・オーケストラ。当初はやや難解な作風など試行錯誤も見られたが、70年代半ばにはジェフ・リンを中心にコマーシャルな路線を打ち出し、以降大ヒットを連発していった。「テレフォン・ライン」は彼らの黄金期の到来を宣言したアルバム「A New World Record(オーロラの救世主)」からのカットで、電話のプッシュ音や回線を通したような声を入れるなど凝りに凝ったサウンドのバラード。グループ名のとおりのオーケストラ・サウンド(やがてシンセサイザーに移り変わる)とジェフ・リンが生み出すビートルズの多大な影響下にあるメロディ・ラインは、日本でも多くのファンを獲得していく。
5位 Christine Sixteen - Kiss('77米25位)
 キッスが打ち出したコンセプトの元となったのは、アリス・クーパーの演劇的な要素と、ニューヨーク・ドールズのグラム・ロック的雰囲気の2つだったという。彼らと契約したカサブランカの社長ニール・ボカートはその演出に相当入れ込んでおり、有名な火を吹くパフォーマンスは、ボカートが手品師を招いて彼らに仕込んだものなのだとか。彼ら最大のヒットアルバムである「Love Gun」からカットされた「クリスティーン・シックスティーン」は、タイトルのとおり如何にも10代向けのストレートなR&R。当時批評家は「彼らのファンは音楽ではなくそのメイクに惹かれているのだ。」とその音楽性を認めなかったが、90年代に入って若い世代のアーティストたちにより再評価の気運が高まったところを見ると、ファンはメイクだけを見ていた訳ではなかったようだ。
6位 You Made Me Believe In Magic - Bay City Rollers('77米10位/英34位)
 バブルガム・ロック路線の退潮に合わせるように、作風を“バンドごっこ”からアダルトなディスコ・サウンドへと移行させたBCRの、ひとまずの成功作。もはやボーカルのレスリー以外はいてもいなくても同じ、という感じのサウンド・プロダクションとなっており(一応書いておくが、曲自体はポップスとしてはなかなかの高水準に仕上がっている)、ヒットメーカーとしてひとまずの延命は叶ったものの、ここまできてしまったらグループの崩壊は避けようがなかっただろう。この曲を作ったレン・ブーンは80年代にチェンジに「This Is Your Time('83米R&B33位)」を提供したばかりでなく自らもダンス・レコードを何枚か発表しており、78年には「Love Won't Be Denied」をディスコ・チャートの20位に送り込んでいる。
7位 Yesterday's Hero/Rockn' Roller - Bay City Rollers('76米54位)
 「時代遅れの存在にはなりたくない!」。彼らの代表曲の一つと見なされている「イエスタデイズ・ヒーロー」の人気が高い理由は、ひとえにその後の彼らの運命を暗示するような曲のテーマにあるのだと思う。来日公演の熱狂が覚めやらぬ我が国(曲のイントロ前に「アンコール!アンコール!」と叫んでいるのは、日本の少女たちだろうか?)では文句なしの大ヒット、カップリング(アメリカでは「Dedication(『青春に捧げるメロディ』米60位)」のB面に収録されていた)の「ロックン・ローラー」も人気を呼んだ。その後瞬く間に「イエスタデイズ・ヒーロー」となった彼らは、現在に至るまで何万回もこの曲をネタにイジられることとなった。そういう意味では非常に“オイシイ”曲と言い方も出来る??
8位 Walk This Way - Aerosmith('76米10位)
 1970年にニューハンプシャー州で結成された(その後本拠をボストンに移す)エアロスミスはブリティッシュ・ロックのルーツを色濃く持ったハード・ロックバンド。72年にメジャー・デビューを果たしたが、その人気が本格化するのは1976年、ファースト・アルバムに収録されていた「Dream On」がリバイバル・ヒットを記録(米6位)して以降。この年は現在も代表作とされるアルバム「Rocks」がリリースされていたが、そこからカットされたシングルのチャート成績が地味だったからか一作前の「Toys In The Attic(闇夜のヘビイ・ロック)」から改めてこの曲がシングル発売され、見事大ヒット。日本でこの曲は「お説教」の邦題で知られているがそれはアルバムのみ、シングルヒットを狙うにはやはり「お説教」はないでしょう、と判断されたのか?
9位 Hotel California - Eagles('77米1位/英8位)
 70年代有数の大ヒットアルバムとなった通称「ホテカリ」タイトル曲。爽やかなギター・サウンドとコーラスに彩られた“ウエスト・コースト・ロック”の金字塔だが内容は暗く、60年代後半以来続いた「ロックの時代」の終焉や喪失感が歌われており、詞の中の「1969年以降(ロックは)スピリットを失ってしまった」という台詞は、その後様々なメディアで繰り返し引用され続けることとなる。近年では中年ロック・ファンがカラオケ・ボックスでこの曲を見つけるとつい懐かしくなってリクエストしてしまうが、ひとしきり歌った後で始まる終盤のギターソロが、同席者がうんざりするほど長いことを思い出し、結局途中で「演奏中止」ボタンを押してしまう・・という曲として、若い世代にもよく知られている(?)。
10位 You Don't Have To Be A Star (To Be In My Show) - Marilyn McCoo & Billy Davis Jr.('76米1位/英7位)
 60年代後半から70年代前半にかけてヒットチャートで大活躍した4人組ボーカル・グループ、フィフス・ディメンションは、日本でも「輝く星座(アクエリアス)」「ウェディング・ベル・ブルース」といったヒットを残したが、そこから独立したのがマリリン・マックーとビリー・デイビスJr.の夫婦。フィフス・ディメンションのサウンドの再現を注意深く避けながらもポップに仕上げた「星空のふたり」は幅広く支持を集め、アメリカではポップとR&B両方でナンバー1を記録した。日本でこの曲は「東京音楽祭」のグランプリに選ばれ、当然のようにTBSのチャートで大ヒット。続いて来日記念盤としてリリースされた「My Love For You(虹をわたる恋)」もこの年の年間チャートで25位と、かなりの人気を博している。


(2005.4.19)

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