名もない星



帰りの電車の中
君の姿を見た


君の家に行く線ではないのに
なぜ乗ってくるのだ?
こんな時間に・・・


そうだ 似ているだけで
他人かもしれない


しかしその大きなバッグは君のもの
その理知的な顔は君そのもの
僕といる時は顔をくしゃくしゃにして
笑ってくれていた君・・・


忘れるつもりで普段も頭のどこかに
隠れていた気持ちが洪水のように流れ出てくる


君を見た瞬間
君以外はモノに過ぎず
君の事しか考えられなくなった


悲しいけれどもう一緒になることもないだろう
それに君の言う通りそれがお互いのためかもしれない
しかし僕は夜空にうっすら輝く名もない星のように
君の事を遠くから見守ることにするよ