あぁ、青春の日々
それは、私がまだうら若き乙女??…だった頃、大学二年生頃のこと。私は、その頃まだあんまり料理も出来なくて、面倒くさがりやだったので、しょっちゅう友達の家に夕飯をご馳走になりに行っていた。(ようは、押しかけていただけだけどね)
その日も、男友達一人と、
「今日のメシはどうする?」
と話していたのだが、どうしてもお互い自分で作る気持ちにはならなかったようで、自転車で近所を徘徊。誰か、夕飯を作ってくれそうな人は居ないか?と考えながら走っていた。
当時は携帯電話なんかないから、とりあえず公衆電話を見つけると、誰かに電話をかけ、
「ねぇねぇ、今日のメシなに?」
と尋ねていた。でも、そこは大学生。遊びに行ったり、バイトに行ったり、もう学食で夕飯を食べてきてしまったり…と、きちんと自分で料理をしてるような友達は見つからなかった。
男友達にしかかけていない…という時点で失敗なのかもしれないが、でも、いきなり女の子の家に電話して、
「ご飯食べさせて」
とお願いするほどの根性も勇気は私にはなかったので、いきなり押しかけても平気な男子にばかり声をかけていたのだ。(私だって、一応女なので、いきなり人が押しかけて来たって、部屋が散らかっていたりしたら絶対にお断りするもの…)
そして、数々のメンバーを探し、振られ、途方にくれていた時、一人の顔を思い出した。そう、それはクマプーだった。今でこそ私の夫ではあるが、当時はそこまで仲が良かった訳でもない。同じサークルの、同県出身という関係で良く話はしていたが、いきなり押しかけて…という関係ではない。しかも、私は当時クマプーの家すらを知らなかった。
しかし、空腹の勢いに任せて、私と友達は電話をし、
「夕飯食わして!!」
と懇願。クマプーは、その時点で自分は夕飯を食べ終わっていたにも関わらず、快諾(だったのかなぁ?)、夕飯をご馳走してくれた。まったくひどい話だ。
その時作ってくれたのは、ミートソーススパゲッティ。料理のあんまり出来ない人間としては、ミートソースは缶詰やレトルトから登場していた日々を送っていたのだが、なんとクマプーは、即席だけど…なんて言いつつも、ちゃんとひき肉なんかをチャッチャッっと炒めて、作ってくれたのだった。あれは、ある意味センセーショナルな出来事だった。
あの時、「いきなり来た人間に、快く夕飯を作ってくれた人」が、現在の夫なのかと思うと、なんとなく不思議な気もするが、そんな女と結婚しているクマプーもスゴイんじゃないかと思う。後日、当時のことを二人で振り返ったことがあるのだが、
「あぁ、あの時は、突然でびっくりした。
でも、俺しか残ってないくらい困ってたんでしょ?」
と言われた記憶がある。多分、この話にだけは、私は頭が上がらないんじゃないかと思う。
まぁ、あれから私も心を入れ替えて、ちゃんと料理をする人間になり、クマプーの為にミートソースを作って待つことが出来るようになった。でも、こうして思い出して見ると、大学時代はある意味とっても無謀で、いい加減な所もあったかもしれないけど、とっても自由で楽しい時代だったような気がする。
なんか、こういう思い出っていいもんだ…なんて振りかえりたくなる事があるのって、やっぱりいい。そして、それを共通で話せる相手が近くに居るのも、もっといい。
ちなみに、結婚式の時、二人の得意料理を
紹介する場面があったのですが、私は、迷わず
「クマプーの得意料理はパスタ」
と推薦しておきました(笑)