太陽

Cicada発売直後、活動休止だった槇原敬之。
歌手活動&レコード会社復帰第1弾作品となったアルバムです。
アルバムのテーマは、
“何があっても、どんな時でも変わらずにいること、
普通でいることの大切さ”

だということです。

心の迷いが徐々に晴れていき、最後に自身を取り戻す過程が
描かれています。曲順を変えずに、そのままお楽しみください。
私個人としては、最後の曲からCDをリピートした時の、
雰囲気のギャップがないという所もオキニイリです。

彗星

 かすかに音が聞こえ、そして初めて聴くのに何故か懐かしいイントロが流れ始める。この時点で、私の体には鳥肌が立ち、そしてマッキーの声が流れてきた瞬間に涙がポロリと落ちました。

 最初は「おかえりマッキー」の気持ちで一杯で、歌詞の内容が二の次になってしまっていたのですが、よくよく聴くと一つ一つの言葉がとても丁寧4に歌われているのが印象的な曲でした。横文字や外来語は一切使わない、優しい日本語の響きに安心感を覚えました。そして、その言葉の奥にある密かな強さも感じますね。

 解説によると、「宮沢賢治の世界」をイメージしている曲ということですが、8年間岩手に暮らした私としては、それだけでとても嬉しいです。その当時、大勢の友達と連れ立って流れ星を見に行った夜のこと、今にも落ちそうなくらいの満天の星空などが思い出されます。


キミノイイトコロ

  相手に気に入られようとして、計算した言葉を言っちゃったとき、あとからちょっと後悔することがあります。そんな気持ちを思い出してしまう曲でした。
「何もはからないで君を喜ばせたい」
本当は、そう思っているんだけど、なかなか難しいです。相手は自分を映す鏡なのかもしれない…。そして、鏡の中の自分が微笑んでいるとき、自分ももちろん微笑んでるよね!


濡れひよこ

 このアルバムの中で、もっともPOPでカワイイ曲。聴いた瞬間「やられた!」と思いました。なんだか、どこか懐かしい曲に思えるのは、耳に馴染んでいるYMOなどのサウンドを思わせる曲調だからかもしれないですね。タイトルだけでは「?」という感じだったのですが、素直な応援ソングだったのでニッコリ!雨に濡れた髪型が「濡れひよこ」なのかなぁって、ついついマッキーのジャケット写真を見てしまいました。

 ついていない一日だったけれど、なんとか頑張って回復しようとしている姿が目に浮かびます。「大好きな人を一人ずつ思い浮かべていたら…」という歌詞に、つい自分もアタマに思い浮かべてしまって…やっぱり涙が出ました。POPなのに、ちょっと切なくなる一曲。ピヨピヨという効果音もオキニイリです。是非、ヘッドホンでピヨピヨを堪能してみてください。




I ask.

 これまでの槇原敬之とは一味違う「言葉の重み」を感じました。歌詞の一言一言に、こだわりを持って書かれた印象を受け、また、こんな歌詞を書いた彼自身が「何を考え体験したのか」を想像せずには居られません。私もこれまでの自分自身のことを振りかえりたくなりました。

 サビ部分の「I ask myself」というマッキー自身のコーラスが3回とも微妙に違うニュアンスで歌われているところとか、そのコーラスのカッコ良さに鳥肌が立ってしまうのは私だけなんでしょうか…。その畳み掛けるように歌われるサビの自問自答が、胸にストレートに突き刺さってくるような、そんな印象です。

 ラテンのアレンジのカッコ良さにも注目!歌詞の重さと、全体の曲のイメージとのバランスに、新しい槇原敬之を見た気がしました。音楽に乗った歌詞が、言霊となって届くというのは、こういうことなのかもしれないですね。


WILD RABITTS

 「太陽」中に収録された、冬を感じさせてくれるこの曲。冬を楽しむ姿を跳ね回るのウサギに例えて軽快に歌ってくれています。「STRIPE!」と同様に、アルペンなどのイメージソングとして使ってもおかしくない気がします。そのくらい、耳触りが良いというか、ノリが良いというか。

 私はこれを聴いた瞬間から、なぜかスキーに行きたくて仕方ありません。(歌のイメージは、もしかしたらスノーボードなのかも知れませんが…)「フルスロットルで駆け抜けろ」の部分を聞くと、青い空、白い雪…そんな中で雪煙をあげて斜面を滑り降りるような情景が浮かんできます。


Going Home

 公式HPによると、「遠く遠く」の続編のような内容ということですね。

 必死な時や、なにか考えることが沢山ある時、悩んでいる時って、気づくと周りの景色なんか見ずに自分の足元ばかり見つめて歩いてることがありますよね?私はこの曲を聴いて、そんな情景が浮かびました。ふと足を止めて、周りの景色を見て季節の移ろいを感じ、そして故郷を思い出す。そして、ここで帰ったら救われるんだろうなァって思ってる姿を想像したのです。

 誰だって、大なり小なり問題を抱えている。そういう時、故郷というのは特別な場所なんですよね。私個人も、ツライことがあった時、実家に帰って気持ちをリフレッシュして復活したことが何度もある人間ですから。ただそこで悩んでいるのは「帰らない」強さであり「帰れない」弱さ弱さなのかも…。なんて…ちょっと知ったフリをしてみました。

 でも故郷って、思い出しただけでも、救われることってありますよね。不思議…。


SYMPLIFY

 初めてこの曲を聴いた時の印象は「骨太」。人間の芯の強さというか、力強さを感じたのです。そして、このアルバムも佳境に入ってきたんだなぁって思いました。

 自分自身に正直にシンプルに生きてるだけなんだ、誰かのせいにして生きていたくないんだって、訴え続けるこの曲に、共感できるものを感じました。

 この二人の身に起こった出来事は、これまでの槇原敬之の身に起こったことを比喩的に表しているのかな?なんて、ちょっと深読みまでしちゃうんですけどね。泥だらけになって踏みつけにされるような気持ちを味わったとか、思っていたことと違うことをされて、そんなことがしたかったんじゃない!って思った心の叫びとかね。だからこそ、熱く訴えつづけてるのかなぁとか。考えすぎでしょうか?やはり。

 だけど、そこから立ちあがってくる強さを感じるところが、この曲の魅力なのかな…