CAROL KING
TAPESTRY
 1、 I Feel The Earth Move
 2、 So Far Away
 3、 It`s Too Late
 4、 Home Again
 5、 Beatiful
 6、 Way Over Yonder
 7、 You`ve Got A Friend
 8、 Where You Leed
 9、 Will You Love Me Tomorrow
10、 Smackwater Jack
11、 Tapestry
12、 (You Make Me Feel Like)
    A Natural Woman
 キャロル・キングは1942年2月9日、ニューヨークのブルックリンに生まれた。本名はキャロル・クレイン。近所には、ニール・セダカが住んでおり、キャロルの憧れの君だったらしい(古〜い!)。因みにニール・セダカ作の「オー!キャロル」はキャロル・キングの事。キャロルはアンサー・ソングとして、「オー!ニール」という曲を書いている。
 キャロルは4歳でピアノを始め、ハイスクール時代にはバンドを結成する。’58年にクイーンズ・カレッジにすすんだ彼女はここで、ジェリー・ゴフィンと出会い、二人で曲作りを始める。後に彼と結婚。メロディー作りには、類稀なる才能を発揮する彼女も作詞はちょっと苦手!対してジェリーは、雲がわき出でるがごとく、次々と詩のイメージが浮かんでくる。この二人が組めば怖いものなし、向かうところ敵なし!!といった感じで、’60年代初頭、いわゆるプレ・ビートルズ時代には、数多くのヒット曲を量産する。ここで彼女たちの放ったヒット曲をざっと挙げてみよう。「ウィル・ユ・ラヴ・ミー・トゥモロー」(シレルズ)、「ロコモーション」(リトル・エヴァ)、「アップ・オン・ザ・ルーフ」(ドリフターズ)、「さよならベイビー」(ボビー・ヴィー)、「ゴー・アウェイ・リトル・ガール」(スティーヴ・ローレンス)、「ヘイ・ガール」(フレディ・スコット)、「クライング・イン・ザ・チャペル」(エヴァリー・ブラザーズ)、「ナチュラル・ウーマン」(アリーサ・フランクリン)とまぁ、ちょっと思いついただけでもこれだけある。ヒット・チャートにランク・インした曲をCDにしたら、それこそ、2枚や3枚ではすまないだろう。また「ゴー・アウェイ・リトル・ガール」や「ロコモーション」はそれぞれ”ダニー・オズモンド””グランド・ファンク・レイルロード”のカヴァーがリバイバルでも大ヒットを記録している。このような名曲の数々を引っ下げて、’60年代前半のブリル・ビルディングと称するこの時代、バリー・マン&シンシア・ウェイルとかニール・セダカ&ハワード・グリーンフィールドとか、そういった他のソング・ライター・コンビとしのぎを削っていた。そんな中でも、キング&ゴフィンのソング・ライター・コンビがピカイチだったのは、言うまでも無い。ポップでドリーミーでちょっぴりソウルフルな名曲の数々は、今なお、人々に広く、深く愛され続けている。
 1964年、イギリスのリヴァプールからデヴューし、一躍時代の寵児となる4人組によって、彼女たち職業ソング・ライター達は地味な存在へと追いやられてしまう。そう、時代は自作自演の天下へと変貌していくのである。さらにビートルズはロックを文化として根付かせ、その可能性をドンドン広げていく。その影響のもと、当時の混乱した社会情勢の中、若者が団結するための旗印としてロックが注目され、それを拠り所に革命さえ可能かもしれないと思わせてしまう。しかし、熱く燃え上がった時代もビートルズの解散と共にはるか彼方へ・・・。人々は疲れ果て、やがて内省の時代へと向かう・・・。’70年のジェームス・テイラー「ファイヤーアンドレイン」、ドン・マクリーン「アメリカン・パイ」の大ヒットにより、シンガー・ソングライターがブームとなる。ニール・ヤング、ジャクソン・ブラウン、ジョニ・ミッチェルらが続々と登場し、洗いざらしのジーンズ姿で、ごく私的な体験をナチュラルなアコースティック・サウンドで歌っていた。そんな、シーンの最中、我らがキャロル・キングがこの「TAPESTRY」を携え、時代の要請に応える様にカムバックしてきたのである。
 本作は、彼女のソロ2作目。この作品がどれだけスゴイかというと、’71年にリリースされ、なんと15週間全米No1に輝いたうえ、以後302週にわたってチャート・インし続けたという、まさしく”モンスター・アルバム”なのである。因みにこのアルバムを1位の座から、引きずり降ろしたのは、ロッド・スチュアートの「エヴリー・ピクチャー・テルズ・ア・ストーリー」。(ロッドは本作のトリビュートでAを歌っている)
 それでは、稚拙ながらこの名盤について、コメントしたいと思う。プロデュースは彼女のソウルフルな歌い方を高く評価していたルー・アドラー。参加ミュージシャンは当時の旦那さまであるチャールズ・ラーキー(b)、ダニー・クーチマー(g)、ラス・カンケル(d)、ジョエル・オブライエン(d)、カーティス・エイミー(f・Sax)、メリー・クレイトン(BGC)、ストリングス・アレンジャーはデヴィッド・キャンベル、そして忘れてならないのは、彼女の盟友ジェームス・テイラー(g)@は彼女にとっては珍しいアップ・テンポな曲。キャロルは非常にソウルフルに歌いあげており、力強いピアノも聞き逃せない!オープニングを飾るに相応しい。最近、自動車のCMなんかによく使われている。「あなたの事を思うと地球が壊れるほど、ハートがドキドキするの」・・・と歌われている。一生に一度こんな事いってほしいよね・・・。Aは一転してスロー・テンポなバラード。去って行った恋人の事を、淋しげに歌うキャロルもなかなかのもの・・・。本作からのセカンド・シングル。Bは本作からのファースト・シングル。全米No1を獲得!グラミーでも”シングル・オブ・ジ・イヤー”を獲得した名曲。Eはソウルフルなスロー・ナンバー。「道の彼方に、探し求めるものがある・・・」そう彼女は勇気ずけてくれる。落ち込んだ時に聞くのもいいかも・・。そしてF、名曲中の名曲!本来、ジェームス・テイラーに提供した曲のセルフ・カヴァー。ソフトに淡々と歌うジェームスも素晴らしいが、キャロルの方がずっと好き!!ジェームスの方は’71年の夏に全米No1!グラミーでは”ソング・オブ・ジ・イヤー”に輝いている。この曲のカヴァーは沢山出ている・・それこそ星の数ほど・・・。どれも素晴らしいが、なかでも圧巻はダニー・ハザウェイのライヴ!観客と一体となった大合唱は感動的!!ぜひ一聴を!!アリーサ・フランクリンもスゴイ!アリーサはどんな曲を歌っても素晴らしいが、キャロルとの相性は特別なものを感じる・・・。Hもセルフ・カヴァー。「今夜、あなたはすべて私のものよ・・・・・でも、明日も愛してくれるかしら?」こんな濃厚なラヴソングも、キャロルが歌うと自然に聞こえ、爽やかさえ漂う・・・。Iはジャジーな雰囲気が漂うメロディー。確かクインシー・ジョーンズがこの曲をタイトルにしたアルバムでグラミーのJAZZ部門で最優秀アルバム賞を獲得したと記憶している。そしてアルバムの最後を飾るKはいわずと知れた名曲中の名曲。キャロルには、アリーサのような声量も声域もないが、自分なりに力一杯歌う姿勢に大きな拍手を送りたい。
 アルバムを飾る珠玉の12曲、どの曲もシングル・カットしてもおかしくない名曲ぞろい・・・本作がリリースされてから、すでに30年余過ぎ去っている。落ち込んだ時、悲しい時、勇気ずけられたい時、やさしくささやいてほしい時、癒されたい時、私は必ずこのアルバムを聞く。そして必ず私の期待に応えてくれる。私にとって、一生手放せない宝物である。