母と子の会話 その2
「おかあさん、どーなってんの!?」
その昔、私はお正月あけに必ず郵便局に行っていた。お正月にお年玉を貰うと、母に通帳を出してもらい、弟と二人で近所の郵便局に行ったのだった。小学生の頃から、ずっと毎年続いていたが、そのほかのお小遣いは自分のサイフにしまっておいたので、本当に正月だけの貯金であった。
高校生になり、初めて友達が自分のキャッシュカードでお金を下ろしているのを見た私は、なんだかとてもそれが「大人」に思えたので、うらやましくなった。だからと言って、カードで引き出すほどのお小遣いはない。そこで私は思いついた。
!!そうだ!!お年玉貯金があるじゃないか!!
!!あれを銀行に移して、カードを作ろう!!
帰宅すると、私は母にその話をした。
私「ねぇねぇ、キャッシュカードを作りたいんだけどさ」
母「へぇ。そうなの」
私「だからさ、今まで貯めてたお年玉、銀行に入れたい」
母「…」
私「今、どのくらいたまってるかなぁ?通帳は?」
母「…あのね…」
こんな会話だったと思う。そして、その後に聞いた衝撃の事実。私が自分のお年玉を貯金してホクホク★と思っていた通帳は、私の学資保険の積み立てが行われている通帳だったのだ。今思えば、無駄遣いなどせずに自分の為にお金を積み立てていたのだから、それはそれでOKだったのかも知れない。しかし、高校生だった私にとっては、抱いている夢が打ち砕かれた瞬間であり、母親に裏切られた瞬間でもあった。
私は泣いたような記憶がある。
「私のお金を返して!」
実の子に、こんなセリフで責められるとは、母も思っていなかったに違いないが、どうせいつかバレルと思っていたのだろうか…意外にもアッサリと、私にお金を返してくれた。まぁ、金額はちょうどというわけにはいかないので、毎年貰っていたお年玉の金額相当の金額だったのが。それ以来、私は預金通帳を眺めるのが好きな人間になってしまった(笑)
なぜ今になって、こんなことを思い出したのだろうか?今、私は仕事をしていない。だから、どんどん預金は減る一方なので、通帳を見たくない気持ちなのに…。友達に守銭奴と言われていた私は、金融業者などに勤め、そして無職になった今も、お金にこだわっているのである。情けない(笑)