TOP10 HITS OF LAST CENTURY
Presented by meantime

■ 日本レコード協会洋楽シングルチャート 1994年11月度

01 恋人たちのクリスマス/マライア・キャリー(Sony)
02 ラスト・クリスマス/ワム!(Sony)
03 エンドレス・ラヴ/ルーサー・ヴァンドロス&マライア・キャリー(Sony)
04 薔薇色のメヌエット/ポール・モーリア(Phonogram)
05 トゥシェ/Vie Vie(Columbia)
06 MICKEY MOUSE/ダルファー(Toshiba EMI)
07 ロング・トレイン・ランニン/ドゥービー・ブラザーズ(WEA)
08 今夜きめよう/ロッド・スチュアート(WEA)
09 サークル・オブ・ライフ/エルトン・ジョン(Phonogram)
10 ゲット・オーバー・イット/イーグルス(MCA Victor)

 20世紀末期数年間の洋楽チャートは「大本営発表(ってそこまで胡散臭くないですけど・・)」でいくことにしましょう。以前このコーナーで昭和30年代の洋楽チャートを紹介したことがありましたが、そこで一緒に触れていた邦楽のヒット状況(美空ひばりとか、三橋美智也が1位だったやつ)は「日本電蓄協会」の機関誌「ザ・レコード」に掲載されていた各社別ベストセラーチャートでした。で、この「ザ・レコード」40年近くたったこの時期も毎月発行されているんですね。

 90年代に入って「日本レコード協会」は積極的にレコード産業の活況をアピールしていこう、という方針を打ち出したようで、これまで人任せな印象があった(オリコンを始めとする各社ヒットチャートは推定値の積上げなので、実際の売上と大きく乖離する場合がある)ヒット状況を枚数単位で報告する“オフィシャル・チャート”をスタートさせたり、その年そのジャンルで最もレコードを売ったアーティストだけを表彰する“政治抜きの賞”「日本ゴールド・ディスク大賞」を立ち上げたりと、熱心な活動ぶりが目立ちました。

 邦楽チャートではMR. CHILDREN(いつも思うんですが、邦楽アーティスト名はアルファベット表記なのに、何故洋楽アーティストは頑なにカタカナ表記を続けるんでしょう?)の「Tomorrow Never Knows」が1位を記録していた平成6年11月、洋楽チャートのナンバー1はこの月306,280枚を売り上げた(細かい!!流石「日本レコード協会」!)マライア・キャリーの「All I Want For ChristmasIs You(英2位)」でした。

 この曲は彼女が発表したクリスマスアルバムに収録されていたもので、この時代にしては非常に古いスタイルのサウンド(60年代に発表されたフィル・スペクターのクリスマスアルバムを多分に意識した様子が見られました)に彩られたこのアルバムの中でも違和感を覚えさせない仕上がりの“新曲”でした。結局アメリカではシングル発売はされず、ラジオのエアプレイチャートに数週間登場する程度のヒットに終わりましたが、日本ではドラマ「29歳のメリー・クリスマス」の主題歌に使用された効果が絶大で、邦楽も含めたこの年を代表するヒットの一つとなりました。現在も彼女は来日公演の度に、季節が何時であってもアンコールでこの曲を歌うのがお約束になっています。

 まったくの余談ですが、ドラマ「29歳の〜」は、初回冒頭の山口智子が駆け回るシーンがあまりに見事で、その勢いにつられてその後何回か続けて観てしまった覚えがあります。この前も「ドラマは観ない。」などと書いておきながら、思い出してみると結構観てるじゃん。と恥ずかしい思いが少々。でも年に何本もそういうのはないんですけどね。最近では深田恭子ちゃんのふくれっ面が見たいばかりに「Fighting Girl」に何度かチャンネルをあわせたくらいで。。

 このチャートにはマライアの曲がもう一つ登場しています。ルーサー・ヴァンドロスと共演した3位の「Endless Love(米2位)」は、ルーサーが“現代の古典”を歌いまくる企画アルバム「Songs」の目玉として収録されていた曲。オリジナルはダイアナ・ロスとライオネル・リッチーが歌ったブルック・シールズ主演映画の主題歌(80年米1位)で・・なんていう説明は、このメルマガ読者の方にとって蛇足に下駄を履かせるようなものなので省略。このアルバムからルーサーは加えて「Always And Forever(オリジナルはヒートウェイヴ)」「Love The One You're With(同スティーブン・スティルス)」「Going In Circles(同フレンズ・オブ・ディスティンクション)」と、カバー曲をヒットチャートに送り込みました。

 2位はこの時期の定番、ワム!の「Last Christmas」が。この曲が発表されてこの時期既に約10年、年末になると毎年耳にするこの曲をようやく紹介できて嬉しい限りですが、元々この曲は1984年、彼らが本国イギリスや日本ですっかり人気者となり、アメリカでも「Wake Me Up Before You Go-Go(ウキウキWake Me Up)」でブレイクを果たした時期に発表されたもの。イギリスではこの後3年間クリスマスシーズンになるとヒットチャートに登場、アメリカではこの曲は発表時期を逸したため無視され、カップリング曲だった「Everytjhing She Wants」がナンバー1ヒットとなりました。そういう意味で日本は世界で一番この曲を愛した国といえるのかも知れません。

 4位にはなんとポール・モーリアの「Menuetto」が。「恋はみずいろ」から約30年、日本で本格的に人気が盛り上がってからでも20年以上(バックナンバー参照)たっていますから、このチャート登場期間の長さは驚異的なものがあります。当時放映されていたドラマのテーマに使用されていたこの曲は彼の自作で、なんとなく“カバー専門”というイメージが強いモーリアとしては異色な気もしますが、考えてみたら彼が初めて全米チャートに登場したのはリトル・ペギー・マーチ「I Will Follow Him(63年米1位)」の作曲家としてですから、そう思ってしまうのは彼にとって失礼なことですよね。

 5位のVie Vieはお馴染みの“和製洋楽”。これは日本人スタッフが捏造したフレンチポップなんだそう。6位「MICKEY MOUSE」のダルファーは、90年にユーリズミックスのデイヴ・スチュアートが発表した「Lily Was Here(英6位/米11位)」にフィーチャーされて注目を集め、この時期には特に日本で突出した人気を誇っていたオランダ出身の美人サックス奏者、キャンディ・ダルファーの父親として日本に紹介された ベテラン・サックスプレイヤー(通称“パパ・ダルファー”)。彼も娘に負けず一時期盛んに来日を繰り返し、数多くの作品を発表しました。

 7位と8位はCM絡みで再発されたもの。7位ドゥービーの「Long Train Runnin'(73年米8位)」も8位ロッドの「Tonight's The Night (Gonna Be Alright)(76年米1位)」も、この時期のヒットとして紹介するのはなんとなく気がはばかれる。この時期洋楽チャートというのは本当に成立させるのが難しい時期に入っており、こういった“オールディーズ”も、TVで流れれば簡単にこのくらいのランクに入ってしまうんですよね。あまり気にしないで先を急ぐことにします。

 9位エルトン・ジョンの「Circle Of Life(米18位/英11位)」は、この年ドリームワークスを設立したジェフリー・カッツェンバーグが古巣ディズニーに遺した最後にして最大のヒット作、“平成のジャングル大帝”こと「ライオン・キング」挿入歌。この映画からはもう一曲「Can You Feel The Love Tonight(米4位/英14位)」のヒットが生まれましたが、それまで日本では高額なギャラとそれに対する集客力の見合わない代表的なアーティストとして度々来日公演の実現が見送られていた彼が、このヒットでようやく興行面の目処がついた、という話を当時聞きました。

 最後10位は復活イーグルスの「Get Over It(米31位)」。アルバム「Long Run」以来10数年ぶりに復活した彼らはこの曲が収録されたアルバム「Hell Freezes Over」を発表、続いて大規模なリユニオン・ツアーを行って全米で記録的に収益を上げ続けていくことになります。ツアーは当然日本にも及び、オールドファン及び若い世代の洋楽ファンも“生ホテル・カリフォルニア”に狂喜したのでした。

(2001.11.7)

Flashback Home 


copyright (c) 2000-2003 by meantime, all rights reserved.