TOP10 HITS OF LAST CENTURY
Presented by meantime

■ 洋楽シングルチャート 1992.10.19

01 君を強く抱きしめて/エドワード・ファーロング(Pony Canyon)
02 キープ・ザ・フェイス/ボン・ジョヴィ(Phonogram)
03 マイ・プレイグラウンド/マドンナ(Warner Japan)
04 Vacation Hot Lovin'/A.S.A.P.(Columbia)
05 JAM/マイケル・ジャクソン(Epic Sony)
06 エンド・オブ・ザ・ロード/ボーイズ・II・メン(Polydor)
07 マイ・ネーム・イズ・プリンス/プリンス&ザ・ニュー・パワー・ジェネレーション(Warner Japan)
08 愛を素直に/アリッサ・ミラノ(Pony Canyon)
09 GET WILD/デイヴ・ロジャース(Avex)
10 雨が叫んでる/MR.ジバゴ(Alfa)

 ・・平成4年の洋楽チャート、だんだん紹介するのがキビシい内容となってきていますが、果敢にやっていって参りましょう。この週のナンバー1は“ポニー・キャニオンもの”エディ・ファーロングの「Hold On Tight」でした。

 彼が注目を集めたのは前年のアーノルド・シュワルツェネッガー主演映画「ターミネーター2」への子役出演がきっかけ。映画はこの時代を代表する大ヒット作となりましたが、子役のエディを歌手デビューさせようと動いたのは、地球上で我が国のレコード会社が唯一でした。

 この時期はニュー・キッズ・オン・ザ・ブロックの盛り上がりが一段落し、新たなアイドルが求められていたものの、ヒットチャートではなかなか10代の(白人)少年少女が活躍し辛い“アイドル氷河期”にありました。アイドルを求める世代はいつの時代にも存在するのに、アメリカのレコード会社は“新しい(≒グランジ?!)ロック”の売り出しに躍起になり、彼らの存在を暫し無視したんですね。その“歪み”が最も顕著に現れたのがこの頃アメリカのヒットチャートでナンバー1を記録した、ドラマから生まれた架空のロックバンド、ハイツの「How Do You Talk To An Angel(92年米1位)」だと思うんですが、これについてはいずれホームページで「History of Bubblegum Rock」の一項目として取り上げることにします。

 ・・と、話が逸れがちなので元に戻しましょう。と、これだけ色々と回りくどい話をしているのは、私が「君を強く抱きしめて」を聴いたことがないから。失礼しました、この頃になると「洋楽チャート1位」という事実は社会的に何のインパクトも残さなくなるんですね。しかもいわゆる“洋楽ファン”とは無縁な“洋楽ヒット”がチャートの大勢を占めるとなると、紹介するこちらも非常にキツい。。でも「洋楽シーンの晩年」を看取る気持ちで、気をしっかりもってやっていきたいと思っています。

 このチャートにはもう一曲“ポニー・キャニオンもの”が登場しています。それがこの週9位のアリッサ・ミラノ「愛を素直に」。彼女もシュワルツェネッガー主演の「コマンドー('85)」で知名度を上げた“子役あがり”。彼女はその後若手“お色気”女優として活躍した後、近年はソープ・コメディの人気者として日本でもお馴染み。一方エディの方はカルキン坊やよろしく「10代後半以降は既に“余生”」な人生を送るかと思いきや、数年前は「アメリカン・ヒストリーX」で、エドワード・ノートンのあまりの変貌ぶりにすっかり喰われてしまった感もありましたが、その熱演で未だ健在、というよりも、まだまだイケる、という勢いを見せてくれました。ただ最近は、ドラッグやらアルコールやら、トラブル続きのニュースばかり耳にしますが。。

 2位に話を移して、もうちょっと洋楽寄りな話で和むことにしましょう。この時代有数の洋楽アイドル、ボン・ジョヴィはいわゆる“ヘア・メタル(詳細はバックナンバー参照)”の象徴的な存在でしたが、彼(ジョン・ボン・ジョヴィ)が非凡なのは、そういったイメージに殉することなく、ヒットチャートを生き残っていった点。この「Keep The Faith(米29位/英5位)」では髪をばっさり切り、ダンサブルなサウンドを打ち出し、市場に受け入れられたのでした。

 彼はその後俳優としてちょっといい印象を残したり、ついこの前はスウェーデンのマックス・マーティンをプロデューサーに迎えて、まるでバックストリート・ボーイズのような曲でTOP40に返り咲いたりしましたが、彼のようなアーティストって、10年のうちに何人かは登場する“才能”なんですよね。認めない訳にはいきません。

 3位はマドンナの「This Used To Be My Playground(米1位/英3位)」。これはアメリカで短期間存在した女性の野球リーグを題材にした映画「プリティ・リーグ(できれば誇り高き原題「A League Of Their Own」を活かす邦題にして欲しかった)」の主題歌。この映画のマドンナ、良かったです。ただ、この映画を観た時は、中心メンバー役のジーナ・デイビスがシュッと投げる鋭くスライドする球(あれは実写だったんでしょうか?)と、この頃から暫く「いい演技しかしなくなる」トム・ハンクスに気をとられてばかりいましたが。

 余談ですがマドンナはこの時期ヒットチャート的には好調ながらも音楽上はスランプに陥り、暫く売れる曲はバラードばかりという状態に入ります。これは98年の復活作「Ray Of Light」まで続きますから、彼女にとっては低迷期にあたるのかも知れません。でも、その間にも女優業に励んだり、子供を身籠るに相応しい男を探し回ったり、色々やってた彼女ではあるんですが。

 4位はA.S.A.P.(As Soon As Possible)の「Vacation Hot Lovin'」。中学生英語の代表的な言い回しとして余りにも一般化してしまったために、外国人と会話する時に使うのに躊躇われる言葉を冠された黒人女性3人組は、90年以降松任谷由実の英語カバーアルバムを立て続けに発表し、それらがそこそこのセールスを記録しました。

 “日本人アーティストの曲を、外国人が英語でカバー”というのは、日本人の英語コンプレックスをいい具合に刺激するんでしょうか、この時期やたらと色々な作品が発売されました。このコーナーを注意深く読み続けて下さっている方は、この傾向が昭和30年代のジョニー・ティロットソンやベンチャーズあたりから続く“伝統”であることに気づかれていることと思いますが、すっかり人気者になった彼女たち(ASAP)、ここではユーミンを離れて様々なアーティストの作品のカバーに取り組むようになりました。

 で、お恥ずかしいことにこの「Vacation Hot Lovin'」、何のカバーか判らない。というか、こんな曲まで解説するのはあたしゃヤだ。追加情報をどなたか是非送っていただきたいものです。

 5位はマイケル・ジャクソンの「JAM(米26位/英13位)」。この曲はアルバム「Dangerous」からのカット。この時期はもうマイケルは殆ど神格化されていて“King Of Pop”という意味があるのかどうか判らない称号をやがて得たりするのですが、確かに「Dangerous」は“King”に相応しい最新のサウンドと彼ならではの流儀が融合した聴き応えのある作品となっていました。

 ・・考えてみると、彼のオリジナルアルバムって、この「Dangerous」以降出てなかったんですよね。今度出るアルバムってどうなんでしょう?プロデューサーとしてロドニー・ジャーキンスを拘束し過ぎたばかりに、彼がすっかり旬を過ぎた印象になってしまったり、国がいきなり戦争を始めてしまったばかりに、勝負作を売り辛い状態になってしまったり・・と先が思いやられる状況になってはいますが。そういった不安材料を吹き飛ばすような名作に仕上がっていることをただ祈るばかり。

 6位はボーイズ・II・メンの「End Of The Road(米1位/英1位)」アメリカで13週連続1位という大記録を生んだこの曲をきっかけに彼らは日本でも別格的な人気を博し、武道館公演を実現します。R&Bグループにしては男臭くない感じがよかったんですかね?7位はプリンスの「My Name Is Prince(米36位/英7位)」、この曲はプリンスがヒップホップを取り入れたと話題になった曲。「俺はプリンス、唯我独尊。」とここでは歌う彼でしたが、やがてレコード会社と裁判沙汰となり“プリンス”の名を放棄、後の来日公演では「プリンスは死んだ〜」とか「俺のこと愛してるなら、俺をプリンスと呼ぶな〜」とか、こっちがどうリアクションとっていいのか戸惑うような発言連発だったことが思い返されます。

 あと2曲、9位と10位はユーロビート。ここでも時代の移り変わりが見られます。この頃はそろそろ「ディスコ」から「クラブ」に移り変わる雰囲気があり、またディスコも東京でいえば(92年がその時期だったかははっきり覚えていないのですが)「マハラジャ」から「ジュリアナ」という流れが感じられました。10位の「雨が叫んでる」はその“守旧派”で、田原“トシちゃん”俊彦がカバーしたことでヒットを記録しました。一方9位のデイヴ・ロジャースは、元々「アレフ」の一員としてアルファ・レコードからユーロビートの作品を発表していた人。彼はその後スーパー・モンキーズからMAXに至る流れ、そしてその男版ともいえるV6に作品を提供、近年は一体何枚出ているのかわからない浜崎あゆみのリミックス盤を手掛けるなど“J-POP界影の巨人”として活躍を続けています。

(2001.10.17)

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