TOP10 HITS OF LAST CENTURY
Presented by meantime

■ CASH BOX TOP 100 SINGLES: Week ending November 18, 1978

01 MacArthur Park - Donna Summer (Casablanca)
02 How Much I Feel - Ambrosia (Warner Bros.)
03 Hot Child In The City - Nick Gilder (Chrysalis)
04 Kiss You All Over - Exile (Warner/Curb)
05 Double Vision - Foreigner (Atlantic)
06 You Don't Bring Me Flowers - Barbra & Neil (Columbia)
07 Ready To Take A Chance Again - Barry Manilow (Arista)
08 You Needed Me - Anne Murray (Capitol)
09 I Just Wanna Stop - Gino Vannelli (A&M)
10 Sharing The Night Together - Dr. Hook (Capitol)

 昭和53年11月第3週、キャッシュ・ボックスチャートのナンバー1は、ドナ・サ マーの「マッカーサー・パーク」でした。

 前回紹介した通り77年に「I Feel Love」が大ヒットし、「愛の誘惑(Love To Love You Baby)」の一発屋でないことを証明した彼女は、この78年に入って猛 烈な勢いでヒットを飛ばし始めます。

 しかし、ディスコシーンから登場したということで、どうしてもプロデューサ ーに“作られた”イメージが強いのは否めない。それを払拭しよう、と企画され たのかどうかは分かりませんが、彼女のアーティストとしての力量をシーンに問 うアルバム「Live And More」をリリース。これをナンバー1に送り込み、彼女は トップアーティストとしての地位を確立しました。参考までにこの時期彼女がキ ャッシュ・ボックスチャートに送り込んだヒットを列記しておきましょう(日付 はチャート登場月)。

78年9月 MacArthur Park(1位)
79年1月 Heaven Knows(4位)
79年4月 Hot Stuff(1位)
79年5月 Bad Girls(1位)
79年8月 Dim All The Lights(3位)

 すごい。彼女のさらなる活躍は次回以降また紹介します。今回登場している 「マッカーサー・パーク」は2枚組だった「Live And More」の“More”の部分、 アルバム片面を占めていたスタジオ録音の組曲からカットされたもの(同様にメ ドレーの一部となっていた「Heaven Knows」もカットされ、上記の通りヒットを 記録)。この曲は60年代にイギリスの俳優リチャード・ハリスが録音し、ヒット を記録したジミー・ウェッブ作の大作(当時としては異例の6分以上に亘る作品 でした)をダンス化したもので、彼女はこの難曲を見事に歌い切りました。で、 ちょっと余談。リチャード・ハリスは残念ながら先日亡くなりましたが、彼の死 亡記事の見出しは「ハリー・ポッターの校長死去」でした。確かにそうなんです けれども、かつての彼の活躍を知るものにとってはちょっと複雑な気持ちでし た。

 今回のチャート、2位以下は非常にメロウなタイプのヒット曲で占められてい ます。まず2位「お前に夢中」のアンブロージアはこの時期を代表する所謂 “AOR”バンド。サウンドはメロウ、ボーカルはハイ・トーン、というバンドが 非常にたくさんありました。AORといえばこのチャートにはもう一人忘れてなら ないカナダ出身のジノ・バネリも9位にランクイン。「アイ・ジャスト・ウォ ナ・ストップ」は感傷的なバラードですが、彼の本領はちょっとプログレ的とい うか、“天才青年”っぽい凝った展開のある曲の方にあるんでしょうね。但し、 彼のこれ以降のヒット曲は皆“感傷的”方面に流れたものになってしまうのです が。

 3位と4位は“一発屋”系ヒット。「ホット・チャイルド」のニック・ギルダー はこれまたカナダ出身のシンガーソングライター。躰を売りながら生活をしてい る10代の街の少女を取り上げた社会性が話題となりました。一方「キッス・ユ ー・オール・オーバー」のエグザイルは、ケンタッキー出身のロックバンド。デ ィスコ・ビートを巧みに取り入れたこのメロウ・ロックナンバーが大ヒットとな り、シーンの一線に登場しました。

 その後ニック・ギルダーは「Here Comes The Night(39位)」を、エグザイル は「You Thrill Me(43位)」を残しヒットチャートの表舞台から姿を消します が、エグザイルの方は80年代に入って路線をカントリーに変更し成功。活動は現 在も続いており、先月熊本で開催された野外イベント「カントリー・ゴールド」 で来日も果たしたようです。当日は雨に降られて大変だったそうですが「Kiss You All Over」はアンコールでしっかり披露された模様。

 なお「Hot Child In The City」「Kiss You All Over」ともにプロデュースは イギリスのマイク・チャップマンが担当。日本では70年代前半のスージー・クア トロ一連のヒット曲でお馴染みの彼がこの時期アメリカでブレイク、この2曲に 加え翌年はブロンディの「Heart Of Glass」、ナックの「My Sharona」と仕掛け たっぷりのナンバー1ヒットを連発し“マイク・チャップマン黄金期”という、 今となってはどうでもいいような成功を収めることになります。

 5位にはようやく登場ロックらしいロック、フォリナーの「ダブル・ビジョ ン」。前年発表したデビューアルバムに続き、この曲がタイトルに冠されたセカ ンドアルバムも大成功。ボーカルのルー・グラム(彼もハイ・トーンでした)を 中心にヒット曲を連発した彼らは、80年代に入ってアメリカを代表するロックバ ンドの一つに成長します。

 続く6〜8位にはアダルトなアーティストが。6位はバーブラ・ストライサンド とニール・ダイアモンドという大物二人の顔合わせ「愛のたそがれ」。この曲は 元々ストライサンドがアルバム「Songbird」で、ダイアモンドが「I'm Glad You're Here With Me Tonight」でそれぞれ取り上げていたものを、あるラジオ 曲のDJが面白がってミックスしデュエット・バージョンを流したところ反響を呼 び、それならば、ということで共にコロンビア・レコードに所属していた二人が デュエット版を改めて録音、という経緯があったとか。当時大変な人気を博して いた二人ですから、この曲は当然のようにナンバー1を獲得しました。7位は“ミ スター・アリスタ・レコード”バリー・マニロウの壮大なバラード「愛に生きる 二人」。この曲はゴールディ・ホーンとチェビー・チェイスが共演した映画「フ ァール・プレイ」サントラ収録曲ですが、同作からはもう一曲、マニロウのテー マ曲的存在である「Copacabana (At The Copa)(最高10位)」も生まれました。

 8位はアン・マレーの「辛い別れ」。70年代を通じてヒットを飛ばし続けた彼 女はカナダ出身(今回はカナダ出身が多いですね)のポップ・カントリーシンガ ー。新進のアーティストからビートルズナンバーまで幅広く取り上げてヒットチ ャートに送り込みましたが70年代の半ばには育児のため暫し休業。復帰作である この曲が見事ナンバー1を記録しました。カントリーの世界で彼女は90年代初頭 までヒットを放ち続け、近年はクリスチャン・ミュージック方面で活躍している 模様。数年前に彼女のゴスペル集が突如アルバムチャートに登場し、その後すぐ 消えたことがありましたね。

 最後10位はドクター・フック。アーティスト/評論家のシェル・シルバースタ インの作品を歌うバンドとして70年代初頭数々のユニークな作品を発表した彼ら は、半ばになってよりメロウ(アメリカでいうところの“ソフト・ロック”)な 路線に転換、多くの音楽ファンに親しまれました。この「めぐり逢う夜」も例に もれずメロウ(今回は何度“メロウ”という言葉が登場したんでしょう?)なミ ドル・ナンバー。彼らはこのタイプとしては珍しく、イギリスでも人気を集めた グループでした。

(2002.11.19)

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