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「夢へむかって 〜 アメリカンドリームガール」 〜第三回 えつこ(第20期)〜
今回は皆さんもよく知ってる方をと思って、第20期のえつこにご登場いただきました。 えつこは現在、劇団SET(スーパー・エキセントリック・シアター)の研究生として日々稽古中。2000年2月3日(木)〜6日(日)に行われる卒業公演「我愛仙女:ウォーアイシャンヌ」(東京芸術劇場小ホール2・全席自由1600円)に出演し、三宅裕二らとともに舞台に上がる劇団員を目指します。(公演情報は近々インフォメーションページでもお知らせ予定) しかしそんな彼女には、高校時代のアメリカ留学や、社会人としてディズニーランドへ入社など、ユニークな経験談がいっぱい。あまり自分のことを話したことがないという彼女ですが、今回のインタビューで今まで知らなかった一面を覗くことが出来るでしょうか?では、はじまり〜。 ※このインタビュー自体は1999年10月末に行ったものです。アップが3ヶ月も遅れてしまって本当にゴメンナサイ。特にえつこ本人に陳謝します。 ![]()
えつこ(以下え):(固く身構えて)そうです。 よ:・・・そのつくってる感じがすごくイヤ(笑)。 え:え、だって〜(笑)。なんだろう?雑談って難しいですよね。自然なのって一番難しいじゃないですか、芝居でもなんでも。 よ:舞台でもそうだよね。 え:うーん。でも、意識しないで自然にするってのは無理だから・・・。 よ:そっか。うーん、何の話から聞けばいいのかねえ。 え:何でもいいですよ(笑)。でも普通、どうやって始めてるんですか? よ:え、普通っていつもこうやって、「最近どうすか?」とか「いつからオムニと仲良くなったんでしたっけ?」とか、そういう話をしながら。えつこの場合、なまじずーっとオムニだからねえ。いつも顔をあわせてるから、逆に、なんかその切り口が見当たらないんだろうなあ(笑)。うーん・・・練習って大変? え:う〜〜〜ん・・・練習の内容よりも、精神的な方が大変かな、どっちかっていうと。 よ:疲れるの? え:やっぱりね、一年間見られてるわけですよ。一年間ずーっと試されてるのが分かるから・・・うん、疲れますね。 よ:じゃあ、ちゃんとチェックしてる人がずーっと見てるの? え:ううん。その、先生たち(講師の方々)は、別のところから呼んでる人が多いんですよ。バレエだったらバレエのある程度の人を呼んできて教えてもらったりして。で、劇団の人は後ろで出席をとって見たりとかしてるんですけど・・・逆にずっといてくれれば慣れるんでしょうけど、たまに来て、見てて、あたしたち研究生の会話とか聞いたりしてるから、そういうところで“つくってる”みんなもやだし、“つくってる”自分も嫌で・・・。 よ:あ、みんな(劇団の人が)来てるときだけ“つくってる”んだ? え:そう。なんか嫌で・・・。友達同士とかも、あの、オムニの友達みたいのとはちょっと違うんですよ、やっぱり。 よ:なに、やっぱ競いあってんの? え:んー、表立って競い合ってはいないんだけど、どっかそういう面が見られて。最近すごいですよ、ストレス溜まって顔にブツブツが出来た子とか、やっぱりストレス溜まってどうしようもないっていって体調崩しちゃって、公演の稽古が始まっちゃったらもう休めないからっていま実家に帰っちゃってる娘とか。だから、それぞれみんなちょっとずつ・・・。やっぱり、みんな不安定な位置にいるんですよ。決まってないから、自分の居場所が。(註:彼らは1年間研究生として稽古を行うのだが、その中から劇団員となれるのはごくわずかに限られている) よ:全部で何人ぐらいいるの? え:もともと35、6人いたんですけど、今・・・31とか。そんなにやめてないです。 よ:やめるのはやっぱり、なに、その道をあきらめるの?それともランクアップするの? え:うんとね・・・違うって言ってやめてく人が多いです。「私はやっぱ歌だわ」とか。うーん、そういう人が多い。・・・あ、でも、いまは「稽古は辛いですか」って聞かれたから「体力的より精神的に辛い」って答えてるけど、でも総合的にはやっぱり楽しいですよ。・・・好きなことですからね。楽しくないと。 よ:えつこ的には、芝居がやりたいの? え:・・・全部やりたいんですよ。舞台の上で芝居と、歌と、踊りがやりたいの。 よ:欲張りだなあ(笑)。まあ、オムニがそうだからね。
よ:「陰に言う」? え:「イン」・・・あ、「アン」に? よ:ああ、「暗に示している」ってやつね。・・・「インに」って!?(笑)。 え:だから、言ってないんだけど意味はこういうことなんだよ、っていう芝居じゃなくて・・・。 よ:わかりやすいのがいいと。 え:そうそう。 よ:もうスパーンと、「あんたが好き!!」「あたしも!!」みたいな。 え:そうそう。基本的にはハッピーエンドが好きなんで。 よ:だからSETなんだ。SETは昔から見てた? え:見てないです。だってあたし、あれしか知らないんですよ。「ノーパラ」(第18期卒業公演「ノーノーパラダイス」)。あと、「スーパーあやこチックシアター」(第19期ショートプレイで、第18期・あやこさんがディレクターを担当したチームの名前)で名前は知ってた(笑)。 よ:なるほど、SATね(笑) ![]() よ:ディズニーランド(正確にはオリエンタルランド)辞めたんだよね。 え:はい。 よ:なんでそこからSETに行ったのかってのを知りたいんだよな。 え:うーんと・・・もともと舞台の道に行くってのは小四で決めてたことで。 よ:え、小学校四年生で決めてたの?すごいな〜、昔のことをそうやって覚えてて、それに向かって進んでるんだね。・・・もっと柔軟に物事を考えなさい(笑)。 え:変わったことないんですよね、一番やりたいことが。 よ:きっかけは? え:小四の時に劇団四季の「ガンバと仲間たち」っていうこどもミュージカルを見たんですよ。 よ:ガンバ!?ガンバ、俺似てるって言われるんだよ!!(笑) え:・・・似てる(笑)。で、それを見たときに「あたしはあれをやる人になる」って決めたんですよ。 よ:ガンバ!?(笑)・・・ガンバか〜。あ、しつこい?(笑) え:でもだからって、何かをすごい習ったりとか、芝居とかいっぱい見に行ったりとかしなくって。親が全然そういうのに疎い人だったから、言ってもだめだったんですよ。 よ:あ、お願いしたんだ。 え:そう。中一になったときに、西荻に「劇団若草」ってあるじゃないですか?あそこの存在を知って、自転車でひとりで見に行ったんですよ、何回も(笑)。 よ:中、入ったの? え:入らないの(笑)。行って、でも物事知らないから何をしていいかわかんないんですよ。でも歯医者に行くときは必ず帰りにわざわざ行ったりして(笑)。で、何回か行っててある日、受付に行ってみたんですよね。 よ:えっ、じゃあ中に入ったんだ? え:うん。で、「すいません」って言ったら、案内書をくれたんですよ。でも入所金がやたら高かった。なんかね、20万円くらいで、そんな中一の子には絶対払えないような額だったの。月1000円のお小遣いでしたから。で、親に言ったらだめで。でも、そんな真剣に動かなきゃっていう危機感は全然なかったですね。 よ:まあ、そうだろうね。中一だし。 え:だから、動いたかっていったら全然動いてないんですけど。学校でダンスやってたりとか、向こう(アメリカ)の高校行ったときにドラマのクラスがあったからとったりとか。 よ:授業でドラマ? え:そう。面白かったですよ。 よ:え、お芝居すんの?みんなビバリーヒルズ白書なの?(笑)
よ:ふ〜ん、それをドラマの授業でやるんだ。・・・どんなの?えー、はい、最初の言葉は「のほほん」で・・・。 え:あ、もっとね、台詞みたいなんですよ。「予約とったよ」とか、そういうの。 よ:よし、じゃあ最初の台詞は・・・「最近身体だるくてさぁ」(笑)。最後の台詞は・・・。 え:2人で協力してやるんですよ。で、ストーリーを作って、他の人がずーっと見てるの。 よ:なるほど・・・。じゃ、えつこの「こないだ上野動物園行ってさあ」からはじめて、俺の「やっぱ十六茶よね」(笑)でおわらせる。・・・ハイ! え:「こないだ上野動物園行ってさあ・・・パンダ見たの〜!!」 よ:「パンダ!?パンダ見たの!?」 え:「そう、白と黒の。はじめて見たの。かわいかった〜!」 よ:「うんうん、あのでっかい奴ね。」 え:「でっかい奴?」 よ:「鼻が長くってさ〜。」 え:「・・・それ象でしょ。」なんでボケツッコミやってんですか!?(笑) よ:あ、そっか。でも観客を喜ばせなきゃいけないんじゃないの、そういうのは? え:あーーー。どっちかっていうと、ストーリーで魅せる感じがありましたね。 よ:ふーん、それが重要なんだ。じゃあ・・・「上野動物園行って」、なんだっけ、「やっぱ十六茶だよね」・・・こんなのすぐ終わるじゃん!!(笑) え:それがなんか設定があって、例えばどんなのがあったかなあ・・・。「疲れた」ではじまって、「予約とったわよ」で終わるのがあったなあ。 よ:じゃ、それをそのままやってみよう。で、設定があって・・・。 え:設定がね、そのときはお姉ちゃんと妹だった気が・・・ よ:(間髪入れずに)俺、妹。 え:・・・なんで?(笑)じゃ、私、お姉ちゃん。 よ:よし、それじゃ・・・ハイ! え:「(ため息ついて)は〜、疲れた〜。」 よ:「お帰んなさい。なんか飲む?」 え:「う〜ん、お茶。十六茶がいいな。」 よ:「はい、十六茶ね。・・・やっぱ十六茶よね。」終わったじゃん!!?(笑) え:違うよ!!!(爆笑)(註:終わりの言葉は「予約とったよ」)・・・まあ、とにかくそういうのがいっぱいあって、後は何でもいいからミュージカルの歌を選んできて、それをかけるからその人になったつもりで舞台の上で、口パクを演るっていうのとか。 よ:それがドラマの授業なの? え:そう。それが中間試験だったりとか。あと、ひとり芝居を自分で考えてきて、それを演る。それもウケを狙ってなんかやるっていうんじゃなくて、ちゃんとお芝居になっていると。で、人に感動を与えられるのが一番すごいですよね。 よ:ちゃんと感動を与えられるもの? え:うん、それなりに。その、ちゃんと芝居ができてて、ストーリーもちゃんとしてればきっとできるんだとは思うんですけど。・・・でもね、言葉が一番難しかったですよ、あたしには。 よ:あー、そうだろうね。え、行って1年目にもうやってんの、それ? え:うん。1年目でやりました。やろうって思うまでにはやっぱ勇気がいるじゃないですか?だから、バイトの電話とかかけるときもそうですけど、考えないでやるのが一番いい(笑)。考えないで登録しちゃう。考えちゃうと絶対できないですね。 よ:面白いな〜。え、SETもそうだったの? え:うん、そう。で、就職は2年で辞めることを決めてて・・・。 よ:キミ、全部決めてるね(笑)。 え:えー、そうかなあ(笑)?わかんないけどなんかその、もともと親に就職はしないって言ってたんですけど、まあ、親だから反対しますよね。 よ:うん、当然だね。俺、友人でも反対するよ、一回就職した方がいいよって(笑)。 え:そう、でもね、父親がA型でわりと世の中的に善しとされてるものが好きなんですよ。だから当然すごい反対で。でもなんか、「出てけ!」とかそういうタイプの人でもないので、話し合いをしたんです。そしたら要するに、「普通に就職して結婚をして幸せな家庭を築いてほしい」と。まあ、それを望んでたんですけど、自分で考えるに、きっと就職したら普通に友達作って普通にやってはいけると思うんですよ。それで、もし結婚とかすることになって、まあ共働きなり主婦なりやってる自分、でも、芝居をやりたいのにやってない自分を想像してみたとき、そうやってる自分は好きじゃないんですよ。きっと。 よ:ふーん。まあ、えつこ的にはは好きじゃないだろうなあ。
よ:でも、なに、理想を設定して、努力してがんばってがんばって、達成したってなったとき、次はどうするの? え:・・・達成しないと思うよ(笑)?そんなに簡単に。だって、人ですよ? よ:でも、物事の目標の置き方によっては達成できるじゃん? え:でも一番最終的な目標は、死ぬときにおばあちゃんになって・・・あ、あたし100まで生きるつもりなんですけど・・・(笑)。 よ:また、全部決まってる(笑)。 え:で、100まで生きて死んじゃうときに、「あたしはあたしでよかったな」って思いたいじゃないですか。 よ:は〜、「私は私」だね。なんかそんな歌あったね(笑)。覚えてないけど。 え:「かもめはかもめ」(笑)? よ:あ、それか。(註:違います。本当は「ラ・カージュ・オ・フォール」の「私は私」。第19期冬公演「キャッツ・エンターテイメント」でも第19期・みゆが唄ってます。) ・・・すごいな。何かこう、全部決まってるね? え:・・・決まってないと思うけどなあ?あ、その、(仕事を)辞めてこの芝居の道に行くってのは決まってたけど、たぶんあたしの人生で決まってるのはそれだけですよ? よ:でも小四のときにもう、舞台に立つって決めたんでしょ? え:うん。いや、だからその、舞台に立つっていうことだけじゃん。舞台に立つっていうことだけが決まってて、それが決まってるから、じゃあ就職しても辞めるとか、そういうのが決まってくるんだと思うんです。いや、いろいろ他にもあるかなあとか考えてみましたけどね。 よ:ああ、自分のやりたいことね。 え:だからディズニーも、辞めるって決めてはいたけど、それでもその2年間は楽しくないと嫌ですから、2年で辞めるから何でもいいやっていうよりはその2年間充実して一生懸命やれる仕事の方がいいですからそれをやってて・・・楽しかったんですよ、ホントに。楽しかったんだけど、舞台の方がもっとやりたかったんです。 よ:はあ・・・すごいな。現状に留まらないんだなあ。身体でアメリカン・ドリームを張ってるなあ。 え:ハハハ、アメリカンドリームなんだ、こういうのって? よ:そういうんじゃないの?「見てろ、いつか俺だって。ビッグチャンスをつかんでやるぜ。」みたいな。だから、自分の置かれてる現状に納得しないで、いつでもハングリー精神でどんどん上に上がってこうとするのがアメリカンドリームの原点なんじゃないかな?それが、見事栄光を手にして、それが「アメリカンドリームだ!!」って言われるの。 え:は〜〜〜。なるほど。 よ:・・・でも結構贅沢だなあ。2年間は楽しく過ごしたいから、いいところ、ディズニーに入りたいってのは。 え:でもね、だって・・・自分の人生を振り返って、もうあの1年間はすっごく辛くて無駄だったから思い出したくもないんだよ、っていう日は作りたくないんですよ。まあ、作りたいって人はいないと思うけど。 よ:・・・。(無言のプレッシャー) え:・・・そう、贅沢なんです、欲張りなんです(笑)。 ![]() え:・・・今はホントに、恋愛に関しての気持ちってのはゼロですね。うーん、働いてたときはあれでも、今はホントにゼロです。逆に“そういう場合じゃない”っていうのが、ホント正直なとこなんですよね〜。 よ:すげえな〜、追い込まれてるな、精神的に。 え:・・・うん、追い込まれてるときもありましたね。でももう楽しむしかないなって。あたしね、経験上、楽しんでやったことが一番うまくいくんですよ。・・・あたし悩んだり落ち込んだりするのキライなんですけど、落ち込んでる自分がキライなんですよね。 よ:ほう。 え:なんか、いっつもこの辺(自分の顔の横辺りを指して)にいるじゃないですか、自分を見てる自分みたいなのが。 よ:客観的な自分ね。 え:そう。で、落ち込んでたりすると、それが「なにやってんの!?」みたいな風になるから、反省はするけど落ち込むのはやだったんですよ。でも、もしかしたら落ち込んだらなんか見えるのかもしんないと思って、たまに落ち込んだり悩んでみたりとか、ちょっとしてみることあるんですけど、そうすると絶対うまくいかないんですよね・・・。 よ:・・・なんかすごいな。実験的に落ち込んでみたりするんだ。 え:いや、だから落ち込んだ気持ちになったときに、いつもだったら“ここで落ち込んじゃいけないんだ、がんばろうがんばろう”ってするんだけど、そうすると疲れるから。ここで気を抜いてみたらどうなんだろうって、一瞬ちょっと気を抜いてみるんですけど、そうするとうまくいかない。絶対うまくいかない。 よ:へー・・・。でも、そんないつも冷静に考えているもんなのかなあ。 え:そうじゃないんですか、普通の人って? よ:わかんない。俺は・・・そのときの気持ちにまかせちゃうからね。 え:あー。でも、それもきっと性格ですよね。 よ:血液型って何型なの? え:AB(笑)。 よ:・・・なるほどな。 え:どういう意味ですか!?(笑) |
