TOP10 HITS OF LAST CENTURY
Presented by meantime

■ 洋楽シングルチャート 1993.10.25
01 ホール・ニュー・ワールド/ピーボ・ブライソン&レジーナ・ベル(Sony)
02 ホール・ニュー・ワールド/ブラッド・ケイン&リー・サロンガ(Pony Canyon)
03 好きにならずにいられない/UB40(Toshiba EMI)
04 Beauty and the Beast 〜美女と野獣〜/セリーヌ・ディオン&ピーボ・ブライソン(Epic Sony)
05 ドリームラヴァー/マライア・キャリー(Sony)
06 シャントン・ラ・ムール/ナタリー(Columbia)
07 オールウェイズ・ラブ・ユー/ホイットニー・ヒューストン(BMG Victor)
08 マジック・カーペット・ライド/スラッシュ&マイケル・モンロー(Warner Japan)
09 エイヴェックス・レイヴ'93 ハイパー・メガ・ミックス/レイヴ・マスターズ(Avex)
10 フィリー・ムード/ダリル・ホール(Epic Sony)
さぁだいぶ現在に近づいて参りました。平成5年10月の洋楽チャートで1、2フィニッシュを決めていたのはディズニー映画「Aladdin」主題歌「A Whole New World (Aladdin's Theme)」でした。
この時期のディズニーは“ジェフリー・カッツェンバーグ時代”まっただ中。80年代、パラマウント映画の幹部として「フラッシュダンス」や「ビバリーヒルズ・コップ」など洋楽ファンにも馴染み深いヒット映画を次々と生み出した彼は、その後ディズニーに引き抜かれます。当時かつての名作がリバイバル上映される度に堅実に収益を生み出すものの、新作の成績は今一つ・・というやや時代遅れなイメージのあった同社は彼の手腕により蘇り、1989年の「リトル・マーメイド」を皮切りに、お馴染みの作品をアニメで焼き直すことでメガヒットを連発していきました。「A Whole 〜」のブライソン&ベル版は全米ナンバー1を記録した大ヒット、2位のケイン&サロンガ版(アメリカではチャートインせず)はアニメのオリジナルキャスト版で「スクリーンどおりの歌が聴きたい。」という要望がそれだけ日本では強かったのでしょう。
このチャートには“カッツェンバーグ路線”のディズニーアニメからもう一曲ヒットが登場しています。セリーヌ・ディオンとまたまた登場、ピーボ・ブライソンの「Beauty And The Beast(米9位)」は「アラジン」の前年に公開された「美女と野獣」の主題歌。“ケベックの歌姫”セリーヌ・ディオンは、70年代でいえばヘレン・レディ系のシンガーで、普通に考えれば日本ではなかなか人気が出辛いタイプなのですが、この後うまいことタイアップ作品を発表し続け、日本でも大成功を収めることになります。
話は変わりますがディズニーの“救世主”カッツェンバーグはこの翌年スティーブン・スピルバーグ、デヴィッド・ゲフィンとともに「DreamWorks」を設立、今度はディズニーの強力なライバルとして映画界を賑わせていきます。一方ディズニーの方はカッツェンバーグの遺産を継承し、こちらも毎年のように話題作を発表し続けていきました。
2位も映画関連。イギリスのレゲエバンド、UB40の「Can't Help Falling In Love(米1位)」は90年代随一のお色気女優、シャロン・ストーン主演映画「硝子の塔」主題歌。この曲は言わずと知れたエルヴィスの“古典”のカバーで、以前書いたかも知れませんが映画「ブルー・ハワイ」で印象的に紹介されたため、ハワイアンではないのにそのリクエストの多さから日本のハワイアンバンドにとって演奏必須曲となっているナンバー。UB40はカバー曲が不思議に大当たりするグループで、本国イギリスでは同時代のどのバンドにも負けないほど数多くのヒットを放っています。
5位は“ヒットチャート女王”マライアの「Dreamlover(米1位)」。この曲はアルバム「Music Box」からの第一弾シングルで、ポップスとしては完璧に近い仕上がりになっていました。あと、これまで登場したセリーヌ、マライアと共にこの時代のヒットチャートを賑わせたホイットニー・ヒューストンのキャリアを代表する大ヒット「I Will Always Love You(米1位)」も登場。「エンダァッ!」のフレーズでお馴染みのこの曲、ホイットニー主演の映画「ボディガード」の大当たりとともに日本でもヒットしました。
ちょうどこの年、私はアメリカに旅行で行ったのですが、元々この曲はドリー・パートン作のカントリーソングということで、当地で観たカントリー系女性アーティストのステージではまず必ずと言っていいほど歌われていた記憶があります。R&B系のアーティストのステージでも、恐らくそうだったんでしょうね。
順番が前後しましたが、6位は和製洋楽。「シャントン・ラ・ムール」はこの道の大家、井上大輔作曲のナンバーで、第一興商のカラオケCMに使用されたもの。そして8位はガンズ&ローゼスのギタリスト、スラッシュとハノイ・ロックスのマイケル・モンローが共演した「Magic Carpet Ride」。
ガンズ&ローゼスはこれまでのハードロックとはちょっと違った雰囲気を持っており、その不良っぽい感じから“バッド・ボーイズ・ロック(死語!)”なんて呼ばれ方がされたこともありましたが、ハノイ・ロックスは80年代に先んじてそういったイメージを打ち出していたバンドで、いわば“ニューヨーク・ドールズとガンズを結ぶ線上に存在した”グループ(分かりにくい?)。日本では特にアイドル的人気が高く、現在も根強いファンが多く存在するようです。
で、この時期マイケル・モンローはガンズの作品に頻繁に顔を出しており、その縁からスラッシュの単独作に参加することになった模様。ステッペン・ウルフのカバーである「Magic 〜」はコメディ番組「サタデイ・ナイト・ライブ」で70年代に演じられていたコント、とんがり頭の「コーンヘッズ」が突如90年代に蘇った映画版サントラに収録されていました。
9位はエイベックスもの。これって確かCDシングルを買うと東京ドームのメ
ガ・ディスコイベントのチケットがついてくる、って感じのやつですよね。こういうのって一過性のものかと思ったら、現在も似たようなことが延々と続けられているのがなんか凄いです。
最後10位はダリル・ホールのソロ「I'm In A Philly Mood(米82位)」。80年代一時代を築いたホール&オーツもこの時期には連続ヒットは途絶えており、この曲を最後にHOT100にはデュオ、ソロ共に現在まで登場していません。
以上今週はここまで。業界向けの音楽誌として毎週ヒットチャートを発表し続けていた「ミュージック・ラボ」ですが、時代の流れからかこの翌年には休刊。次回はまた新しい情報ソースを使って洋楽チャートを紹介したいと思います。それではまた。
(2001.10.23)
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