クリスマス・ボックス レポレポレポ

あらすじ(第1幕)

1923年12月、今年も旅の楽士(岡幸二郎)とその家族がソルトレークシティにやってきた。クリスマスを間近に控えて浮き立つ街頭で、若い男女がすれ違う。

そして、1958年12月。リチャード・エヴァンズ(東山紀之)とその妻ケリー(純名里沙)そして幼い娘のジェナは、引越しの真っ最中であった。引越し先は一人暮らしの老婦人メアリーアン・パーキン(黒木瞳)の住む豪邸。家賃の代わりに住み込みで家事を手伝えばよいとの条件で、ここに引っ越すことにしたのである。
ケリーの弟バリー(屋良朝幸)は、忘れものを届けにやって来る。そしてジェナがこの家が堅苦しいので嫌がっていること、リチャードの仕事が忙しく、家庭を省みていないことを知る。
騒ぎを聞きつけたメアリーアンが現れ、3人は作業の手を止めてメアリーアンと話をする。
バリーが家中に置かれた時計を見て『偉くなる人は時間に几帳面なんですね』と彼女の夫のことを言うと、メアリーアンは『夫が時計を集めたのは失われた時を遡る時計が欲しかったから』だと答えるのだった。
その時ふいにリチャードが『オルゴールの音が聴こえる』と言い出し、『ここから聴こえる』と取り出したのは古いクリスマス・ボックス。そこには古いカードなどしか入ってないと言われても納得のいかないリチャードであるが、メアリーアンは『次の週に夕食をご一緒しましょう』と言うと、雪の降る町へ出かけてしまうのだった。
そして次の週の夕食会、和やかに歓談するメアリーアンとリチャード一家、そして招かれたバリー。
ジェナは『私も樅の木の匂い、好き!』と、先週メアリーアンに約束してもらったクリスマス・ツリーをねだるのだった。
メアリーアンは『それでは次の土曜日、みんなで買いに出かけましょう』とジェナに請合うが、やはりリチャードは仕事の都合がつかないと言って、ジェナをがっかりさせる。
バリーも家路につき、ケリーがジェナを寝かしつけに二階にあがった後、メアリーアンはリチャードに『まだオルゴールの音は聴こえて?』問うが、リチャードは『もう聴こえない、でも昨日不思議な夢を見ました。天使の夢を』と答える。メアリーアンは『クリスマスの最初の贈り物は何かご存知?』とさらに問い掛けるが、リチャードにはわからなかった。
どんなに雪が降ろうと、毎日3時間ほど出かけて行くメアリーアンの行動に疑問を持つケリーだが、ジェナは『メアリーアンは天使に会いに行く』のだと言う。子ども相手の冗談だと思っていたが、リチャードが帰ってきても、まだメアリーアンが帰っていない日があった。心配する夫婦の前に疲れ果てた様子のメアリーアンが帰宅する。
ケリーは『せめてどこに行くのか教えて』と詰め寄り、メアリーアンは『今日は病院に行っていた』と答える。メアリーアンの脳には悪性の腫瘍ができており、不治の病に罹っていることがわかったのである。リチャードは『もしものためにあなたのことを教えて欲しい。お子さんは?』と聞くが、それには答えられないメアリーアンであった。
リチャードはメアリーアンの手がかりを知るために、クリスマス・ボックスに入っていた手紙と日記を手にする。

若き実業家ディヴィッド・パーキン(東山紀之)はクリスマス前に社長秘書に辞められ求人広告を出すが、一向に応募してくるものがいない。副社長のギブス(武岡淳一)はたまたまランチを届けに来たパーキン家の家政婦キャスリーン(杉村理加)に『ディヴィッドが時計集めに熱心なのも、結婚しないのも、彼が6歳の時に出て行った母親のせいだ』と告げる。
そこへ出先からディヴィッドが帰ってきて『新聞広告で花嫁を募集したらどうだろう』と求人広告を提案したギブスをからかうのだった。
ギブスはもう一度求人広告を出す!といきまき、ランチも食べずに文案を考えに出て行く。ひとり残されたディヴィッドは遅れた時計にため息をついて、ねじを巻こうとするのだった。
そこへ求人広告を見てやってきたメアリーアン・チャンドラー(黒木瞳)が入ってくる。彼女の美しさにディヴィッドは一目ぼれ。しかし彼女は彼を時計係だと思い込み、『社長のパーキンさんに取り次いでください』という。
面白がったディヴィッドは『わかりました』と答えた後、一度ドアを開け閉めしてからおもむろに『私が社長のディヴィッド・パーキンです』と自己紹介するのだった。
そして採用が決まった後、メアリーアンは『どこかでお会いしませんでしたか?』とディヴィッドに問いかけ、ふたりは公園での出会いを思い出す。公園でメアリーアンが残したりんごを拾ったのがディヴィッド、しかし街の雑踏にまぎれそのままになってしまっていたのだった。
そしてある日、メアリーアンが出勤してくると部屋には黒人のローレンス(上條恒彦)がディヴィッドを待っていた。時計の修理を生業としているとメアリーアンに告げるローレンス。そして時計の修理を始めるきっかけになった出来事を教える。
それはまだ彼が若い時、黒人差別のせいでぐれていたローレンスはある日、バスを待つ人の足元にある箱をかっぱらおうとしていた。ところがその人は振り返って『この箱はお前のものだ。お前が今一番必要としているものが入っている』と言って、バスに乗り込んでしまった。ローレンスがその箱を開けると、時計に修理に使う道具が入っていたと言う。それからぐれることも無く、時計修理に精を出すようになったのだと…。
メアリーアンはこの話に興味を示し、『その人、一体誰だったんでしょう?』と聞くと、ローレンスは『あなたの思っている人だと思いますよ』と答えた。
そこへディヴィッドが出勤してくる。ディヴィッドはローレンスから時計を渡され、そして『あの人はいい人だ。当たり前のように私と握手してくれて、話に耳を傾けてくれた。大事にしろよ!』と言われる。クリスマス休暇に家に遊びに来いとローレンスに告げて、機嫌よく時計を磨くディヴィッド。
そしてメアリーアンの休暇の予定を聞くと、彼女は『いつもと同じだ。ひとりで過ごす』と言う。ディヴィッドは『クリスマスにひとりでいてはいけない』と彼女も家に招待するが、彼女はそれを拒んだ。
そこへギブスが入ってきて、黒人と仲良くするディヴィッドに不満を持つ職工長のジャッド・ボックスが騒いでいることを教える。そしてジャッドが不平を言うために部屋に入ってくるが、気分を害したディヴィッドは『いっそ君が会社を辞めたら、君のプライドも傷つかずに済む』と脅して下がらせた。
メアリーアンには当たり前に見える行為だったが、ディヴィッドはジャッドを脅したことすら卑怯な真似だと自分を責めるのだった。
そしてクリスマス当日。メアリーアンは誰もいない部屋でひとり過ごす事に絶えられず、仕事をしに事務所に出て来る。そこへ現れるディヴィッド。『あなたに今必要なのは、温かい部屋と栄養のある食事、うちには全部揃っている』と温かく彼女を迎えようとするが、またしても頑なに断られる。
彼女から嫌われたと誤解したディヴィッドは『愛した人からそんな風に言われて、僕の心はずたずただ』と気持ちを吐露してしまう。驚いたメアリーアンも自分の気持ちを告白するが、『もっと早く会いたかった。あなたに愛される資格があるうちに、あなたを愛する資格があるうちに…』と泣き崩れ、自分のおなかにはこの間まで同棲していた男の子どもがいることを告げるのだった。
ディヴィッドは『名付け親になって欲しい』とメアリーアンに言われ、考えた挙句『父親になれないだろうか』と結婚を申し込むんだが、『別の男の子どもの父親になろうなんて、それは偽善者よ!』と拒絶される。打ちひしがれたディヴィッドが手にした書物は聖書だった。
ひとり公園のベンチに座り、おなかの赤ちゃんに『お母さんが守ってあげる』と子どもと共に生きる決心をするメアリーアンの後ろにディヴィッドが現れ、『昔働き者の大工がいたが、その美しい婚約者は結婚前に身ごもってしまった。しかし彼はその子の父親になった。あなたは彼のことも偽善者だというのか?』と、イエス・キリストの父ヨセフの話をする。
そして『大工が結婚を決めたのは婚約者を愛していたから。愛が一番大切なのだ』と自分の決意をメアリーアンにもう一度告げるのだった。メアリーアンはディヴィッドの愛に心打たれ、結婚を決意する。

 

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