TOP10 HITS OF LAST CENTURY
Presented by meantime

■ 洋楽シングルチャート 1991.10.7
01 イン・ディス・カントリー〜明日への勝利/ロビン・ザンダー(Sony)
02 ユー・クッド・ビー・マイン/ガンズ・アンド・ローゼズ(MCA Victor)
03 アンチェインド・メロディ/ライチャス・ブラザーズ(Polydor)
04 ビコーズ・アイ・ラブ・ユー/スティービーB(Toshiba EMI)
05 アイ・ドゥ・イット・フォー・ユー/ブライアン・アダムス(Pony Canyon)
06 プライマル・スクリーム/モトリー・クルー(WEA)
07 イフ・ウィ・ホールド・オン・トゥゲザー/ダイアナ・ロス(MCA Victor)
08 ドント・クライ/ガンズ・アンド・ローゼス(MCA Victor)
09 スウィート・ラヴ/ランディ・クロフォード(Warner Japan)
10 とどかぬ想い/ビリー・ヒューズ(Pony Canyon)
約1年に亘ってお届けしているこの「日本の洋楽チャート」シリーズもようやくカウントダウンを迎えられる年代に入りました。平成3年10月の洋楽チャートナンバー1を記録していたのはロビン・ザンダーの「In This Country」。チープ・トリックのボーカルを務めている彼がこの曲を録音したのは1987年で、シルベスター・スタローン主演の腕相撲映画「オーバー・ザ・トップ」サントラのため。70年代後半に登場したチープ・トリックはアイドル性も兼ね備えたR&Rバンドとして日本をはじめ本国でも人気を博したグループでしたが、80年代に入るとメンバー脱退等もあり活動は低迷、「In This Country」は暇な時期のアルバイト、といった感じの録音だったのかも知れません。
で、チープ・トリックは翌88年に「The Flame(米1位)」の大ヒットで見事復活、短期間ながらシーンの第一線に復帰するのですがそれはまた別の話。では、この当時既に発表から4年の歳月がたっていたこの曲が何故この時期にヒットしているのか?それはこの曲がTV番組のテーマ曲に使われたから。
その使われた番組というのがF1中継だったのですが、当時はエラくF1が盛り上がっていて、その象徴的なスターだったアイルトン・セナがまだ活躍していた時期。スクエア(日本のフュージョン・バンド)によるメインテーマとともに、このエンディングテーマも当時友人の車の中でやたら聞かされた思い出があります。曲自体はあまり面白味あるものではありませんでしたが。
続いて2位以下の紹介。「In This 〜」もそうですが、今回は映画、そしてTVがらみのヒット曲が多数。このコーナーを辛抱強く読み続けている方はよくご存知だと思いますが、日本の洋楽チャートは映画関連が強い、という傾向は昭和30年代から変わっていませんので、これは「伝統」なのかもしれません。
2位のガンズ・アンド・ローゼス「You Could Be Mine(米29位/英3位)」はアーノルド・シュワルツェネッガー主演のヒット映画「ターミネーター2」主題歌。通称「ガンズ」は西海岸出身のハードロックバンドで、それまでMTVやヒットチャートを賑わせていた華美なハードロック(一時音楽そっちのけでヘアスタイリストの腕の競いあいみたいになっていたので「ヘア・メタル」なんて呼ばれ方もしたようです)とは違った“ヤバさ”を醸しだし、87年発表のアルバム「Appetite For Destruction」で大ブレイク。この年の彼らは力作「Use Your Illusion」の「1」と「2」を同時にリリースし、英米のアルバムチャートで同時に1、2位を独占するという成功の頂点にあった時期。
参考迄に「You Could Be Mine」は「2」に、このチャート8位に入っている「Don't Cry(米10位/英8位)」は「1」の方に収録されていましたが、この手のバンドがテンションを保って活動を続けられる時期というのはそう長くはないもので、彼らはやがてメンバーの出入りが激しくなり、発表される作品が散漫なものとなっていきました。現在も「ガンズ」は存在、というかボーカルのアクセル・ローズがバンド名の権利を持っており、彼がバンドを組めば何でも「ガンズ・アンド・ローゼス」と名乗れるようなのですが、新作発表の噂が出たり消えたりの状態が続いています。
3位はこの時期を代表する洋楽ヒット、ライチャス・ブラザーズの「Unchained Melody」。彼らが1965年に録音し、アメリカで最高4位を記録したこの曲にまつわる話を始めると、それこそこのコーナー一回分の字数は優に超えてしまうのであまり昔の話には触れないことにして、この時期この曲がヒットしているのは映画「ゴースト」に使用されたことから。当時彼氏/彼女のいた我が国の若年男女全員が観たといわれる(大袈裟だな)大ヒット映画効果でこの曲は我が国でもスタンダードの仲間入りを果たし、イギリスでは1位を記録。本国アメリカでもオリジナルのドーナツ盤(最高13位)と新たに録音されたカセットシングル(最高19位)の2バージョンがヒットチャートで競り合うという珍しい現象が見られました。
4位はスティービーBの「Because I Love You(米1位/英6位)」。マイアミ出身の彼は当初チープなサウンドのダンスナンバーを得意としたアーティストでしたが、この感傷的なバラードが大ヒット。日本でもCMに使われたことによって知名度が大幅に上がりました。残念ながら日本では完全なる“一発屋”でしたが、本国ではヒットチャートに10曲以上の作品を送り込み、結構粘り強く活躍したアーティストです。以前ミニコミの記事を書くために彼のその後を調べたことがあったのですが、どうやらバーベキューのチェーン店を経営しているらしい、という情報を見かけました。スティービーBのバーベキュー、一度食べてみたい。。
5位はブライアン・アダムス「(Everything I Do) I Do It For You(米1位/
英1位)」。84年に発表したアルバム「Reckless」が大ヒットし、日本でも男性ソロアーティストとしては多分一番人気があったのではないか?と思われるほど愛された彼、80年代後半は低迷期を迎えましたが、ケビン・コスナー主演の映画「ロビン・フット」主題歌のこの曲で見事復活。アメリカで7週連続1位を記録したのも立派でしたが、それまで彼に比較的冷淡だったイギリスではそれを大幅に上回る16週連続1位という記録的な大ヒットになりました。これに味を占めた彼はその後やたらと映画の主題歌を歌うようになり、一時のケニー・ロギンス的な状態になってしまったのは少々気になりましたが。
6位はモトリー・クルーの「Primal Scream(米63位/英32位)」。他のバンドとともに“ヘア・メタル”シーンを盛り上げた彼らでしたが、その音楽性はいわ
ゆる「LAメタル」というよりはストレートなR&Rというべきもので、1989年にはアルバム「Dr. Feelgood」の大成功でシーンのトップに。この曲はこの成功を受けて発売されたベストアルバムに収録されていたもので、音楽界には「ベスト盤を出すとその後売れなくなる」というジンクスのようなものがあるのですが、彼らもその例に漏れずやがてヒットチャートから遠離っていきます。そろそろ「オルタナの時代」が始まりそうな時期でしたし、ドラムが縦に一回転してしまうような彼らの派手なロックは、ひとまず役割を終えたということなのでしょうか(やがて復活しますが)。
7位は前年に引き続き登場、ダイアナ・ロスの「If We Hold On Together」。詳細は前号をご覧下さい。これは別に一年間ずーっとチャートに居座り続けていた訳ではなく、CMか何かに使われたことによって再リリースされたもの(前年と発売元が変わっている点に注目)。彼女の来日公演のアンコール定番曲です。
最後9位と10位はドラマ「もう誰も愛さない」からのヒット。吉田栄作の時代ですか。。9位「Almaz(86年英4位)」のランディ・クロフォードは、80年代を
通じて英米で安定した人気を保っていた女性R&Bシンガー。数年前にはクルセイダーズの演奏にフィーチャーされた「Street Life(79年米39位)」が映画「ジャッキー・ブラウン」に使用され、再び注目されたりもしました。しかし、彼女のアルバムからこの曲を選んで日本でシングルカットするとは・・いわゆる“洋楽ファン”とは別の耳の持ち主による判断なんでしょうね。ヒットしたんだから何の問題もないんですが。10位「Welcome To The Edge」のビリー・ヒューズはAOR系のシンガー。“ビル・ヒューズ”名義のアルバムが近々日本で復刻されるようですね。
(2001.10.3)
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