職業病その2


大学卒業と同時に就職した会社は、大手の消費者金融。 私の仕事の内容は、窓口業務と電話による営業がメインだった。良かったことは、電話のマナーとか接客とはなんぞや…!みたいなことを勉強できたことだ。

だから、自分が客の立場で他のお店に行っても、その店の接客態度や、勧誘などの営業の電話に関しては、かなり評価は辛口だと思うが、自分もそれなりに自信を持つことができたと思っている。仕事を辞めてからは、細かいことは気にしないようにしているのだが、どうしても「クセ」というのは抜けないものだと思っている。

他の店に客として居ても、ついつい 「いらっしゃいませ〜!(*^。^*)」 と笑顔で一緒にしまいそうになること。電話をかける時も、用件を話す前に、 「今、話して大丈夫ですか?」と、都合を確認したくなること。 友達に対しては、 余りにもよそよそしいので、あからさまにたずねるのは避けているのだが、どうしてもこの言葉が出てきてしまう。特に、相手の携帯電話にかける時は、絶対に聞く。 「今どこ?話してもいい?」  

でもこれは、社会人としてのマナーが身についているのではなくて、さんざん営業の時にイヤな思いを沢山したからだ。大抵の人は、勧誘や営業の電話がかかってきたら、うっとうしいと思うだろう。自分のことは棚に上げるけど、私だって、イヤだ。 それなのに、私の仕事は、借金を周囲に内緒にしている顧客相手で、しかも勤務時間中などに会社へ電話をかけた上で、
「ご利用のご予定はございませんか?」
「ご利用枠をおひろげ出来るようになりましたよ。」
という案内をせねばならなかったのだ。勿論、相手の秘密を守るため、第三者には会社名は、絶対に名乗られないし、電話口の相手を、しつこく本人確認してからでないと、営業行為をはじめられない。そして、挙句の果てに、「もう電話するな!!」なんてお叱りを受ける。でも、そこでひるむと、仕事にはならない…。上司に文句を言われてしまう。ス・ト・レ・ス!!!!

だからこそ、相手に少しでも不快感を与えず、用件を済ませるために、相手の都合を伺ってふり をしないといけなかったのだ。これは、かなりの好印象だったらしいが。そんなこんなで、もう絶対に営業職になんて就かないぞ!!なんて思っているのに、 「社名を名乗れるところなら、まだ気がラクだなぁ」 なんて求人広告を見つめる自分が居る。でも電話をかけて、その職業病がたまに出ると、やっぱり、営業だけはだめだ(笑)と、あの頃の辛さを思い、我に返る今日この頃だ。 。